2022.03.10
写真家 Woody Lau氏が、高倍率ズーム タムロン18-300mm F3.5-6.3 (Model B061)富士フイルムXマウント用で撮るポートレートスナップ
私はポートレートをメインに様々な撮影を行っていますが、これまではずっと単焦点レンズを使っていました。単焦点レンズは小さくて軽く、それが大口径レンズなら、ボケ味を活かした美しい描写の写真が撮れるからです。しかし近年では、こうしたボケ描写による撮影以外にも、様々なシーンを撮影するようになりました。ありふれた日々の中のポートレートを撮るのが好きで、目の前の情景を見たままにとらえ、出会った人々の表情からうかがえる、その暮らしやストーリーまで感じさせるような写真が撮りたいと思っています。
長年富士フイルムユーザーとして、50-140mmや70-300mmは知っていましたが、今回試した新しい高倍率ズームレンズ、タムロン18-300mm F3.5-6.3の非常に幅広い焦点距離には驚きました。APS-Cフォーマットのため、35mm判換算での焦点距離は27-450mmとなり、まさに「1本でほとんどの焦点距離をカバーできるレンズ」と言えます。
通常は35mm、50mm、85mmの単焦点レンズを持って撮影に出かけていましたが、この高倍率ズームレンズ18-300mm F3.5-6.3があれば、複数のレンズでカバーする焦点距離を1本で網羅することができます。単焦点レンズをその都度交換する、といった撮影時の負担が減り、撮りたいシーンを逃さずとらえる、快適で、価値ある撮影が実現できます。また、同じシーンでも焦点距離やアングルを変えることで構図に変化が生まれ、撮影シーンのバリエーションも増えます。
画質についても単焦点に匹敵するような素晴らしい描写です。富士フイルムX-T4に装着して使いましたが、AFについては申し分ありませんでした。18mmはもちろんのこと、300mmでもピント合わせのスピードがとても速く、静かで正確でした。レンズには手ブレ補正機構VCが搭載されているので、望遠300mmでの手持ち撮影も問題ありません。そして特筆すべきは、18mmで最短撮影距離0.15mという驚くほどの至近距離で撮影ができる事です。最大撮影倍率1:2で写し出す世界は、私の創造や表現の幅を広げてくれました。この驚きの特長は、間違いなく18-300mm F3.5-6.3の大きな付加価値となるでしょう。
Woody Lau ウッディ・ラウ
1996年生まれ。香港を中心に活動しており、個人の撮影プロジェクトだけにとどまらず、様々なコマーシャル撮影にも携わっている。2021年には複数の個展を開催し、初の写真集「Aerial」を出版。