2024.11.28
オートフォーカス(AF)とは?代表的な種類や使い方を詳しく解説
オートフォーカス(AF)とは?代表的な種類や使い方を詳しく解説
オートフォーカス(AF)とは?
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的に被写体にピントを合わせる機能を指します。AFには複数の方式があり、ピントを合わせる範囲(測距点)をフォーカスエリアで設定できます。
最新のAFシステムでは、ピントを正確に合わせるだけでなく、動く被写体を追跡する追尾性能も重要な要素となっています。特に動体追従性能は、スポーツや動物の撮影など、動きの速い被写体に対して欠かせないポイントです。
マニュアルフォーカス(MF)との使い分け
一方、マニュアルフォーカス(MF)は、撮影者がレンズのフォーカスリングを手動で回してピントを合わせる方式です。MFでは、より意図通りにピントを調整できる一方で、慣れや経験が必要です。
注意したい点は、AFは常に最適解というわけではなく、被写体や環境によってAFでピントが合いにくい場面もあるということです。たとえば、暗所や低コントラストの被写体、複雑な構図の場合は、MFの方が適しているシーンが少なくありません。
そのため、状況に応じてAFとMFを適切に使い分けることで、どのような被写体に対しても美しい写真に仕上げることができます。
AF動作の種類
カメラのAF機能には、主に3つの動作モードがあります。これらは一般に、AF-S、AF-C、AF-Aと呼ばれ、それぞれ異なる撮影シーンや被写体に適しています。適宜適切なモードを選ぶことで、より確実にピントを合わせやすくなるでしょう。
AF-S(シングルAF)
スポットフォーカス(フレキシブルスポットとも呼ばれます)は、特定の狭いエリアにピンポイントでピントを合わせるモードです。一般にこのモードではスポットの大きさを調整でき、被写体の大きさに応じて適切なサイズを選べます。精密なピント合わせが必要な場合や、被写体の多い複雑な構図での撮影に適しています。
拡張スポットは、スポットフォーカスの機能を拡張したモードです。スポットでピントが合いにくい場合に、スポットの周辺に補助的にフォーカスエリアを拡大してピントを合わせます。これにより、より確実にピントを合わせることができ、動きのある被写体や低コントラストの被写体の撮影に役立ちます。
測距点とは
フォーカスエリアの設定にあたり、測距点(そっきょてん、AFフレームとも呼ばれます)という言葉が出てきます。測距点は、カメラがオートフォーカスを行う際に使用する焦点検出のポイントを指します。これらの点は、通常、ファインダーや液晶画面上で確認できます。測距点の数はカメラの機種によって異なり、一般に測距点が多いほど、より柔軟で正確なピント合わせが可能になります。
特にハイエンドモデルでは測距点の多い製品が多く、被写体の細かな部分や、フレームの端に近い位置にもピントを合わせやすい傾向です。ただし、必ずしも測距点の多さ自体が単純に重要なのではなく、撮影シーンや好みに合わせて適切な範囲・数の測距点を選択することが重要です。
オートフォーカス(AF)の仕組み
AFにさまざまな技術や方式がありますが、現在は3つの方式が主流となっており、それらの組み合わせによって高精度なAFが実現されています。ここでは、各AF方式の仕組みと特徴を解説します。
位相差AF
位相差AFは、レンズへの入射光を2つに分けた上で、専用のAFセンサーで結像位置のズレを計測してピントを合わせる方式です。この方式の利点は、他の方式に比べて素早くピントを合わせられることです。スポーツや動きの速い被写体の撮影に適しており、一瞬のシャッターチャンスを逃さず撮影できます。
ただし、位相差AFにはいくつかの制約があります。まず、AF専用のミラーや機構が必要とされるため、基本的には一眼レフカメラで利用される方式で、カメラボディも大きくなります。
像面位相差AF
像面位相差AFは、位相差AF同様、2つの画像の結像位置のズレを検出してピントを合わせます。しかし、この方式では撮像素子上にAFセンサーを組み込んで位相差を検出するため、ミラーレス一眼カメラにも搭載できるというメリットがあります。後述するコントラストAFより高速で、ライブビューにも反映されるため、動画撮影時のAFにも使用できます。また、ミラーレス一眼カメラの小型軽量化にも貢献しています。
一方でデメリットとしては、AF動作に関しては位相差AFよりもやや遅くなりやすく、電力消費も多くなりやすいです。また、一般に暗所でのAF動作はコントラストAFに劣る傾向があります。
コントラストAF
コントラストAFは、レンズを前後に動かしながら、撮像素子上の画像のコントラストが最も大きくなるようにピントを合わせる方式です。この方式の特徴は、AFの正確性、特に暗所での静止した被写体に対して比較的優れている点です。しかし原理上、レンズを動かしながらコントラストを確認する必要があるため、AFが遅くなりやすいという欠点があります。
コントラストAFは、AFセンサーを必要としないため、ライブビューにも使用でき、コンパクトデジタルカメラやスマートフォンにも利用されています。また、撮像素子上で直接ピント合わせを行うため、原理的にはより正確なAFが可能です。
このように、それぞれの方式にはメリット・デメリットがあるため、これらの方式を組み合わせることで、より高精度で高速なAFが実現されています。
タムロンのオートフォーカス(AF)技術
タムロンでは最新のAF技術を支えるアクチュエーターとして、VXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)をレンズに搭載しています。
VXDは大口径レンズであっても、最短撮影距離から無限遠まで快適にピントを合わせることができ、広い撮影範囲で安定したAF性能を発揮します。
また、フォーカスの動体追従性が非常に高く、動きの速い被写体の撮影にも適しています。たとえば、スポーツ写真やポートレート撮影でも、一瞬のタイミングを逃しません。
さらに、VXDの大きな特徴として、AF駆動時に振動が発生しにくいことが挙げられます。これは、静粛性が求められる環境での撮影時に大きなメリットとなります。たとえば、セレモニーやコンサートなど静かな場面での撮影や、動画撮影にも最適です。
タムロンの AF 技術を見る →
タムロンおすすめのレンズ
タムロンのレンズは軽量・コンパクトでありながら、優れた光学性能が特徴です。もちろん、AFについても妥協のない研究開発により、高い正確性と動体追従性を備えた、静音性の高いシステムを構築しています。ここでは、最新のAFテクノロジーであるVXDを搭載したレンズをご紹介します。
広角ズームレンズ
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17-50mm F/4 Di III VXD a068(Model )
