2024.12.18
【料理や食べ物の写真】おいしそうに撮影するコツをご紹介
【料理や食べ物の写真】おいしそうに撮影するコツをご紹介
料理写真では、料理本来の魅力を最大限に引き出す必要があります。そこでまず大切なのは光の向きや強さ、写真に十分な明るさを確保することです。
窓際などの自然光を活用することで、料理の色味や質感を自然な形で表現できます。特に、朝夕のやわらかな光は、料理を美しく見せるのに最適です。一方、室内が暗い場合、本格的な撮影ではストロボやレフ板などで露出を補います。
また、光が正面から当たると平面的な印象になりがちなので、斜め上や横から光を当てることで立体感が生まれます。同様に、構図を工夫することで、メリハリのある写真にすることも大切です。
さらに、料理を引き立てる演出として、背景選びも重要な要素です。たとえば、白やベージュのシンプルな背景を選ぶことで、自然と料理に視線が集まります。撮影のタイミングも大切で、調理直後の湯気や温かさが伝わる瞬間、食材の瑞々しさが際立つ瞬間を逃さないようにしましょう。
ここからは、こうしたポイントを踏まえ、具体的な撮影のコツやレンズ選びのポイントをご紹介します。
標準レンズで撮影する
料理写真では、標準域の約50mm前後を含むズームレンズが活躍します。標準域の画角は人間の有効視野に近い自然な遠近感を再現でき、違和感のない料理写真が撮影できるためです。
さらに、F2.8程度の開放F値の小さいレンズを選べば、暗い室内でも明るめ写真を撮りやすくなり、背景ボケを活かした美しい描写が可能です。また、テーブルや食卓はスペースが限られていることが多いため、最短撮影距離の短いレンズがおすすめです。もし、食材の質感や細部をクローズアップしたい場合は、マクロレンズを使うと表現の幅が広がります。
関連記事: 標準ズームレンズを詳しく解説!利用シーンの具体例や選び方を解説
露出を適切に設定する
美しい料理写真の要となるのが、適切な露出設定です。明るすぎると料理の色彩が飛んでしまい、暗すぎると食材の質感が埋もれてしまいます。料理の種類や撮影環境に応じて、臨機応変に対応していく必要があります。それぞれの設定について、具体的に見ていきましょう。
関連記事:【一眼カメラの基礎知識】露出や構図など撮り方のポイントを解説
撮影モード
料理写真の撮影では、絞り優先モードを活用すると良いでしょう。F値(絞り値)を調整することで背景のボケ具合をコントロールし、料理を引き立たせることができます。シャッタースピードは適正露出になるよう自動で調整されるため、撮影に集中できます。
F値(絞り値)
テーブルに並んだ料理全体を撮影する場合は、F8からF11程度のやや絞った設定にすることで、手前から奥までシャープに写すことができます。一方、メインの具材や盛り付けを強調したい場合は、開放に近いF2.8からF4程度の絞りに設定することで、主題となる部分を際立たせることができます。なお、ピントを合わせる位置については、料理の手前から1/3程度の位置を目安にすると、自然な奥行きが表現できるでしょう。
シャッタースピード
手持ち撮影の場合は、1/60秒や1/125秒程度から調整すると良いでしょう。写真を確認しながら、よりシャープに見せたい場合はシャッタースピードを速くします。もし、三脚などでカメラを固定する場合は、より遅いシャッタースピードで露出を確保できるので、安定した撮影が可能です。
ISO感度
おいしそうな料理写真には、食材の色や質感の再現性が重要です。まずはISO感度を低めに設定し、クリアな像を意識すると良いでしょう。暗い室内などで明るさが不足する場合は、ISO800からISO1600程度まで上げてみて仕上がりを確認しましょう。
露出補正
逆光で料理の表面が見えにくくなってしまう場合は、+0.3EVから+0.7EV程度の露出補正を加えてみましょう。反対に、光が強く白い食器が白飛びしてしまう場合などは、-0.3EVから-0.7EV程度の露出補正で適度な明るさに調整します。黒めの食器を使用している場合は、ややプラスの露出補正を加えると、料理の質感が引き立ちます。
ホワイトバランスを設定する
料理写真や食べ物の魅力は、構図によっても表現することができます。たとえば、真上からの俯瞰アングルは、和食の膳やフルコースなど、複数の料理がずらりと並ぶ場面で特に効果的です。
また、斜め45度からの撮影は、汎用性の高いアングルといえます。斜め上から撮影することで、料理に自然な奥行きと立体感が生まれ、まるで自分がその場にいるかのような画角で撮影できます。
一方、単品料理を撮影する場合は、皿全体を写すのではなく、料理自体をメインに大きく写すことを意識しましょう。皿の縁まで全て写し込むと、どうしても記録写真のような無機質で平板な印象になってしまいます。代わりに、料理に大きく寄ることで、食材の質感や立体感を強調でき、食欲をそそる写真に仕上がります。
さらに、構図の基本テクニックとして、対角線構図や三角構図も知っておくと良いでしょう。対角線構図は、画面の対角線上に料理や食器を配置する構図で、写真に安定感と奥行き、ダイナミックさが生まれます。三角構図は、画面内の要素を、三角形を描くように配置する構図で、自然と視線が料理全体を巡るような効果やバランス感が得られます。
また、ハンバーガーやパフェなど高さのある料理は、あえてローアングルで見上げるように撮影するのもおすすめです。その存在感や迫力を ダイナミックに演出することができます。
このように、料理の特徴を見極めながら、どのアングルや配置で撮ると魅力が引き立つか、考えながら撮影してみましょう。
関連記事:【初心者の方必見】上手な写真を撮るための構図・アングルの基本を分かりやすく解説!
