2024.11.28
シャッタースピードとは?設定の目安や被写体に合わせたコツをご紹介
シャッタースピードとは?設定の目安や被写体に合わせたコツをご紹介
カメラのイメージセンサーに光が当たることを露出といい、センサーが受け取る光の量を表します。露出の結果として写真の明るさが決まり、露出は「F値(絞り値)」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの要素によってコントロールされます。
シャッタースピードが速いと、センサーが光を受け取る時間が短くなるため写真は暗くなりがちです。反対に、シャッタースピードが遅いと露出が大きくなり、明るめの写真になります。
そのため、たとえばシャッタースピードを速くして被写体の動きを止めたい場合は、F値を小さくしたり、ISO感度を上げたりして、適正な明るさになるよう調整する必要があります。
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シャッタースピード優先モードとは
デジタル一眼カメラには数種類の撮影モードが搭載されていますが、その中でもシャッタースピードを起点に露出が調整されるのが「シャッタースピード優先モード」です。
このモードでは、シャッタースピードを設定すると、カメラが自動的にF値とISO感度を調整して適正露出を確保してくれます。スポーツや野鳥など、動きの速い被写体を撮影する際には、このモードを使うことで、ブレの少ないクリアな写真を撮影しやすくなります。
速いシャッタースピードの特徴
遅いシャッタースピード(スローシャッター)は、1秒や10秒など、長い時間シャッターを開けたままにする撮影方法です。シャッターを長時間開けることで十分な露出を確保できるため、夜景や星空、暗い室内など、光の少ない環境での撮影に適しています。
また、クリエイティブな表現手法としても活用でき、たとえば滝の流れを絹のように表現したり、車のテールランプの光跡を描いたりすることができます。ただし、長時間シャッターを開けることで手ブレや被写体のブレが発生しやすくなるため、基本的には三脚の使用が必須となります。
手ブレを抑えるためのシャッタースピードの目安
手持ち撮影で手ブレを防ぐためには、広く知られている経験則があります。それは「1/焦点距離」という計算式です。たとえば、50mmのレンズを使用する場合は1/50秒、200mmのレンズなら1/200秒というように、使用するレンズの焦点距離の逆数を目安にシャッタースピードを設定します。
ただし、これはあくまで目安であり、被写体や撮影する環境によって適切なシャッタースピードは変わってきます。試し撮りをしながら、シャッタースピードを調整しましょう。また、暗い場所での撮影や意図的にスローシャッターを使用する場合は、三脚を活用してブレのない写真を撮影しましょう。
シーン別のシャッタースピードの目安
シャッタースピードの設定は被写体や撮影環境、撮りたいイメージによって大きく変わります。ここからは、代表的な撮影シーンごとに、シャッタースピードの具体的な設定例をご紹介します。これらの数値はあくまでも目安ですが、撮影時の基準として参考にしてみてください。
運動会
子どもたちの生き生きとした表情や躍動感のある動きを撮影する運動会。走っている姿や跳んでいる瞬間をブレなく撮影するには、1/500秒から1/1000秒程度の速いシャッタースピードを設定しましょう。
一方で、より臨場感のある写真を目指すなら、流し撮りも効果的です。被写体を追いながら撮影することで、背景を流し、躍動感を演出できます。この場合は1/60秒から1/125秒程度のシャッタースピードが適しています。
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ポートレート
人物写真の目安となるシャッタースピードは、1/60秒から1/125秒程度です。この範囲を目安にすると、表情や自然な仕草をブレなくシャープに撮影できるでしょう。風がある環境や動きながらの撮影など、被写体の動きがある場合は、1/250秒程度まで速くすると良いでしょう。
ただし、室内や日陰などで光量が不足する場合は、シャッタースピードを遅めに設定したり、ISO感度を調整したりして自然な明るさを確保します。
関連記事:ポートレートとは?上手に撮影するコツやレンズ選びのポイントを解説
夜景
野鳥の撮影では、撮影したいイメージによって目安とするシャッタースピードを変える必要があります。たとえば、枝に止まっている野鳥を撮影する場合は、1/250秒から1/500秒程度が目安となります。一方、飛翔シーンを撮影する場合は、羽ばたきをしっかりと止めるために1/1000秒から1/2000秒、場合によってはそれ以上の高速シャッターが必要です。
野鳥の活動が活発な早朝や夕方は光が弱いため、ISO感度を上げて露出を確保しましょう。ただし、ISO感度を上げるとノイズが気になることがあるので注意しましょう。
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スポーツ
スポーツ撮影では、勝敗を決める決定的なシーンや、選手の生き生きとした瞬間を捉えることが重要です。バスケットボールや野球、テニスなど動きの速いスポーツでは、1/1000秒以上の高速シャッターが目安です。特に、ボールの動きや選手の表情をシャープに切り取りたい場合は、1/2000秒など、さらに速いシャッタースピードも試してみましょう。
一方、選手の躍動感を表現したい場合は流し撮りも効果的です。この場合は1/125秒から1/250秒程度に設定し、被写体を追いかけるように撮影します。競技の特性や表現したい印象によって、適切なシャッタースピードは変わってきます。
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星空
星空をきれいに撮影するには、三脚の使用が必須となります。星々を点として収める場合、例えば光学レンズでは10秒から30秒程度の露光時間が目安です。ただし、露光時間が長すぎると地球の自転の影響で星が線状に写ってしまうため注意が必要です。
