2024.01.30
カメラ・写真用レンズの用語集
カメラ・写真用レンズの用語集
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ISO感度とは、レンズを通った光をデジタルカメラ本体のセンサーがとらえた光の量を表した数値で、写真の露出量を調整する上で重要な要素の一つです。ISO感度が低い場合、センサーに届いた光はほとんど増幅されません(通常ISO300以下程度)。そのため明るい環境下での撮影や、より高い画質を求める場合に適しています。一方で、ISO感度を高くすると、センサーで感知された光が大きく増幅されます。そのため、光量が少ない暗い室内などの場合でも明るい写真に仕上げることができます(通常ISO1600以上程度)。
ただし、ISO感度を高くしすぎると、ノイズが目立ち画質が悪化する可能性があります。暗い場所での撮影やシャッタースピードが速い場合はISO感度を高くすることが多いですが、画質とのバランスも考慮しながら調整しましょう。
F値(絞り値)は、レンズから入る光の量を表す数値です。カメラのレンズは絞りを開いたり絞ったりすることでレンズを通過する光の量を調整できるようになっており、この絞りの量を表すのがF値です。F値が小さいほど絞りが開くため、より多くの光をセンサーに到達させることができます。逆に、F値が大きい場合は絞りが閉じられるため、光の量は少なくなります。
F値は写真の露出だけでなく、被写界深度(ピントが合って見える範囲)にも大きな影響を与えます。たとえば、F値が小さいと被写界深度は浅くなり、背景をぼかして被写体を際立たせることができます。そのため、ポートレート撮影などに適しています。一方、F値を大きくすると被写界深度が深くなり、広い範囲でピントを合わせることができます。そのため、風景写真の撮影などに適しています。
また、絞りを最大まで開いた状態のF値を「開放F値」と呼び、それ以上F値を小さくすることはできません。一般的に、開放F値が小さいレンズの方が暗い環境でも多くの光を取り込めるために「明るいレンズ」と言われています。
関連ページ:F値(絞り値)とは?設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的に被写体にピントを合わせる機能です。反対に、手動でピントを合わせることをマニュアルフォーカス(MF)といいます。AFには、シングルAF(一度ピントを合わせて固定)、コンティニュアスAF(被写体が動いてもピントを合わせ続ける) など複数のモードがあります。
また、AFを駆動するモーターについては、カメラボディ内とレンズ内の2種類がありますが、一般的にレンズ内AFの方がオートフォーカスがより速く、静音性も高くなります。その他、モーター自体の駆動方式によっても静音性やスムーズさが変わってくるため、レンズ選びの際にはチェックしておきたいポイントです。
特にスポーツや野生動物の撮影では、被写体の動きが速く予測しにくいため、スムーズかつ正確なAFが重要になります。
関連ページ:タムロンのAF技術
画角とは、レンズを通して撮影される写真の範囲を表す用語です。具体的には、レンズが捉えることのできる視野範囲を角度で示したもので、この角度が大きいほど広い範囲を撮影することができます。画角はレンズの焦点距離とカメラ本体のセンサーサイズによって決まります。焦点距離が短いほど画角は広くなり、長いほど画角は狭くなります。また、カメラ本体のセンサーサイズが大きければ、より広い範囲を捉えることができます。
広角レンズは画角が広いため、広大な景色や広い空間を収めることができ、望遠レンズは画角が狭いため、遠くの被写体を大きく捉えることができるのが特徴です。撮影する被写体やシーンに応じて適切な画角を持つレンズを選ぶことが、写真表現の幅を広げるポイントとなります。
関連ページ:画角とは?レンズの使い分けについても知ろう
構図は写真撮影において、被写体とその周囲の要素をカメラのフレーム内にどのように配置するかを表す言葉です。構図をうまく活用できると、被写体の印象を強めたり、鑑賞者の視線を自然に誘導することができます。
代表的な構図には、「三分割構図」、「日の丸構図」、「対角線構図」などがあります。こうした構図を意識しながら撮影することで、写真全体にバランスやメリハリを生むことができます。ただし、一般的な構図のルールに縛られてしまうと平凡な写真になる恐れがあるため、構図を意識しすぎることなく、直感を活かすことも重要です。
関連ページ:【初心者の方必見】上手な写真を撮るための構図・アングルの基本を分かりやすく解説!
