2024.10.31
夜空の写真をきれいに撮るには?撮影のコツやレンズの選び方をご紹介
夜空の写真をきれいに撮るには?撮影のコツやレンズの選び方をご紹介
星空の光は繊細で弱いため、周りに街明かりや月など、強い光源がないことが前提です。そのため、山や海など、自然豊かな環境での撮影が求められます。
その上で星をきれいに撮影するためには、適切な露出設定が重要です。大まかな目安として、F値は開放、シャッタースピードは20秒から30秒程度、ISO感度はISO1600からISO6400程度に設定しましょう。これにより、暗い夜空でも星をしっかりと捉えることができます。また、三脚やレリーズなどのアクセサリーも必要になります。
ピント合わせも重要なポイントです。MFに切り替えると液晶画面が拡大される機能などを使用し、明るい星が点として見えるように調整します。また、構図にも工夫を加えることで、より魅力的な写真になります。前景に木や山を入れることで、奥行きのある構図が得られるでしょう。
関連記事:【星空(星景)の撮り方】一眼カメラの設定やレンズ選びのポイントをご紹介
花火は、その美しい造形をクリアに写し取ることが難しい被写体です。F値はF8からF11程度に絞り、シャッタースピードはバルブモードを使用して、花火が開いてから消えるまでの時間を目安に設定すると良いでしょう。ISO感度はISO100からISO400程度が目安です。これらの設定により、花火の軌跡を美しく捉えることができます。
また、手ブレを防ぐために三脚も用意しておきましょう。さらに、レリーズなどの機材を使用することで、シャッターを押す際の振動を防ぐことができます。
構図を考える際は、打ち上げ場所を把握しておき、余白を持たせましょう。必要に応じて後から余白をトリミングすることで、花火を大きく写すことができます。
夜空を美しく撮影するには
ここまで、夜空の代表的なシーンとそれぞれの撮影のコツをご紹介してきました。一方で、どのようなシーンでも共通して知っておくと役立つ知識もあります。ここでは、夜空を美しく撮影するための基本的な要素をご紹介します。
広角レンズや望遠レンズを使用する
夜空の撮影にもさまざまなバリエーションがありますが、大きくは風景全体の撮影と、主題のクローズアップに分けられるでしょう。それぞれ、適切なレンズも変わります。
夜空の風景の広大さを表現するには、広角レンズが適しています。広角レンズを使用することで、広い画角の中に風景全体を収めることができ、離れた被写体にもピントが合いやすくなります。
一方、月のクローズアップなど遠くの被写体を大きく撮影したい場合は、望遠レンズ、特に焦点距離約400mm以上の超望遠レンズがあると良いでしょう。
このように撮影の目的に応じて、適切なレンズを選択することが重要です。
関連記事:星空撮影初心者におすすめ!揃えるべき機材とタムロン17-28mm F2.8 (Model A046)実写レビュー【前編】
三脚やレリーズを使用する
夜空の撮影では低速シャッターを使用することも多いため、ブレを防ぐことが非常に重要です。そのため、安定感のある三脚の使用が欠かせません。
さらに、カメラ本体のシャッターを押す微細な振動もブレにつながる可能性があるため、レリーズやリモートシャッターの使用がおすすめです。これらの機材を活用することで、よりシャープで美しい夜空の写真を撮影することができるでしょう。
撮影場所を計画する
被写体によって最適な撮影場所が変わってきます。特に星空の撮影は、光の少ない環境でなければきれいに写すことができません。山や海など、地上の光源から離れた場所を選びましょう。
一方、月は比較的明るい被写体のため、街や街灯の明かりがあったとしても問題なく撮影できることが多いです。逆に、月の光が強すぎることで、星空の撮影などでは邪魔になることがあります。星空や夜景を撮影する場合には、新月前後の暗い夜を狙うと良いでしょう。
また、日没前のマジックアワーは、空の色がドラマチックに変化し、幻想的な雰囲気の写真が撮影できます。撮影する時間帯や場所を工夫することで、より印象的な夜空の写真を残すことができるでしょう。
露出を適切に設定する
露出設定は最も基本的で重要な要素の一つです。ここでは、夜空の撮影に活かしやすい、露出設定の目安をご紹介します。