逆に、この現象を利用して星の軌跡を撮影する際は、15分から場合によっては数時間という非常に長い時間の露光が必要で、比較明合成などの手法が利用されます。月など比較的明るい天体を撮影する場合は、1/125秒程度の比較的速いシャッタースピードでも、十分な明るさが得られるでしょう。
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滝
流し撮りは、被写体を追いかけるようにカメラを動かすことで、背景を流しながら被写体の躍動感を表現する手法です。適切なシャッタースピードは被写体の動きの速さによって変わってきます。
たとえば歩行者を撮影する場合は1/30秒程度、走っている人や自転車では1/60秒程度が目安です。さらに速い被写体である車や電車の場合は、1/125秒から1/250秒程度の速めのシャッタースピードを選択します。
一方、流し撮りは一朝一夕で身につかず、経験がものを言う技術でもあります。最初は遅いシャッタースピードから始めて練習を繰り返し、徐々に速いシャッタースピードや被写体にチャレンジしていくと良いでしょう。
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光の軌跡(光跡)
都市を走る車など、光を軌跡として捉えた写真は幻想的でクールなイメージを抱かせます。車のライトの軌跡を撮影する場合は、10秒から30秒程度の長時間露光が一般的です。交通量や車の速度によっても最適な時間は変わりますが、まずは15秒程度から試してみると良いでしょう。
また、このような光の軌跡をさらに印象的にするために「後幕シンクロ」を活用するのも効果的です。後幕シンクロとは、シャッターが閉じる直前にフラッシュを発光させる技法で、光の軌跡が動きの方向に沿って自然に表現されるのが特徴です。例えば、走行中の車を撮影する際に使うと、車体はブレることなくシャープに写りながら、ライトが美しい光跡を残す仕上がりになります。これにより、動きの終点でフラッシュが発光するため、被写体の動きがより明確に伝わります。
別の被写体として、花火も光跡が美しく映える被写体です。花火を軌跡として撮影するには、打ち上げから開花、消えるまでの一連の動きを美しく収める必要があるため、4秒から8秒程度の露光時間が目安となります。どちらの撮影でも三脚は必須で、シャッターを切る際はセルフタイマーやリモートシャッターの使用がおすすめです。
動画撮影
動画撮影では、1/50秒から1/60秒のシャッタースピードが基本となります。これは、フレームレートを動画撮影で一般的な24fpsや30fpsに設定した際に、自然な動きを表現できるシャッタースピードのためです。
注意点として、東日本(50Hz地域)では1/50秒、1/100秒といった50の倍数、西日本(60Hz地域)では1/60秒、1/120秒といった60の倍数のシャッタースピードを選ぶことで、蛍光灯などの人工光源によるフリッカー(画面のちらつき)を抑制することができます。
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タムロンおすすめのレンズ
美しい写真を撮影するには、シャッタースピードなどの露出設定だけでなく、レンズの選択も重要です。タムロンのレンズは軽量でコンパクトなサイズ感に高い描写性能を兼ね備えており、初心者の方にもおすすめのレンズを多くラインナップしています。
広角ズームレンズ
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17-28mm F/2.8 Di III RXD a046(Model )
17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)は抜群の携帯性と高画質を両立させた、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径超広角ズームレンズです。クラス最小・最軽量を達成し、コンパクトで持ち運びしやすいため、街中や旅先の建造物から山岳の写真までさまざまな風景を気軽に撮影することができます。特殊硝材LD (Low Dispersion:異常低分散)レンズやXLD (eXtra Low Dispersion)レンズを贅沢に使用し、色収差を大幅に抑制。コンパクトボディながら優れた光学性能を発揮します。さらに広角端17mmでの最短撮影距離は0.19mと、超広角ならではのパースペクティブを活かした近接撮影も可能です。AF駆動には高速・精密なステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載。加えて、簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、アウトドアシーンでも快適な撮影をサポートします。このレンズがフットワークを軽くさせ、あなたを新たな景色へと連れだします。
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17-50mm F/4 Di III VXD a068(Model )
17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)は、静止画や動画撮影で使用用途の高い焦点距離をカバーした、超広角域17mmから標準域50mmまでをF4通しでカバーする広角ズームレンズです。ズーム全域で高い描写力を達成しており、画面周辺までクリアに描きます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用し、高速・高精度なAFを実現。また、インナーズーム機構の採用により、ズーム時に長さが変化しないため、静止画撮影だけでなく、ジンバルなどに搭載してもバランスがとりやすく、動画撮影にも最適です。さらに、広角端で最短撮影距離0.19m、望遠端で0.3mと近接撮影能力が高く、被写体に思いきり寄れるため、様々な撮影シーンで個性豊かな一枚を撮影することができます。機動力・利便性に長けたこの1本を持ち歩けば、静止画・動画問わず、ダイナミックな風景からスナップ撮影まで、レンズ交換をせずにバリエーション豊かな撮影が可能です。