レフ板やストロボを活用する
より本格的な料理写真に挑戦する場合は、レフ板やストロボの活用がおすすめです。白いレフ板は、逆光や半逆光で出やすい手前側の影を明るくするのに役立ちます。また、銀のレフ板を使うと、より強い反射光が得られ、魚の表面や果物の水滴などのキラッとした輝きを表現しやすくなります。
ストロボは暗い環境で自然な光を生むのに有効です。ストロボを上に向け、天井などに反射させた間接光を活用することで、自然な陰影を作り出すことができます。逆に直接光は強すぎて不自然な印象になりやすいので注意しましょう。
実際に料理写真を撮ってみよう!
ここからは、食べ物や料理の種類別の撮り方を紹介します。料理の種類や色彩、質感によっても、効果的な撮影方法が異なります。そうした違いを確認しましょう。
お肉やお魚料理
野菜やフルーツは新鮮さや瑞々しさの表現を心がけましょう。水滴や結露を意図的に演出すると、フレッシュ感が強調されます。カットフルーツの場合は、断面の美しさが際立つアングルを探し、光を透過させることで、果肉の透明感を豊かに表現しましょう。
特にみかんやグレープフルーツなどの柑橘類は、逆光で撮影することで、果肉の瑞々しさや元気な色彩をより印象的に演出できます。
湯気のたった様子
湯気の立った料理は、写真越しにもその温度を感じることができます。湯気を鮮明に捉えるには黒や濃紺など、暗めの背景や器を準備しましょう。逆光で湯気を透かすように撮影することで、立ち上る様子を幻想的に表現できます。
また、湯気は刻々と形が変化するため、連写で複数枚撮影し、最も美しい瞬間を選ぶのがおすすめです。シャッタースピードを1/125秒程度以上で速めに設定すると、湯気の形をシャープに捉えることができます。
お菓子やカフェ
カフェメニューやスイーツの撮影では、ドリンクやスイーツ、器の特徴を活かし、撮り方を工夫しましょう。たとえば、ラテアートは真上から撮影することで、デザインの細部まで捉えることができます。
グラスドリンクは、光を透過させることで、氷や泡の質感、ドリンクの色味・清涼感を美しく演出できます。また、カップやグラスの形状を活かした構図を意識することで、より雰囲気のある写真に仕上がります。
さらに、マクロレンズを使用することで、ディテールをより印象的に切り取ることができ、さまざまな表現に挑戦できます。
料理・食べ物の撮影に適したレンズの選び方
ここからは、料理や食べ物写真におすすめのレンズの選び方をご紹介します。
焦点距離
料理撮影の基本となる焦点距離は約35mmから約100mm程度です。特に50mm前後の標準レンズは、人間が普段見る視野に近い自然な画角で撮影できるため、目の前の印象に近い雰囲気を写真に収めることができます。
また、マクロレンズを使用すると、食材の質感やディテールを大きく写すことができ、表現の幅が広がります。
開放F値
開放F値が小さいレンズは、照明を落としたレストランなど暗い場所でも、明るめの写真を撮りやすくなります。また、背景ボケもなめらかに表現できるため、料理を印象的に際立たせられます。
関連記事: F値(絞り値)とは?設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
最短撮影距離
料理写真では、テーブル上での近接撮影が多くなるため、最短撮影距離の短いレンズがおすすめです。最短撮影距離が短ければ短いほど、より近づいて撮影することができ、食べ物の細部を大きく捉えられます。また、撮影者の動けるスペースが限られている場合でも、寄り引きの自由度が上がるため、より多彩な構図での撮影が可能になります。
軽さ・コンパクトさ
外食時や旅行時の撮影では、軽量でコンパクトなレンズが重宝します。大きく重いレンズは持ち運びが大変なだけでなく、レストランやカフェでの使用時に周囲の目が気になる場合もあります。撮影に慣れた店舗でも、あまり大げさな機材は避けた方が無難でしょう。コンパクトなレンズは、狭い場所での取り回しも良く、さまざまなアングルでの撮影がスムーズに行えます。
オートフォーカス(AF)性能
料理の撮影は暗めの室内で行うことも多いため、ある程度暗所でも正確にAFが合うレンズがおすすめです。また、多くの被写体が複雑に並んでいるような環境でも、狙った被写体にピントがスムーズに合わせられるものが望ましいです。また、マクロ撮影など、より繊細なピント合わせが必要な場合に備えて、マニュアルフォーカスの操作性も確認しておくと良いでしょう。
手ブレ補正機構
スナップ感覚で撮る料理の写真は手持ちでの撮影が基本のため、手ブレ補正機構の有無もチェックしておきましょう。特に暗い室内での撮影では、シャッタースピードを遅めに設定する必要があるため、手ブレ補正機能があると安定した撮影が可能です。
料理・食べ物の撮影におすすめのタムロンレンズ
タムロンのレンズは軽量・コンパクトで取り回しが良く、使いやすいレンズが多くラインアップされています。開放F値が小さく描写性能に優れたレンズや、美しいボケも特徴です。最短撮影距離も短いため、料理にぐっと寄った撮影も存分に楽しめます。
広角ズームレンズ
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17-50mm F/4 Di III VXD a068(Model )
17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)は、静止画や動画撮影で使用用途の高い焦点距離をカバーした、超広角域17mmから標準域50mmまでをF4通しでカバーする広角ズームレンズです。ズーム全域で高い描写力を達成しており、画面周辺までクリアに描きます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用し、高速・高精度なAFを実現。また、インナーズーム機構の採用により、ズーム時に長さが変化しないため、静止画撮影だけでなく、ジンバルなどに搭載してもバランスがとりやすく、動画撮影にも最適です。さらに、広角端で最短撮影距離0.19m、望遠端で0.3mと近接撮影能力が高く、被写体に思いきり寄れるため、様々な撮影シーンで個性豊かな一枚を撮影することができます。機動力・利便性に長けたこの1本を持ち歩けば、静止画・動画問わず、ダイナミックな風景からスナップ撮影まで、レンズ交換をせずにバリエーション豊かな撮影が可能です。