関連記事:【初心者の方必見!】一眼カメラで上手に写真を撮るための基礎知識
撮影モード
月や星空の撮影では、カメラのオート機能では適切な露出やピント調整が難しいため、マニュアルモードでの撮影が基本となります。前述のような露出に手動で設定し撮影をしてみましょう。
一方、夜景やイルミネーションの撮影では絞り優先モードが使いやすいでしょう。このモードでは、F値の値に応じて、シャッタースピードが適正露出になるよう自動調整されます。これにより、ボケ具合を調整しながら、十分な明るさの写真を撮影しやすくなります。
F値
星空の撮影時は、できるだけ多くの光を取り込むために、開放絞り(レンズの最小F値)を使用するのが一般的です。これにより、暗い星景でも明るめの写真を撮りやすくなります。
一方、月や夜景など明るい被写体を撮影する場合は、F値を絞ることで輪郭がシャープな画像を得ることができます。F8からF11程度を目安に絞り、クリアな描写を目指しましょう。
シャッタースピード
シャッタースピードも被写体によって変わる要素です。
星空撮影では、一般的に20秒から30秒程度の長時間露光が多いでしょう。この程度の露光時間であれば、星が明るく点として写りやすく、広角レンズであれば星が流れてしまうことを防げるでしょう。
一方、月の撮影は短めのシャッタースピードで問題ありません。月は非常に明るい被写体のため、1/100秒から1/250秒程度のシャッタースピードで、十分に明るく鮮明な写真を撮ることができるでしょう。このように、被写体に応じてシャッタースピードを適切に設定することが、夜空の美しさを引き出すポイントとなります。
ISO感度
星空撮影では、暗い被写体を捉えるために高めのISO感度が必要となります。通常、ISO1600からISO6400程度を使用することで、ある程度暗い星でもしっかりと捉えることができます。
一方、月や明るい夜景の撮影では、さほど高いISO感度でなくとも、明るめの写真を撮影しやすいです。まずはISO100からISO400程度で撮影してみて、被写体の周縁や細部の造形がクリアに描写されているかを確認しましょう。
露出補正
夜景撮影などでは、街明かりと夜空など暗い部分の明暗差が大きいため、全体的に暗い印象に見えてしまう事により、想定するイメージと異なる仕上がりになってしまう場合があります。撮影モードがオート設定で、もし暗い見た目に感じられる場合は、露出補正をプラスに加え、全体が明るめに見えるように調整しましょう。
さらに、撮影後に細かな露出調整を行いたい場合は、RAW形式での撮影をおすすめします。RAW形式で撮影することで、後からパソコンで露出を微調整することができます。
ピントを合わせる
星空や月の撮影ではオートフォーカスが合いにくい場合があるため、マニュアルフォーカスを使用しましょう。ライブビューを活用し、画面を拡大表示しながら、星がきれいな点として見えるようにピントを調整します。
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ホワイトバランスを調整する
ホワイトバランスを蛍光灯色や電球色などに変更することで、好みの色合いに調整できます。たとえば、星空を青みがかったクールな印象にしたい場合は蛍光灯色を、暖かみのある夜景を表現したい場合は電球色を、といったように設定します。自分が表現したいイメージや色合いの雰囲気があれば、試してみましょう。
または、前述の通りRAW形式で撮影しておけば、撮影後に微妙な色合いも細かに調整できます。
構図を変えて撮影する
夜空の写真をより印象的にするためには、いくつかの構図法を知っておくと良いでしょう。
三分割構図や黄金比構図を意識し、主題となる星座や月、建物などを画面内にバランス良く配置します。
また、前景に海や建物、山などの地上の風景を重ねることで、写真に奥行きやスケール感を持たせることができます。たとえば、手前に岩や木などを配置し、その上に広がる星空を撮影すると、夜空の広大さを効果的に表現できます。
さまざまな角度やポジションから撮影を試みることでも、同じ夜空の異なる表情を捉えることができるでしょう。
関連記事:【初心者の方必見】上手な写真を撮るための構図・アングルの基本を分かりやすく解説!
