2024.05.31
【星空(星景)の撮り方】一眼カメラの設定やレンズ選びのポイントをご紹介
【星空(星景)の撮り方】一眼カメラの設定やレンズ選びのポイントをご紹介
一眼カメラを手に入れたら、一度は撮影してみたいのが星空(星景)の写真です。一見、難しそうに感じるかもしれませんが、撮影のコツを知った上で、適切に機材を活用することで、星空を美しく写真に収めることができます。本記事では、星空写真の撮影に必要な機材や一眼カメラ本体の設定など、基本的な知識をご紹介します。この記事を参考に、星空撮影にチャレンジしてみてください。
一枚目の写真:タムロン20-40mm F2.8 (Model A062) 焦点距離:20mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:6秒 ISO感度:12800
星空(星景)の撮影では、一枚の写真全体に広い光景を捉える必要があります。広角レンズや超広角レンズを使用することで、星空全体を大きく写すだけでなく、星の一つ一つまで捉えることができます。
一般的に焦点距離が約35mm以下のレンズが広角レンズに分類されますが、できれば約20mm以下の超広角レンズを用いると画角も広くなるため、地上の風景を含めた構図など、表現の幅を広げる点でも重宝します。
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三脚
星空をきれいに撮影するには、シャッタースピードを遅くする必要があるため、手ブレを抑えるための三脚が不可欠です。特に、脚がしっかりとした三脚を選ぶことで、強度と安定性が確保され、ブレの少ない鮮明な写真を撮影しやすくなります。
レリーズ
シャッタースピードを遅くすると、シャッターを手で押す際のわずかな揺れでさえも、手ブレの発生に繋がってしまうことがあります。こうした手ブレを抑えるには、レリーズを使用することが有効です。
レリーズとは、カメラのシャッターを遠隔で操作するためのアクセサリーです。レリーズを使用することで、カメラに触れることなくシャッターを切ることができます。レリーズには有線や無線タイプなど、いくつかのタイプがあります。セルフタイマーなどで代用できる場合もありますが、レリーズを持っておくと、より安定して撮影ができます。
ソフトフィルター
ソフトフィルターは光をにじませて、画像を柔らかい雰囲気にするフィルターです。星景写真で使用すると、明るい星の光をにじませ、星が持つ色を際立たせる効果もあります。
特に、星座や星の幾何学的な並びを美しく見せたい場合には、頻繁に利用されるテクニックです。撮影に慣れてきて、さらに本格的な表現に挑戦したい場合には、持っておきたい機材の一つです。
レンズヒーター
レンズヒーターは、レンズの結露を防止するために使用します。星景写真は、冬場の低温下や夏場の多湿な環境下で撮影することが少なくありません。そのような環境ではレンズに結露が発生しやすく、写真がぼやけてしまうのです。
山中や海辺など、気温や湿度の変化が大きく、結露が発生しやすい場所で行う星空の撮影では、レンズヒーターを用意しておきましょう。
ヘッドライト
星空の撮影は夜の山中など暗闇で行うことが大半のため、ライトが必須です。荷物を持って移動することを考えると、ヘッドライト型がおすすめです。
一方、ただでさえ星景写真は外の光に敏感なため、他の人の撮影の邪魔にならないよう、光量には十分注意しましょう。可能であれば、撮影時に使う弱い光のものと、移動用のものをそれぞれ持っておくと安心です。
赤道儀
赤道儀は、一軸を地球の自転軸と平行に、もう一軸をそれと垂直な方向に持った架台の一つで、天体の動きを正確に追跡することができます。
通常の三脚を使った固定撮影でも十分きれいに星空は撮影できますが、天の川の撮影など、長時間露光が必要な場面では、どうしても星の動きが線に見えてしまう場面があります。
そのため、長時間露光で星をより正確に点として捉えるには、赤道儀を用いるのが効果的です。より本格的な撮影や、こだわった作品づくりに取り組む場合に、必要になる機材といえるでしょう。ただし、赤道儀を使用して星景写真を撮影する場合、星は点像に写りますが、周りの風景は流れて写ってしまいますので、注意が必要です。
撮影モード
星空の撮影では、一つ一つの星の弱い光にピントを合わせる必要があるため、オートモードでは露出を適切に調整できないことが多いです。
そのため、撮影モードはマニュアルを使用し、手動で露出設定をするようにしましょう。マニュアルでの撮影に慣れていない方には難しく思われるかもしれませんが、以下に説明するように、ある程度決まった設定があるため、そこからスタートするのがおすすめです。
F値
星の光は非常に弱いため、できるだけ開放に近いF値(F2.8前後)にしましょう。開放絞りにすることで、レンズに入る光量を最大限に確保し、星を明るく写しやすくなります。
シャッタースピード
まずは、20秒から30秒程度のシャッタースピードに設定してみましょう。この設定で星が移動して線状に見えてしまう場合は、5秒から15秒など速めに設定します。また、焦点距離によって点像に写るシャッタースピードが違いますので(超広角になるほど長時間でも点像に写る)、注意が必要です。
