人権

人権方針の策定

タムロンは、経営理念「光を究め、感動と安心を創造し、心豊かな社会の実現に貢献します」に基づき、グローバルに事業を展開する企業として、また、国連グローバル・コンパクトに署名し、「国連グローバル・コンパクト10原則」を支持している企業として、サプライチェーンにおける人権尊重の重要性を認識し、これまでも、CSR重要課題の一つに人権の尊重を含む「CSR調達の推進」を掲げ、取組みを進めてきました。

国連で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」は企業の人権尊重責任を明確化し、近年、企業による人権尊重は事業継続においても重要性を増しています。
これら従前からの取組みと社会的背景を踏まえて、当社は2023年4月の取締役会において「タムロン人権方針」を定めました。

当方針を当社グループ内の事業活動に浸透させるとともに、当社のサプライヤー等に対して働きかけ、人権尊重の取組みを進めてまいります。

タムロン人権方針

株式会社タムロンおよびその子会社からなるタムロングループ(以下、タムロン)は、その経営理念に基づき、ここに「タムロン人権方針(以下、本方針)」を定め、常に国際社会と協調した経営や行動に努めます。

1. 人権方針の適用範囲

タムロンは、本方針をタムロンのすべての役員・社員に適用します。また、タムロンのサプライヤー等に対しても、本方針の内容を理解・支持いただくことを期待するとともに、本方針が尊重されるよう、継続して働きかけます。

2. 人権尊重へのコミットメント

タムロンは、国際人権章典、労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言、OECD 多国籍ガイドラインなどをはじめとする国際規範に学び、人権にまつわる課題に取組んでいきます。タムロンは、国連グローバル・コンパクトに署名し、「国連グローバル・コンパクト 10 原則」を支持しています。タムロンは、事業活動を行う国・地域の法令などを遵守することを基本に上記の人権の原則を最大限尊重する方法を追求します。

3. タムロンが重要と考える人権課題

タムロンは、開発、調達、製造、物流、販売などのビジネスプロセスの中で重点的に取り組むべき人権課題を以下の通り特定し、適切な手続きを通じて対処していきます。

  • 差別等不当な取扱い

    タムロンは、国籍、出生地、人種、信条、宗教、家系(民族)、性別、性的指向、障がい、年齢、その他いかなる事由であっても、差別や個人の尊厳を傷つける行為、嫌がらせ、その他の不当な取扱いを行うことを許容しません。

  • 強制労働と児童労働

    タムロンは、自社グループの拠点において、奴隷や人身取引を含めたあらゆる形態の強制労働、児童労働を許容しません。

  • プライバシーと個人情報

    タムロンは、常に一人ひとりのプライバシーを尊重し、個人情報は細心の注意をもって取り扱います。個人情報保護に関係する国や地域の法令を遵守し、必要かつ適切な個人情報の管理に努めます。

  • ハラスメント

    タムロンは、職場におけるセクシャルハラスメントやパワーハラスメントといった身体的・精神的苦痛を与える行為を許容しません。

  • 労働安全と健康

    タムロンは、各職場で働く人々がその能力を最大限発揮できるよう、安全で健康的な労働環境の形成に努めます。

4. 人権尊重責任遂行のためのガバナンス

タムロンは、経営と現場が一体となってグローバルで人権尊重責任を遂行する体制を構築します。サプライチェーンを俯瞰した責任体制としては、CSR 担当取締役、各部門長がそれぞれ責任を持って人権尊重への対応を推進します。人権尊重へのコミットメントを果たす上で重要な事項については、取締役会で決定します。決定された事項の執行状況は代表取締役社長が委員長を務める CSR 委員会に報告され、取締役会が監視・監督します。

5. 人権デューディリジェンス

タムロンは、人権尊重責任を遂行するために、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を参考に人権デューディリジェンスを実行します。タムロン自らの活動が引き起こした人権への影響を評価し、特定された負の影響については、原因の回避または軽減に努めます。また、タムロンとの取引関係によって、タムロンの事業、製品またはサービスとつながっている人権への影響についても、本方針が尊重されるよう働きかけます。

6. 是正

タムロンは、事業活動を通じて人権への負の影響を引き起こした、もしくは助長したことが明らかになった場合は、適切な手続きを通してその是正に取組むとともに対処を進めていきます。

7. ステークホルダーエンゲージメント

タムロンは、社内外の様々なステークホルダーとの対話や協議を通じることにより、本方針の一連の取り組みを進化させていきます。

8. 情報開示

タムロンは、公正で透明性の高い経営の実現を目指しています。影響を受けるステークホルダーや商取引上の秘密に十分配慮した上で、人権尊重の取組みについて Web サイトや報告書を通じて適宜公表していきます。

9. 周知、教育

タムロンは、本方針をタムロンのすべての役員・社員に浸透するように適切な教育や研修に取り組むとともに、サプライヤーなどに対しても本方針の理解を得るための活動を進めていきます。

10. 人権方針の策定プロセスと見直し

タムロンは、取締役会にて本方針を決議しました。社会動向や事業環境に応じて変化する人権課題に対応できるよう、定期的に方針内容を見直し、改定を行います。

(制定:2023 年4月 18 日)

人権デューディリジェンス

 当社は、「タムロン人権方針」に基づき、自社及びサプライヤーにおける人権への負の影響を特定、防止・軽減する一連のプロセスである人権デューディリジェンスを実施することで人権への負の影響の防止・軽減に取り組みます。

人権デューディリジェンス全体像

人権デューディリジェンス全体像

人権デューディリジェンスの主な取り組み

■サプライヤー向けSAQの実施

2023年は、当社1次サプライヤー186社向けにSAQ調査を実施いたしました。「人権に関する法規制等の認識」「人権方針等の整備」に関する回答の結果に応じて、人権に関する高リスクサプライヤーを抽出しました。対象となったサプライヤーには人権に関する法規制等の教育・効果確認等を実施し、サプライヤーの改善活動を支援しております。

■当社グループ内における人権リスクの抽出・評価

リスクマネジメント委員会の活動を通して、当社グループ内の人権に関するリスクの抽出・評価、結果に応じて対応策の立案・実施・モニタリング等を行っております。

■当社内における教育研修の実施

社員一人ひとりが人権尊重に関する正しい知識を身に付け、人権に関するリスクを未然に防止することを目的として、社員に対する教育・研修を行っています。2023年10月には国内従業員向けに、ビジネスと人権に関するEラーニング教育を実施いたしました。2023年4月に制定した「タムロン人権方針」を再周知し、企業が尊重すべき人権の全体像・人権に関する取り組みが、事業活動に与える影響等に関して理解を求めました。