夏や冬は結露にも注意
夜空の撮影では、機材の管理も気をつけたいポイントです。特に、温度変化の激しい夏や冬はレンズ内に結露が発生しやすく、予期せぬダメージを引き起こす可能性があります。
結露を防ぐためには、急激な温度変化を避けることが大切です。撮影場所に着いたら、すぐにレンズを取り出さず、カメラバッグの中で徐々に外気温に馴染ませましょう。これにより、レンズ周辺の温度が徐々に外気温に近づき、結露のリスクを減らすことができます。
また、可能であればレンズヒーターなどのアクセサリーを用意しておくと良いでしょう。レンズヒーターでレンズの表面を温めることで、外気温との温度差が縮められ、結露しにくい状態をつくることができます。
夜空の撮影に適したレンズの選び方
最後に、夜空の撮影に適したレンズを選ぶ際のポイントをご紹介します。開放F値、焦点距離、軽さ・コンパクトさなど、さまざまな観点から最適なレンズを選びましょう。
開放F値
開放F値が小さいレンズは、より多くの光をセンサーに取り込むことができ、夜のような暗所でも明るめの写真を撮りやすくなります。できれば、開放F値がF2やF2.8からF4程度以下のレンズが良いでしょう。
関連記事:F値(絞り値)とは?設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
焦点距離
夜空の撮影では、被写体に合わせて適切な焦点距離のレンズを選ぶことが重要です。星空や夜景など、広大な風景を捉えるには、焦点距離約35mm程度以下の広角レンズや超広角レンズが適しています。広角レンズを使用することで、夜空の広がりを一枚の写真に収めることができます。
一方、月など遠くの被写体にクローズアップする場合は、望遠レンズまたは超望遠レンズが必要になります。月のクレーターなどの細部を撮影したい場合は、焦点距離200mmから300mm程度以上の望遠レンズなどを組み合わせると良いでしょう。
軽さ・コンパクトさ
夜景や星空の撮影では、遠くの撮影場所まで機材を持ち運ぶことも多いため、軽くてコンパクトなレンズは身体的な負担を軽減してくれます。軽量なレンズは長時間の持ち歩きでも疲れにくく、山中の撮影などでも持ち込みやすいです。また、コンパクトなレンズはかさばらず、限られたバッグ内のスペースにも収納しやすいため、機動力が求められる場面でも使いやすいでしょう。
操作のしやすさ
月や星空の撮影では、マニュアルでのピント調節が多くなります。フォーカスリングの滑らかさや、操作のしやすさを確認しておきましょう。また、手袋をしていても操作しやすい大きめのリングや、適度な抵抗感のあるリングは夜空の撮影時に便利です。
なお、タムロン独自のソフトウェア TAMRON Lens Utility Mobile™のアストロフォーカスロック(アストロ FC-L)機能を使用すると、ピント位置を無限遠に固定させることで星景撮影時のピント合わせのわずらわしさを緩和できます。
解像性能
星や月のディテールをシャープに描写するために、解像度の高いレンズがおすすめです。特に、画面中央部だけでなく、画角の隅まできちんと平坦に描写されるレンズを選ぶことで、見たままの印象をしっかりと写真に収めることができます。
夜空の撮影におすすめのタムロンレンズ
タムロンのレンズは、広角から超望遠まで幅広い選択肢があり、撮影シーンに応じて最適なレンズを選ぶことができます。軽量・コンパクトでありながら高解像度を備えたタムロンのレンズは、夜空の撮影にも最適です。
広角ズームレンズ
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17-28mm F/2.8 Di III RXD a046(Model )
17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)は抜群の携帯性と高画質を両立させた、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径超広角ズームレンズです。クラス最小・最軽量を達成し、コンパクトで持ち運びしやすいため、街中や旅先の建造物から山岳の写真までさまざまな風景を気軽に撮影することができます。特殊硝材LD (Low Dispersion:異常低分散)レンズやXLD (eXtra Low Dispersion)レンズを贅沢に使用し、色収差を大幅に抑制。コンパクトボディながら優れた光学性能を発揮します。さらに広角端17mmでの最短撮影距離は0.19mと、超広角ならではのパースペクティブを活かした近接撮影も可能です。AF駆動には高速・精密なステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載。加えて、簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、アウトドアシーンでも快適な撮影をサポートします。このレンズがフットワークを軽くさせ、あなたを新たな景色へと連れだします。
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17-50mm F/4 Di III VXD a068(Model )