一方、シャッタースピードを速くすることで写真が暗くなる場合は、ISO感度を上げて明るさを調整します。
ISO感度
星空撮影では、ISO感度をISO1600から6400程度に設定するのが一般的です。まずは低めのISO感度に設定し、写真が暗ければ徐々に上げていくと良いでしょう。
露出設定は、撮影環境や使用する機材によっても変わります。上記の一般的な設定からスタートしてみて、繰り返し撮影しながら微調整してみてください。
星空をきれいに撮影するコツ
露出設定のポイントを抑えたら、美しい星空写真を撮影するためのコツをチェックしましょう。ここでは、ピント合わせや構図の工夫など、基本的な点をご紹介します。
関連記事:星空撮影初心者におすすめ!揃えるべき機材とタムロン17-28mm F2.8 (Model A046)実写レビュー【前編】
撮影に慣れてきたら、構図を変えてみましょう。星空だけを写すのではなく、地上の風景を含めることで、より印象的な写真になります。
たとえば、山の稜線や木々、建物などを前景に取り入れることで、地上との美しい対比や星空の雄大さを表現できます。また、水面に星空が反射する構図なども魅力的です。海辺や入江などで撮影すると、幻想的な作品になるでしょう。
関連記事:【初心者の方必見】上手な写真を撮るための構図・アングルの基本を分かりやすく解説!
様々な表現にチャレンジしてみましょう
星空は使用する機材を工夫したり、画像処理を加えたりすることでも、大きく印象の異なる写真に仕上がります。ここでは、星空写真の表現の幅を広げるテクニックをご紹介します。
関連記事:星空撮影初心者におすすめ!Eマウント用タムロン17-28mm F2.8 (Model A046)で楽しむ星景撮影【後編】
前述の通り、ソフトフィルターは星の輪郭をにじませる効果があります。これにより、星の光がより豪華できらびやかな雰囲気になり、特に星座などの模様をはっきり見せたい場合には重宝します。
ソフトフィルターには様々な種類があり、にじみ具合も異なります。フィルターの効果が強すぎると風景全体がぼやけた印象になることもあるため、製品レビューや作例写真なども確認して選ぶと良いでしょう。
ホワイトバランスを調整する
ホワイトバランスを変えると、全体的な色味が変わります。たとえば、蛍光灯色(昼光色)に設定すると、星空が青っぽく幻想的な印象になります。逆に、電球色に設定すると、オレンジに近いような暖かみのある星空を表現できます。
まずはオートホワイトバランスで自然に近い色合いのまま撮影してみて、慣れてきたらホワイトバランスを変えて、好みの表現を探してみると良いでしょう。
一方、RAW画像で撮影した場合は、撮影後に編集ソフト上でホワイトバランスを調整することもできます。撮影回数を重ねてきたら、この方法で自分なりの表現を探求してみるのもおすすめです。
星の軌跡を撮影するには、ソフトウェアを使って比較明合成する方法と、長時間露光で撮影する方法が一般的です。
比較明合成とは、複数枚の画像に対してピクセルごとの明度を比較し、明るい方のピクセルを採用して一枚の写真に合成する方式です。この方法では、30分から数時間程度の間に一定間隔で多数の写真を撮影し、後からソフトウェアで合成することで、星の軌跡を再現します。
比較明合成は、周囲が明るい環境でも撮影できるため、手軽に挑戦できる点がメリットです。初めて星の軌跡を撮影する場合にも、この方法がおすすめです。
一方、そうしたソフトウェアを使用せず、長時間露光で撮影する方法は、肉眼で天の川が見えるような十分に暗い場所で行う必要があります。通常、ISO感度を低感度に設定した上、バルブ撮影で30分から数時間露光することになります。なお、長時間の露光はカメラのセンサーやバッテリーに負担をかけ 、ノイズが増えることもあります。使用するカメラの仕様に合わせて、 露光時間の設定や外部電源の準備なども行いましょう。
撮影のハードルは上がりますが、星の軌跡をより繊細に表現でき、本格的な作品づくりに適しています。
焦点距離
星空撮影には、広角レンズが適しています。できれば焦点距離が約20mm以下の超広角レンズを選ぶのがおすすめです。広角レンズを使用することで、広大な星空を一枚の写真に収めることができます。
開放F値
暗所で弱い光を捉える必要のある星空撮影では、できるだけ明るいレンズを使用するのがおすすめです。目安として、開放F値がF2.8以下のレンズを選ぶと良いでしょう。開放F値が小さいほど、より多くの光をセンサーに取り込めるようになるため、星空を明るく写すことができます。
関連記事:F値(絞り値)とは?設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
操作性
星空撮影では、マニュアルフォーカス(MF)で撮影することが多いため、フォーカスリングの操作性などを確認しておきましょう。また、レンズヒーターなどの機材を装着してもリングやスイッチ部分がスムーズに操作できるかなどもチェックしておきたい点です。
大きさや重さ
