2024.12.24
ホワイトバランスとは?基礎知識からクリエイティブな活用例までご紹介
ホワイトバランスとは?基礎知識からクリエイティブな活用例までご紹介
ホワイトバランスとは?
私たち人間の目や脳は優れた識別能力を持っています。たとえば、白い建物を日中に見ても、夕暮れ時に見ても、「これは白い建物だ」と認識するでしょう。しかし、カメラの場合は事情が異なります。カメラはイメージセンサーに入ってきた光をそのまま記録するため、光源の色味がそのまま被写体に反映された状態で画像が出来上がるのです。
そこで必要になるのが「ホワイトバランス」という機能です。ホワイトバランスは、本来白く見えるはずのものを、どの光の下でも白く表現できるよう調整する機能です。言い換えれば、光源による色かぶりを補正し、自然な色再現を実現する機能とも言えます。
ホワイトバランス機能を使えば、撮影時の光源に合わせて色味を調整し、より自然な色合いで撮影できるようになります。それだけでなく、赤みや青みを意図的に加えた、クリエイティブな表現にも応用されます。
色温度とホワイトバランス
ホワイトバランスを理解するうえで重要なのが「色温度」という概念です。色温度は光の色味を数値化したもので、単位はケルビン(K)で表されます。基準となるのが太陽光で、一般的に5,500K前後です。この数値を基準に、それより低い色温度では赤みが強く、高い色温度では青みが強くなります。
たとえば、白熱電球の光は3,000K前後と低めの色温度で、写真は赤みを帯びます。一方、青空が広がる環境下での日陰(晴天日陰)の光は8,000K程度と高い色温度で、青みの強い印象になります。こうした光源による色味を補正して、”白” を”白”に見せるのがホワイトバランスです。
カメラに設定されているホワイトバランスの種類
一般的な一眼カメラには、さまざまな撮影シーンに対応したホワイトバランスのプリセットモードが用意されています。これらの設定を上手に使いこなすことで、より自然な色合いの写真を撮影できるようになります。ここからは、代表的なホワイトバランスの設定とその特徴を見ていきましょう。
オートホワイトバランス
基本となるのが「オートホワイトバランス」(AWB)です。このモードではカメラが撮影シーンの光源を自動で判断し、最適な色温度に設定してくれます。晴れた日の屋外撮影や、室内での撮影など、多くの場面で自然な色再現を実現してくれます。
ただし、複数の光源が混在する環境や、極端な色の光源がある場合には、カメラが正確に判断できないことがあるため注意が必要です。たとえば、夕暮れ時の室内で窓際に立つ人物を撮影する場合、室内の照明と夕日の光が混ざり合い、意図しない色味になることもあります。このようなシーンでは次に紹介する各種プリセットモードを活用することで、狙い通りの色味に近い表現をできるようになります。
太陽光
「太陽光」モードは、晴れた日の屋外撮影に最適な設定です。一般的に色温度が5,000K程度の設定であり、これは太陽光の色温度とほぼ同じ値です。風景写真や屋外のポートレート撮影時に使用すると、空の青さや木々の緑、人物の肌の色など、自然な色合いで再現できます。花の色も鮮やかに、かつ自然な印象で写すことができるので、公園や観光地での撮影にもおすすめです。
日陰
建物の陰や木陰など、直射日光が当たらない場所での撮影には「日陰」モードが適しています。日陰は一見すると気づきにくいのですが、青空からの光が影響するため、色温度が8,000K程度であり、写真に青みがかかりやすいため、青みを抑えるために赤みが強く補正されます。
たとえば、晴れた日のポートレートで木陰に立つ人物を撮る場合、日陰モードを使うことで肌の色を自然に表現できます。また、木漏れ日の撮影でも効果を発揮し、光と影のコントラストを活かしながら、より印象的な1枚を残すことができます。
曇天
曇り空での撮影には「曇天」モードが適しています。曇り空は6,000K前後の色温度であり、
曇り空の穏やかな光に合わせて、わずかに暖色寄りの補正がかかります。たとえば、花や紅葉など色彩豊かなシーンを鮮やかに描写してくれます。
電球
室内の白熱電球下での撮影は「電球」モードが最適です。一般的には白熱電球の色温度は3,000K程度であり、写真が黄色やオレンジ色に色づきやすい傾向です。そこで、このモードでは青みが強く補正されます。
一例として、室内での人物撮影や料理の撮影を考えてみましょう。電球のやわらかな光は、全体的な雰囲気づくりには最適ですが、料理の色が黄色っぽく写ってしまうこともあります。そのような時には電球モードを使えば、料理本来の色味を表現できます。
蛍光灯
オフィスや商業施設では蛍光灯の光源も多いです。一般的な蛍光灯の色温度は4,000K前後で、若干緑がかったような色味が特徴です。「蛍光灯」モードは、この色味を補正してくれます。蛍光灯は種類も豊富で、温白色や昼白色など、色味が微妙に異なります。そのため、一眼カメラの機種によっては、細かな設定が用意されていることも多いです。
たとえば、オフィスでの記念撮影や商品撮影などを「蛍光灯」モードで撮影すると、白い壁や事務用品なども、本来の色味に近い状態に仕上がります。
シーン別のホワイトバランス設定例
ここまで、ホワイトバランスの基本的な機能と各モードの特徴を見てきました。しかしながら、ホワイトバランスは単に白を白く写すだけの機能ではありません。あえて青みを強調したり、暖かみのある色調にしたり、撮影者の意図に合わせた表現も可能です。ここからは、実際の撮影シーンごとに、ホワイトバランスを活かした表現方法をご紹介していきます。
早朝の撮影
太陽が沈みゆく夕暮れ時、いわゆるマジックアワーは、一日の中でも非常に美しく幻想的な光が得られる時間帯です。この時間帯の自然光はオレンジっぽい色味となるため、ホワイトバランスを「太陽光」や「日陰」モードに設定することで、暖かな色合いを自然に再現できます。