17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)は、静止画や動画撮影で使用用途の高い焦点距離をカバーした、超広角域17mmから標準域50mmまでをF4通しでカバーする広角ズームレンズです。ズーム全域で高い描写力を達成しており、画面周辺までクリアに描きます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)を採用し、高速・高精度なAFを実現。また、インナーズーム機構の採用により、ズーム時に長さが変化しないため、静止画撮影だけでなく、ジンバルなどに搭載してもバランスがとりやすく、動画撮影にも最適です。さらに、広角端で最短撮影距離0.19m、望遠端で0.3mと近接撮影能力が高く、被写体に思いきり寄れるため、様々な撮影シーンで個性豊かな一枚を撮影することができます。機動力・利便性に長けたこの1本を持ち歩けば、静止画・動画問わず、ダイナミックな風景からスナップ撮影まで、レンズ交換をせずにバリエーション豊かな撮影が可能です。
標準ズームレンズ
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
望遠ズームレンズ
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD a058(Model )
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)は、広角端で開放 F2を達成し、準広角35mmから望遠150mmまで、ポートレート撮影で使用頻度の高い画角を1本でカバーします。大幅な大口径化と高画質を実現、リニアモーターフォーカス機構VXDにより高速・高精度AFを達成しています。新デザインの採用により、操作性や質感も向上しました。独自開発の専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズも可能になりました。
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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a069(Model )
50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069)は、70-300mm使用時の「広角側が少し物足りない」の声に応え、広角側を50mm始まりに。望遠域300mmまでカバーしながらも非常にコンパクトなサイズを実現しています。また、50-300mm全域で高画質を達成。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)や手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の搭載により、あらゆる撮影を強力にサポートします。さらに、広角端では最短撮影距離0.22m、最大撮影倍率1:2の高い近接撮影能力で、存分にハーフマクロの世界を楽しめます。気軽に本格的な撮影が楽しめるこの万能ズームレンズが、作品づくりの可能性を広げます。
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。
高倍率ズームレンズ
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28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD a074(Model )
タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)は、ズーム倍率10.7倍でコンパクト、汎用性に優れたソニー Eマウント用高倍率ズームレンズです。フルサイズミラーレス一眼カメラ用高倍率ズームレンズとして、クラストップレベルの高画質を誇り、高速・高精度AFのVXDと、手ブレ補正機構VCを搭載。レンズ交換不要であらゆる「撮りたい」に対応できる、行動派レンズです。
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18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD b061(Model )
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)はズーム比16.6倍を実現し、AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを搭載。特殊硝材をバランスよく配置したことで、画面の中心から周辺まで高い描写性能を維持し、クラストップレベルの高画質を実現しています。優れた近接撮影能力と手ブレ補正機構VCも搭載。広角から超望遠まで高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。