2023.12.25
一眼カメラで動画を撮ろう!動画撮影の基礎知識やコツを徹底解説
一眼カメラでの動画撮影には、さまざまなメリットがあります。例えば、高画質、高解像度の撮影が可能なことです。一眼カメラは、イメージセンサーが大きく、より多くの光を取り込めます。そのため、暗い場所でもノイズが少なく鮮明な動画撮影が可能です。フルHDや4Kといった高解像度での撮影にも対応していることから、細部にわたって精細な表現ができます。
また、レンズ交換式である一眼カメラは、さまざまな画角のレンズが装着可能です。広角レンズで風景や背景をダイナミックに写したり、望遠レンズを用いて大きなボケを作り出すこともできます。
さらに、より本格的な撮影システムを構築できる点も一眼カメラならではのメリットです。たとえば、カメラ本体にケージを取り付けて外部マイクやフォローフォーカスなどのアクセサリーを装着すれば、音声品質やフォーカスの追従性を向上させることが可能です。また、マウントに三脚やジンバルなどの撮影機材を装着することで、より安定した状態での撮影ができます。
関連記事:ワンランク上の動画を撮るなら一眼カメラ!メリット・おすすめ撮影シーン・交換レンズなどを紹介!
このフレームレートの大きさの違いを活かした撮影方法がクイック&スローモーション撮影です。撮影時のフレームレートと記録フレームレートを異なる値にすることで、スローモーションやクイックモーションの動画を撮影できます。
一例として、30pの記録フレームレートで撮影時のフレームレートを120fpsにすれば、4倍のスローモーションになります。逆に、30pの記録フレームレートで撮影時のフレームレートを8fpsに下げると、3.75倍のクイックモーションになるわけです。
たとえば望遠レンズは、手ブレをしやすいため初心者の方にとっては扱いにくいものですが、スローモーション撮影だと手ブレが目立ちにくくなります。そのため、手持ちでの撮影が多い方や初心者の方は、スローモーション設定で撮影してみるのもおすすめです。
シャッタースピードとは、シャッターを開いている時間を表す値です。動画では、フレームレートが高いほど1秒間に撮影するコマ数が多くなり、動きが滑らかになります。
一般的にシャッタースピードは、フレームレートの2倍程度にすると自然な動画に仕上がります。例えば、フレームレートが30fpsであればシャッタースピードは1/60秒程度が適しています。
写真撮影では手ブレや被写体ブレを抑えるために速いシャッタースピードが選択されるため、違和感があるかもしれません。ただ、動画ではシャッタースピードが速いと逆に動きがカクカクして見えてしまいます。そのため、まずはフレームレートありきで、それに従ってシャッタースピードが自然に決まる、というイメージを持っておきましょう。
画角とは、カメラで撮影できる範囲を角度で表したものです。画角の大きさは、レンズの焦点距離によって決まります。
例えば、焦点距離が短いレンズは広角レンズと呼ばれ、より広い範囲を撮影できます。広角レンズを使用し、ダイナミックな風景を撮影することによって、主題となる被写体に対して周囲のコンテクストを伝えられます。
一方、望遠レンズは焦点距離が長く撮影できる範囲が狭まりますが、遠くの被写体にズームアップできます。被写体の表情をクローズアップしたり、遠くの被写体を大きく写したりして、ドラマチックな印象を与えられるレンズです。
もう一つ重要なポイントは、レンズの種類によって遠近感(パースペクティブ)の印象が異なって見えることです。
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カメラのF値(絞り値)とは、レンズの口径を焦点距離で割った値のことで、明るさやボケの目安になります。F値が小さいほど絞りが開くため、多くの光量がレンズに入るとともにボケが大きくなります。一方、F値が大きいほど絞りが閉じるため、光量が減ってボケが小さくなります。一眼カメラらしいボケ感を活かした動画を撮影したい場合は、開放に近いF値がおすすめです。
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フレームレートは、一般的な動画であれば30fpsや60fpsにすることが多いです。映画のような雰囲気の動画を撮影したいのであれば、24fpsにするとよいでしょう。一般的に、動画撮影ではフレームレートの2倍の分母のシャッタースピードに設定すると自然な動画になるといわれています。そのため、フレームレートが24fpsや30fpsであればシャッタースピードは1/50秒(西日本では1/60秒)、フレームレートが60pであればシャッタースピードは1/100秒(西日本では1/120秒)がおすすめです。
※カメラメーカーによっては動画時に1/48に 設定可能なカメラがあります。(富士フイルムXシリーズなど)
東日本と西日本でおすすめのシャッタースピードが異なる理由は、光源のチラつき(フリッカー)を低減するためです。フリッカーを低減する為には、東日本ではシャッタースピードを50の倍数(1/50、1/100)に、西日本では60の倍数(1/60、1/120)に設定します。
カラーコレクションとカラーグレーディングは、動画の色調を調整する作業です。カラーコレクションでは、撮影時のカメラの設定や環境の影響で実際の自然な色とは異なる色合いになっている動画を自然な色に近づけます。具体的には、露出、ホワイトバランス、色相、彩度などのパラメーター調整がカラーコレクションです。
一方、カラーグレーディングは、カラーコレクションでバランスを整えた動画にさらに色のトーンを調整し、映像にスタイルを与えるための作業です。具体的には、色合い、明るさ、陰影などのパラメーターを調整します。
カラーコレクションとカラーグレーディングは、どちらも動画の印象を大きく左右する重要な作業です。カラーコレクションでバランスを整えたあとにカラーグレーディングで雰囲気を作り出すと、より魅力的な映像を作成できます。これらの作業を効果的に行うためには、元の動画素材を自然なホワイトバランスで撮っておくことが重要です。ホワイトバランスの調整が重要な理由の一つでもあります。
