製品ごとに開発されるVCユニット
どんなに優れた性能の製品であっても、実用的でなければ、活用シーンが限られてしまう。タムロンが初めて高倍率ズームの開発を構想したとき、目標とした大きさが、タバコの箱を一回転したサイズだったという逸話が示すように、小型・軽量化と高性能・高画質を両立してこそ、ユーザーに愛用される製品が生まれる。2010年に発売された、18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD (Model B008)では、大幅に小型化した改良型の「VC」機構と、「PZD(Piezo Drive)」*1を搭載することにより、15倍の高倍率ズームとして世界最小・最軽量を実現という快挙を成し遂げた。
*1 「PZD (Piezo Drive)」: タムロン独自開発の定在波型超音波モーター。その駆動原理は、ピエゾ(圧電セラミックス)素子に高周波電圧を加えて伸縮・屈曲させ、素子先端に取り付けた金属チップの楕円運動によって回転軸のローターを回しフォーカスレンズを駆動する。PZDは静音性に優れ、素早いピント合わせも可能となる。