17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)は、静止画や動画撮影で使用用途の高い焦点距離をカバーした、超広角域17mmから標準域50mmまでをF4通しでカバーする広角ズームレンズです。ズーム全域で高い描写力を達成しており、画面周辺までクリアに描きます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用し、高速・高精度なAFを実現。また、インナーズーム機構の採用により、ズーム時に長さが変化しないため、静止画撮影だけでなく、ジンバルなどに搭載してもバランスがとりやすく、動画撮影にも最適です。さらに、広角端で最短撮影距離0.19m、望遠端で0.3mと近接撮影能力が高く、被写体に思いきり寄れるため、様々な撮影シーンで個性豊かな一枚を撮影することができます。機動力・利便性に長けたこの1本を持ち歩けば、静止画・動画問わず、ダイナミックな風景からスナップ撮影まで、レンズ交換をせずにバリエーション豊かな撮影が可能です。
標準ズームレンズ
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
望遠ズームレンズ
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD a058(Model )
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)は、広角端で開放 F2を達成し、準広角35mmから望遠150mmまで、ポートレート撮影で使用頻度の高い画角を1本でカバーします。大幅な大口径化と高画質を実現、リニアモーターフォーカス機構VXDにより高速・高精度AFを達成しています。新デザインの採用により、操作性や質感も向上しました。独自開発の専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズも可能になりました。
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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a069(Model )
50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069)は、70-300mm使用時の「広角側が少し物足りない」の声に応え、広角側を50mm始まりに。望遠域300mmまでカバーしながらも非常にコンパクトなサイズを実現しています。また、50-300mm全域で高画質を達成。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)や手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の搭載により、あらゆる撮影を強力にサポートします。さらに、広角端では最短撮影距離0.22m、最大撮影倍率1:2の高い近接撮影能力で、存分にハーフマクロの世界を楽しめます。気軽に本格的な撮影が楽しめるこの万能ズームレンズが、作品づくりの可能性を広げます。
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70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 a065(Model )
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)は、市場でご好評をいただいている大口径望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」(以下Model A056)からさらなる進化を遂げ、第2世代「G2」モデルとして誕生しました。本機種では、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を新たに搭載。クラス最小・最軽量*の機動力を維持しながら、より安定した撮影が可能です。また、初代Model A056から光学設計を一新し、ズーム全域で妥協のない高画質な写りを実現。広角端の最短撮影距離も初代の0.85mから0.3mへ短縮することに成功しており、非常に短い最短撮影距離による、本レンズならではのユニークな写真表現が楽しめます。 *手ブレ補正機構搭載フルサイズミラーレス用大口径F2.8望遠ズームレンズにおいて。(2023年8月現在。タムロン調べ)
超望遠ズームレンズ
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。
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150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD a057(Model )
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。
高倍率ズームレンズ
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28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD a074(Model )
タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)は、ズーム倍率10.7倍でコンパクト、汎用性に優れたソニー Eマウント用高倍率ズームレンズです。フルサイズミラーレス一眼カメラ用高倍率ズームレンズとして、クラストップレベルの高画質を誇り、高速・高精度AFのVXDと、手ブレ補正機構VCを搭載。レンズ交換不要であらゆる「撮りたい」に対応できる、行動派レンズです。
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18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD b061(Model )
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)はズーム比16.6倍を実現し、AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを搭載。特殊硝材をバランスよく配置したことで、画面の中心から周辺まで高い描写性能を維持し、クラストップレベルの高画質を実現しています。優れた近接撮影能力と手ブレ補正機構VCも搭載。広角から超望遠まで高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
単焦点レンズ
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90mm F/2.8 Di III MACRO VXD f072(Model )
90mm F/2.8 Di III MACRO VXD (Model F072)は、長年「タムキュー」の愛称で親しまれてきたタムロン90mmマクロレンズのミラーレス版です。高い解像力と光学性能を誇り、タムロン初の12枚羽根の円形絞りが、美しい玉ボケと光芒表現を実現します。軽量・コンパクトなデザインで気軽に持ち運べ、新型の窓付きフードでフィルター操作も容易です。さらに、TAMRON Lens Utility™に対応し、高速・高精度AFを搭載したこのレンズは、写真と動画撮影の可能性をさらに広げます。伝統の描写力と最新技術を融合させた、新たな「タムキュー」の歴史を切り拓く一本です。