時代の波
21世紀に入り、カメラ産業に大きな変化の波が訪れた。急速なデジタル化によって、自動化・電子化が加速し、より精度の高い性能が要求されるようになってきたのである。それはカメラボディに限った話ではない。円筒形をしたレンズは、昔も今も一見それほど変わっていないように見える。しかし、その内部はかつてとは別物といっていいくらいに電子化され、複雑なメカニズムが組み込まれるようになっていったのである。こうした時代の波は、タムロンに大きな決断を迫るものでもあった。
写真:複雑なメカニズムが組み込まれた手ブレ補正機構「VC」ユニット