レンズの重量や大きさも重要な要素です。星空の撮影は長時間になることが多く、山奥や高地などでの持ち歩きも必要になります。軽量でコンパクトなレンズは持ち運びに便利なだけでなく、パッと取り出して撮影できるため、手軽に写真を楽しむことができます。
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17-28mm F/2.8 Di III RXD a046(Model )
17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)は抜群の携帯性と高画質を両立させた、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径超広角ズームレンズです。クラス最小・最軽量を達成し、コンパクトで持ち運びしやすいため、街中や旅先の建造物から山岳の写真までさまざまな風景を気軽に撮影することができます。特殊硝材LD (Low Dispersion:異常低分散)レンズやXLD (eXtra Low Dispersion)レンズを贅沢に使用し、色収差を大幅に抑制。コンパクトボディながら優れた光学性能を発揮します。さらに広角端17mmでの最短撮影距離は0.19mと、超広角ならではのパースペクティブを活かした近接撮影も可能です。AF駆動には高速・精密なステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載。加えて、簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、アウトドアシーンでも快適な撮影をサポートします。このレンズがフットワークを軽くさせ、あなたを新たな景色へと連れだします。
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20-40mm F/2.8 Di III VXD a062(Model )
20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)は、携帯性を徹底的に追求した、新たな大口径標準ズームレンズです。超広角20mmからはじまり、標準域の40mmまでをカバーしながら、クラス最小・最軽量のサイズ感。ズーム全域で美しい写りも実現しており、静止画撮影だけでなく、Vlogなどの動画撮影にも活躍します。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、高速・高精度なAFを実現。静止画・動画問わず気軽に持ち出し撮影を楽しむことができる、今までにない新しい大口径標準ズームレンズです。
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 a063(Model )
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)は、高い評価を受けた28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた大口径標準ズームです。高画質・高解像を実現し、AFの高速化と高精度化を達成しました。広角端での最短撮影距離0.18m、最大撮影倍率1:2.7を実現。新デザインの採用により操作性や質感も向上しました。さらに、独自開発した専用ソフトウェアにより、レンズのカスタマイズが可能になりました。
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11-20mm F/2.8 Di III-A RXD b060(Model )
11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)は、大口径F2.8でありながら小型軽量と高い描写力を実現。コンパクトなAPS-Cサイズミラーレスカメラボディとのバランスもよく、普段使いとして最適です。広角端11mmでは最短撮影距離0.15m、最大撮影倍率1:4と驚異的な近接撮影能力を実現し、パースペクティブの効いたデフォルメ効果を活かしたワイドマクロ撮影が可能。また、AF駆動には静粛性に優れたステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載しており、静止画だけでなく動画撮影にも適しています。加えて、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、超広角大口径F2.8の高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。
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17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD b070(Model )
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。