人物やポートレート、Vlogを撮影する際には、35mmから50mm程度の標準レンズの使用が一般的です。標準レンズであれば、被写体とのリアルな距離感や自然な雰囲気を演出することができます。ボケ感を出したい場合は、カメラの絞りを開けて撮影するとよいでしょう。
ただし前述の通り、明るい環境で絞りを開けるとシャッタースピード次第では露出オーバーになりやすいため、NDフィルターを装着して光の量を調節します。
関連記事:標準ズームレンズを詳しく解説!利用シーンの具体例や選び方を解説
風景動画は画角が一定で単調になりやすいため、寄り・引きの画角でそれぞれ撮影し、編集で視覚的な変化をつけるようにしましょう。高倍率ズームレンズを使用すると寄り・引きを柔軟に変更できます。
また、動画にメリハリをつけるという意味で、クイックモーションやスローモーションで撮影して組み合わせるのもおすすめ。スローモーションは、風景の静けさや壮大さを強調するのに適しています。そのほか、風景の全体像をしっかりと見せたい場合は、三脚を利用することでブレの少ないクリアな映像を撮影できます。
そして、NDフィルターも必須アイテムの一つ。晴天かつ日中の撮影では、露出過剰により白飛びが発生しやすくなります。そのようなシチュエーションでは、NDフィルターの使用が不可欠です。
画角とは?レンズの使い分けについても知ろう
動きを滑らかに撮りたい場合は、60fpsなど高めのフレームレートを設定しましょう。また、客席など遠くから撮影する場合は望遠レンズを使用することになります。望遠レンズは手ブレが発生しやすいため、手ブレ補正機構をフル活用しつつ、難しければ三脚を活用しましょう。
ただ、三脚を使用するとカメラを自由に動かしにくくなるため、使用する際は事前に撮影位置を決めておくのがおすすめです。また、三脚の利用が禁止されている場所もあるため、予め確認をしておくことが安心です。ちなみに、カメラ本体と三脚をつなぐ雲台は、ビデオ雲台が重宝します。ビデオ雲台はパンやチルトなどの動きを滑らかに行えるため、スムーズに被写体を追従しやすいです。
スムーズにピント合わせるにはAFの機能性もチェックしておきたいポイントです。動体追従性能や、被写体が前後に移動した時にどこでピントが外れるか、などを確認しておきましょう。また、動作音の静粛性も重要なチェックポイントです。
タムロンのAF技術を詳しく見る →
カメラ本体だけでなく、レンズ内に手ブレ補正機構がついていると、より安定して手ブレを抑えることができます。特に望遠レンズや手持ちでの撮影など、手ブレが発生しやすい条件では重要となります。
タムロンの手ブレ補正技術を詳しく見る →
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD a058(Model )
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)は、広角端で開放 F2を達成し、準広角35mmから望遠150mmまで、ポートレート撮影で使用頻度の高い画角を1本でカバーします。大幅な大口径化と高画質を実現、リニアモーターフォーカス機構VXDにより高速・高精度AFを達成しています。新デザインの採用により、操作性や質感も向上しました。独自開発の専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズも可能になりました。
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70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 a065(Model )
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)は、市場でご好評をいただいている大口径望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」(以下Model A056)からさらなる進化を遂げ、第2世代「G2」モデルとして誕生しました。本機種では、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を新たに搭載。クラス最小・最軽量*の機動力を維持しながら、より安定した撮影が可能です。また、初代Model A056から光学設計を一新し、ズーム全域で妥協のない高画質な写りを実現。広角端の最短撮影距離も初代の0.85mから0.3mへ短縮することに成功しており、非常に短い最短撮影距離による、本レンズならではのユニークな写真表現が楽しめます。
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。
ハイクオリティな動画を撮りたいならば、カメラ本体だけでなく、レンズ側にも動画撮影をサポートする機能があったほうが便利です。「TAMRON Lens Utility」はそんな、一眼カメラでの本格的な動画撮影をサポートしてくれるツールです。たとえばショートフィルム ”Findley” には Lens Utility の機能がフル活用されています。最後に、こちらの製品の特徴や機能などを紹介していきます。
「TAMRON Lens Utility」は、タムロンが提供しているソフトウェアです。パソコンやスマートフォンなどに接続することで、コネクターポートを搭載したタムロンレンズのカスタマイズ、ファームウェアのアップデートなどが行えます。また、本格的な動画撮影を効率的に行うための多くの機能が詰め込まれています。
AF/MF切り替えは、AF/MF切り替えスイッチが非搭載のレンズでも、フォーカスセットボタンを使用することでAF/MFの切り替えができる機能です。
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