2024.08.30
カメラ用レンズのお手入れ・クリーニング方法【季節別の注意点もご紹介】
レンズにとって一番の大敵は、ホコリと湿気です。これらはレンズを傷める原因となるため、できるだけ避けるように管理することがポイントです。だたし、無闇に湿度を下げると、レンズのグリスやゴム、コーティングなどの劣化を招く恐れもあります。そのため、湿度の目安としては、40〜50%程度を維持するようにしましょう。この範囲であれば、カビの発生を防ぎつつ、乾燥によるレンズの傷みを避けられます。
また、風通しの良い場所を選ぶことで、ホコリやゴミがたまりにくくなります。直射日光もレンズを劣化させる原因となるため、日の当たらない場所に保管しましょう。その他、エアコンなど空調の風が直接当たる場所も避けたいところです。急激な温度変化でレンズ内部に結露を引き起こす可能性があるためです。
可能であれば、防湿庫を利用できると便利ですが、なかなか難しい場合もあるでしょう。防湿庫が用意できない場合は、ドライボックスに乾燥剤を入れて、湿度計で湿度を管理しましょう。
カビの発生を防ぐためには、気温変化とレンズの保管方法に注意しましょう。
まず、急激な気温差を避けることが重要です。暑い場所から寒い場所へ移動する場合は、すぐにレンズを取り出さないようにしましょう。代わりに、レンズをケースやポーチに入れたまま、しばらく周囲の気温になじませてから取り出すようにします。これにより、レンズ表面や内部に結露が発生しにくくなります。特に注意が必要なのは、寒冷地や山中での撮影です。暑い場所から寒い場所に移動する際は、レンズヒーターを使用するのも手です。レンズヒーターは、レンズの温度を一定に保ち、結露を防ぐ効果があります。
また、レンズの保管方法も重要です。前述の通り、保管庫や乾燥剤を適切に使用してちょうど良い湿度をキープするようにしてください。
さらに、定期的なメンテナンスも欠かせません。使用後はレンズを清掃するほか、あまり使用していない場合でも、前述の通り定期的に触ってレンズ内の空気を入れ替えましょう。
水辺や海、冬山など自然環境での撮影は魅力的な反面、レンズにとっては過酷な条件となります。
まず、撮影を終えて家に帰ったら、レンズの鏡筒を最大限に伸ばし、全体を丁寧に拭き上げましょう。この際、レンズクロスを使用し、結合部や溝などの細部まで注意深く拭きます。その後、十分に乾燥させてから保管することが大切です。
特に海での撮影後は海水が飛沫として付着し、塩分でレンズが傷む可能性があります。そのため、丁寧な拭き上げを怠らないようにしましょう。
冬山での撮影後は、結露に注意が必要です。寒冷地から暖かい室内に戻った際に急激な温度変化が起こるため、レンズケースに入れたまましばらく置き、徐々に室温になじませてからクリーニングを行いましょう。
運動場や砂浜など、砂やホコリの多い環境での撮影では、微細な粒子がレンズの隙間に入り込みやすくなります。
このような場所での撮影後は、まずブロアーを使用して細部までしっかりとホコリや砂を吹き飛ばすことが重要です。特に、ズームリングやフォーカスリングの周辺、レンズマウント部分など、砂粒がたまりやすい箇所に注意を払いましょう。
ブロアーでの清掃後、通常のクリーニング手順に従って丁寧に拭き上げを行います。この際、砂粒が残っていないか十分に確認しながら作業を進めることが大切です。砂粒が残ったまま拭くと、レンズ表面やズームリングなどの可動部に傷をつけてしまう可能性があるためです。
また、砂浜など砂埃の舞いやすい環境での撮影時は、できるだけレンズ交換を避け、必要最小限の機材で撮影することをおすすめします。
防汚コートは、レンズ表面に施された撥水性・撥油性に優れたコーティングです。このコーティングにより、水滴や指紋、ホコリなどの汚れが付きにくくなり、付着しても簡単に拭き取ることができます。特に雨天時や湿度の高い環境での撮影時に、非常に頼りになります。
また、防滴構造を持つレンズは、レンズ内部へ水滴が侵入しにくい設計になっています。これにより、多少の雨や水滴であれば、レンズ内部に入り込むリスクを低減できます。ただし、完全防水ではないため、悪天候下ではレインカバーを使用しましょう。
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