2023.12.25
標準ズームレンズを詳しく解説！利用シーンの具体例や選び方を解説
ズームレンズとは焦点距離を変えることができるレンズで、主に広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームに分類されます。標準ズームレンズは、焦点距離が約50mm前後をカバーするズームレンズで、広角と望遠の中間に位置します。人間の視野に近い画角を映すため、「標準」と呼ばれています。標準ズームレンズは自然な画角で撮影できるため、シーンを選ばず万能に使えるのが特徴です。
また、焦点距離はmmで表され、レンズの製品名に記載されます。数値が小さいほどカメラの写す範囲(画角)が広くなります。焦点距離約35mm以下が広角レンズ、約50mm前後が標準レンズ、約80mm以上が望遠レンズとするのが一般的です。
単焦点レンズはズームレンズとは異なり、焦点距離が固定されています。一般的に、単焦点レンズは高い解像度や美しいボケの表現をできることが特徴です。また、開放F値が小さく設計されていることが多いため、レンズに入り込む光の量が多くなり、露出を明るく保ちやすくなります。
一方、画角が固定されておりズームができないため、被写体との距離感を撮影者が動いて調整する必要があります。対照的にズームレンズは、1本のレンズで広角側から望遠側まで画角を変えることが可能なため、幅広いシーンに対応しやすいというメリットがあります。
関連記事：単焦点レンズとは？特徴やレンズ選びのポイントをご紹介
広角ズームレンズは、約35mm以下の焦点距離を持つレンズです。標準ズームレンズと比べて画角が広く、被写界深度(ピントが合って見える面)が深いため、広範囲にピントが合います。
さらに、近くのものがより大きく、遠くのものがより小さく見えることで、遠近感(パースペクティブ)が強調される効果を得ることができるのも広角ズームレンズの特徴です。このことから、広角ズームレンズは自然風景など目の前に広がる景色をダイナミックに撮影したいときに有用です。
関連記事：広角レンズとは？特徴と種類や選び方について解説
望遠ズームレンズは、約80mm以上の焦点距離をカバーするレンズです。画角が狭く、遠くにある被写体を拡大して写すことができます。また、被写界深度が浅いため、背景がボケやすいという特徴があります。被写体との距離が遠いスポーツや野生動物などを撮影することは望遠レンズの得意分野です。
さらに、「圧縮効果」(遠くのものがより近くにあるように見える=距離感が圧縮される)が得られるのも大きな特徴で、背景ボケを活かしたポートレートなどは代表的な作例の一つです。
関連記事：望遠レンズとは？使い方やレンズ選びのポイントもご紹介
標準ズームレンズは、自然な画角や距離感、雰囲気で被写体を撮影できます。そのため、人物のスナップやポートレートの撮影におすすめです。光の向き (順光、逆光) や背景のボケ感を活かすことで、印象的なポートレートを撮影できます。
また、標準ズームレンズでは被写体との距離を適度にとれるため、相手に声掛けしながら撮影できるメリットもあります。被写体との関係性から醸し出される親密さやあたたかさ、緊張感を表現するのにも適しています。
関連記事：可愛い子どもの写真を上手に撮るには？一眼カメラ上達のコツをご紹介
標準ズームレンズは、その場を歩いているような画角で建造物や街並み、景色などを撮影できます。目の前に映る光景全体を写す以外にも、目を引かれた風景の一角をズームアップして切り取るような撮影も可能です。また、作品が淡白な印象にならないためには、画角や構図にこだわってみるのもおすすめです。広角側で角度をつけて建物や街並みを撮ってみたり、望遠側で遠くにある建物にフォーカスしてみたり、様々な画角、構図を試してみましょう。
自然風景といえば広角レンズが代表的ですが、標準レンズを用いることで自分の目で見えている景色をそのまま写すことができます。風景全体だけでなく、身近な距離感の中にある草花などにフォーカスすることで、実際にその場に立っているような印象が得られるでしょう。
標準ズームレンズは１本で広角側から望遠側までをある程度カバーしているため、たくさんのレンズを持ち歩かなくても、旅行や散歩中に気軽に自然風景を撮影できるのもポイントです。
標準ズームレンズには、テーブルウェアや食べ物のディテールをしっかり映しながら、自然な画角で撮影できるメリットがあります。角度をつけて撮影したり、主題となる食べ物や器にピントを合わせその他のテーブルウェアでボケを作ったりすると、印象的な写真になります。テーブルに座ったままでも違和感なく撮影が可能なのも、標準ズームレンズの特徴です。
ペットとの撮影では、親密な関係性をそのまま表現することが可能です。なるべくペットの目線に合わせ、背景ボケを活かして撮影することで、表情をしっかりと捉らえつつ主役を引き立たたせることができます。標準ズームレンズなら室内など狭い場所でも無理のない距離感で撮影できるでしょう。
関連記事：ペット(犬・猫)の写真を可愛く撮るには？一眼カメラのコツをご紹介
レンズのF値は光を取り込む量やボケの目安となり、絞りを絞る(F値を大きくする)ほど、光量が少なく、ボケも小さくなります。絞りを最も開いた状態のF値が「開放F値」です。開放F値よりもF値を小さくすることはできないため、その値が小さいほど取り込む光の量が多くなり、かつ被写界深度が浅くなるのでボケも大きくなります。
そのため、開放F値が小さいレンズの方が、屋内や曇天など光量が少ない環境やシャッタースピードを速くした場合に有利になります。また、大きな背景ボケを活かした一眼カメラらしい写真も撮影しやすいです。
関連記事：F値(絞り値)とは？設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
レンズは最短撮影距離より被写体に近付くと、ピントが合わなくなります。したがって、最短撮影距離が短いほど、被写体に寄れるレンズになります。最短撮影距離が短ければ1本のレンズで撮れるバリエーションが増えるので表現の幅が広がります。
決定的な瞬間を逃さず撮影するためにレンズに搭載されたAF性能は重要です。スムーズに被写体を捉え素早くピントが合うか、動きのある被写体にもしっかりと追従し続けるかを確認しておきましょう。静粛性が求められる環境下での撮影に備えて、AF動作時のモーター音も確認しておくとよいでしょう。
タムロンのAF技術を詳しく見る →
-
-
20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
-
-
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063）は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1：2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
-
-
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD b070(Model )
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。