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11-20mm F/2.8 Di III-A RXD b060(Model )
11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)は、大口径F2.8でありながら小型軽量と高い描写力を実現。コンパクトなAPS-Cサイズミラーレスカメラボディとのバランスもよく、普段使いとして最適です。広角端11mmでは最短撮影距離0.15m、最大撮影倍率1:4と驚異的な近接撮影能力を実現し、パースペクティブの効いたデフォルメ効果を活かしたワイドマクロ撮影が可能。また、AF駆動には静粛性に優れたステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載しており、静止画だけでなく動画撮影にも適しています。加えて、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、超広角大口径F2.8の高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
標準ズームレンズ
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
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17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD b070(Model )
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。
高倍率ズームレンズ
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28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD a071(Model )
これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。
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28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD a074(Model )
タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)は、ズーム倍率10.7倍でコンパクト、汎用性に優れたソニー Eマウント用高倍率ズームレンズです。フルサイズミラーレス一眼カメラ用高倍率ズームレンズとして、クラストップレベルの高画質を誇り、高速・高精度AFのVXDと、手ブレ補正機構VCを搭載。レンズ交換不要であらゆる「撮りたい」に対応できる、行動派レンズです。
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18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD b061(Model )
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)はズーム比16.6倍を実現し、AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを搭載。特殊硝材をバランスよく配置したことで、画面の中心から周辺まで高い描写性能を維持し、クラストップレベルの高画質を実現しています。優れた近接撮影能力と手ブレ補正機構VCも搭載。広角から超望遠まで高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
単焦点レンズ
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35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 f053(Model )
ミラーレス専用設計のソニーEマウントレンズシリーズに単焦点35mmが登場。Model F053はF/2.8と大口径でありながら最短撮影距離0.15mまでの近接撮影が可能。被写体が引き立つ美しいボケを楽しむことができます。
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90mm F/2.8 Di III MACRO VXD f072(Model )
90mm F/2.8 Di III MACRO VXD (Model F072)は、長年「タムキュー」の愛称で親しまれてきたタムロン90mmマクロレンズのミラーレス版です。高い解像力と光学性能を誇り、タムロン初の12枚羽根の円形絞りが、美しい玉ボケと光芒表現を実現します。軽量・コンパクトなデザインで気軽に持ち運べ、新型の窓付きフードでフィルター操作も容易です。さらに、TAMRON Lens Utility™に対応し、高速・高精度AFを搭載したこのレンズは、写真と動画撮影の可能性をさらに広げます。伝統の描写力と最新技術を融合させた、新たな「タムキュー」の歴史を切り拓く一本です。