さらに、夕陽や茜空の赤みを強調したい場合は、「日陰」モードのような高めの色温度(約7,000Kから8,000K)を選択するのもおすすめです。一方、夕暮れの空をクールな印象に仕上げたい場合は、あえて色温度が低めのモードを選択することで青みを強調できます。
マジックアワーは光の色味が刻一刻と変化するため、撮影後に仕上がりを確認しながら微調整を行い、理想の色味を追求してみましょう。
紅葉の撮影
夜景の中には街灯、ネオン、車のライトなど、さまざまな光源が混在します。こうした環境では、オートホワイトバランスを使用すると良いでしょう。
より印象的な作品にするには、意図的に色味を加えてみるのもおすすめです。たとえば、雨上がりの撮影では、ホワイトバランスを「電球」モードなど低めの色温度に設定することで、青みを強調し、しっとりとした雰囲気を演出できます。一方で、街灯のあたたかみを際立たせたい場合は、「曇天」や「晴天日陰」モードのように高めの色温度を選ぶことで、赤みを引き立て、情感のあるノスタルジックな印象を作り出せます。
RAWでホワイトバランスを調整する
撮影時にホワイトバランスを設定する以外にも、RAWで撮影することで現像時に柔軟にホワイトバランスを調整できます。RAW現像ソフトによっては、さまざまなプリセットが用意されており、それらを基準に好みのホワイトバランスに微調整することが可能です。また、露出の調整も細かに行うことができます。
撮影条件が厳しい場合や、失敗できない撮影、あとから好みの色味や表現を追求したい場合は、RAWで撮影すると良いでしょう。
おすすめのタムロンレンズ
ホワイトバランスを活かした表現を追求するには、高画質な写真を撮ることが重要です。タムロンのレンズは優れた描写性能と解像度により、高画質な撮影を可能にします。また、軽量・コンパクトで、初心者の方にも使いやすいレンズを多くラインナップしています。
広角ズームレンズ
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17-28mm F/2.8 Di III RXD a046(Model )
17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)は抜群の携帯性と高画質を両立させた、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径超広角ズームレンズです。クラス最小・最軽量を達成し、コンパクトで持ち運びしやすいため、街中や旅先の建造物から山岳の写真までさまざまな風景を気軽に撮影することができます。特殊硝材LD (Low Dispersion:異常低分散)レンズやXLD (eXtra Low Dispersion)レンズを贅沢に使用し、色収差を大幅に抑制。コンパクトボディながら優れた光学性能を発揮します。さらに広角端17mmでの最短撮影距離は0.19mと、超広角ならではのパースペクティブを活かした近接撮影も可能です。AF駆動には高速・精密なステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載。加えて、簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、アウトドアシーンでも快適な撮影をサポートします。このレンズがフットワークを軽くさせ、あなたを新たな景色へと連れだします。
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17-50mm F/4 Di III VXD a068(Model )
17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)は、静止画や動画撮影で使用用途の高い焦点距離をカバーした、超広角域17mmから標準域50mmまでをF4通しでカバーする広角ズームレンズです。ズーム全域で高い描写力を達成しており、画面周辺までクリアに描きます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用し、高速・高精度なAFを実現。また、インナーズーム機構の採用により、ズーム時に長さが変化しないため、静止画撮影だけでなく、ジンバルなどに搭載してもバランスがとりやすく、動画撮影にも最適です。さらに、広角端で最短撮影距離0.19m、望遠端で0.3mと近接撮影能力が高く、被写体に思いきり寄れるため、様々な撮影シーンで個性豊かな一枚を撮影することができます。機動力・利便性に長けたこの1本を持ち歩けば、静止画・動画問わず、ダイナミックな風景からスナップ撮影まで、レンズ交換をせずにバリエーション豊かな撮影が可能です。
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11-20mm F/2.8 Di III-A RXD b060(Model )
11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)は、大口径F2.8でありながら小型軽量と高い描写力を実現。コンパクトなAPS-Cサイズミラーレスカメラボディとのバランスもよく、普段使いとして最適です。広角端11mmでは最短撮影距離0.15m、最大撮影倍率1:4と驚異的な近接撮影能力を実現し、パースペクティブの効いたデフォルメ効果を活かしたワイドマクロ撮影が可能。また、AF駆動には静粛性に優れたステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載しており、静止画だけでなく動画撮影にも適しています。加えて、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、超広角大口径F2.8の高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
標準ズームレンズ
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