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11-20mm F/2.8 Di III-A RXD b060(Model )
11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)は、大口径F2.8でありながら小型軽量と高い描写力を実現。コンパクトなAPS-Cサイズミラーレスカメラボディとのバランスもよく、普段使いとして最適です。広角端11mmでは最短撮影距離0.15m、最大撮影倍率1:4と驚異的な近接撮影能力を実現し、パースペクティブの効いたデフォルメ効果を活かしたワイドマクロ撮影が可能。また、AF駆動には静粛性に優れたステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載しており、静止画だけでなく動画撮影にも適しています。加えて、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、超広角大口径F2.8の高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
標準ズームレンズ
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
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17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD b070(Model )
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。
望遠ズームレンズ
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD a058(Model )
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)は、広角端で開放 F2を達成し、準広角35mmから望遠150mmまで、ポートレート撮影で使用頻度の高い画角を1本でカバーします。大幅な大口径化と高画質を実現、リニアモーターフォーカス機構VXDにより高速・高精度AFを達成しています。新デザインの採用により、操作性や質感も向上しました。独自開発の専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズも可能になりました。
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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a069(Model )
50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069)は、70-300mm使用時の「広角側が少し物足りない」の声に応え、広角側を50mm始まりに。望遠域300mmまでカバーしながらも非常にコンパクトなサイズを実現しています。また、50-300mm全域で高画質を達成。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)や手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の搭載により、あらゆる撮影を強力にサポートします。さらに、広角端では最短撮影距離0.22m、最大撮影倍率1:2の高い近接撮影能力で、存分にハーフマクロの世界を楽しめます。気軽に本格的な撮影が楽しめるこの万能ズームレンズが、作品づくりの可能性を広げます。
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70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 a065(Model )
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)は、市場でご好評をいただいている大口径望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」(以下Model A056)からさらなる進化を遂げ、第2世代「G2」モデルとして誕生しました。本機種では、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を新たに搭載。クラス最小・最軽量*の機動力を維持しながら、より安定した撮影が可能です。また、初代Model A056から光学設計を一新し、ズーム全域で妥協のない高画質な写りを実現。広角端の最短撮影距離も初代の0.85mから0.3mへ短縮することに成功しており、非常に短い最短撮影距離による、本レンズならではのユニークな写真表現が楽しめます。 *手ブレ補正機構搭載フルサイズミラーレス用大口径F2.8望遠ズームレンズにおいて。(2023年8月現在。タムロン調べ)
超望遠ズームレンズ
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。
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150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD a057(Model )
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。