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17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD b070(Model )
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。
望遠ズームレンズ
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD a058(Model )
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)は、広角端で開放 F2を達成し、準広角35mmから望遠150mmまで、ポートレート撮影で使用頻度の高い画角を1本でカバーします。大幅な大口径化と高画質を実現、リニアモーターフォーカス機構VXDにより高速・高精度AFを達成しています。新デザインの採用により、操作性や質感も向上しました。独自開発の専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズも可能になりました。
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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a069(Model )
50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069)は、70-300mm使用時の「広角側が少し物足りない」の声に応え、広角側を50mm始まりに。望遠域300mmまでカバーしながらも非常にコンパクトなサイズを実現しています。また、50-300mm全域で高画質を達成。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)や手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の搭載により、あらゆる撮影を強力にサポートします。さらに、広角端では最短撮影距離0.22m、最大撮影倍率1:2の高い近接撮影能力で、存分にハーフマクロの世界を楽しめます。気軽に本格的な撮影が楽しめるこの万能ズームレンズが、作品づくりの可能性を広げます。
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70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 a065(Model )
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)は、市場でご好評をいただいている大口径望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」(以下Model A056)からさらなる進化を遂げ、第2世代「G2」モデルとして誕生しました。本機種では、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を新たに搭載。クラス最小・最軽量*の機動力を維持しながら、より安定した撮影が可能です。また、初代Model A056から光学設計を一新し、ズーム全域で妥協のない高画質な写りを実現。広角端の最短撮影距離も初代の0.85mから0.3mへ短縮することに成功しており、非常に短い最短撮影距離による、本レンズならではのユニークな写真表現が楽しめます。 *手ブレ補正機構搭載フルサイズミラーレス用大口径F2.8望遠ズームレンズにおいて。(2023年8月現在。タムロン調べ)
高倍率ズームレンズ
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28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD a071(Model )
これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。
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28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD a074(Model )
タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)は、ズーム倍率10.7倍でコンパクト、汎用性に優れたソニー Eマウント用高倍率ズームレンズです。フルサイズミラーレス一眼カメラ用高倍率ズームレンズとして、クラストップレベルの高画質を誇り、高速・高精度AFのVXDと、手ブレ補正機構VCを搭載。レンズ交換不要であらゆる「撮りたい」に対応できる、行動派レンズです。
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18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD b061(Model )
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)はズーム比16.6倍を実現し、AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを搭載。特殊硝材をバランスよく配置したことで、画面の中心から周辺まで高い描写性能を維持し、クラストップレベルの高画質を実現しています。優れた近接撮影能力と手ブレ補正機構VCも搭載。広角から超望遠まで高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。