シャッタースピードは、カメラのシャッターが開いている時間を指す用語で、写真の露出と被写体の動きを捉える部分に影響します。「1秒」や「1/100秒」などで表され、分数で表示されている場合は分母が大きいほど速いシャッタースピードとなります。
速いシャッタースピードは、動きの速い被写体をブレずに捉えることができ、スポーツや野生動物の撮影に用いられます(一般的に1/500秒程度)。逆に、遅いシャッタースピードでは、滝の流れる様子など、被写体の動きや流れを表現することができます(一般的に1/10秒程度)。
一方、速いシャッタースピードは露出が少なくなるため、光源が弱い環境では写真が暗くなってしまう場合があります。逆に遅いシャッタースピードは露出が多くなるため、明るさを確保しやすくなります。そのため、夜景や星空を撮影する際には遅いシャッタースピードが使われます。ただし、遅いシャッタースピードは手ブレや被写体ブレが起こりやすいので、必要に応じて三脚を活用しましょう。
このように、撮影したい被写体や写真のイメージ、外部環境によってシャッタースピードを調節することが重要です。
焦点距離はレンズの光学的な特性を表す基本的な要素で、レンズの中心(主点)から撮像素子(イメージセンサー)までの距離として定義されます。単位はmmで表され、レンズの製品名に「28-75mm F2.8」などと表記されている場合は、焦点距離が28mmから75mmであることを意味します。
焦点距離は画角に直結する重要な数値です。焦点距離が短いレンズ(一般的に35mm以下)は広角レンズと呼ばれ、より広い範囲の光景を捉えることができます。逆に、焦点距離が長い望遠レンズ(一般的に85mm以上)は遠くの被写体を大きく捉えることができますが、画角は狭くなります。その中間の焦点距離(一般的に50mm前後)は人間の視野に近い画角を持つ標準レンズと呼ばれます。
関連ページ:焦点距離とは?画角との関係など基礎知識を解説
手ブレ補正は、カメラ本体やレンズに内蔵されている機能で、手の揺れ(手ブレ) による映像の乱れを軽減させます。反対に、被写体が動くことによるブレは被写体ブレといわれ、手ブレ補正機構で修正することはできません。
手ブレ補正には大きく分けて、レンズ内手ブレ補正とカメラボディ内手ブレ補正の2種類があります。手ブレ補正機構がついたレンズであれば、ファインダー越しに手ブレ補正が効いた像を確認できるため、より安定した撮影をすることができます。
手ブレ補正は、望遠レンズを使用する場合や低速シャッタースピードでの撮影、低照度の環境下で撮影する場合などに有効です。いずれのケースでも手ブレが発生しやすいため、手ブレ補正を利用することで安定した高品質な撮影が可能です。
関連ページ:タムロンの手ブレ補正機構
露出とは、写真を撮るときに取り込まれる光の量のことで、写真の明るさを示します。露出は、F値(絞り値)、シャッタースピード、ISO感度の3つの要素によってコントロールされます。これらの要素のバランスを取ることで、被写体を適切に露出させることができます。
たとえば、十分な光がある屋外などでは、F値を大きく設定し、シャッタースピードを上げても十分に明るい写真を撮ることができます。反対に、照明の不十分な屋内などで動きのある被写体を撮影する場合、シャッタースピードを速くする必要があるため、F値を小さくしISO感度を高くすることで露出を確保します。
このように、その場に応じた調整を施すことで、イメージ通りの写真を撮ることができます。
関連ページ:一眼カメラで上手に写真を撮るための基礎知識
ホワイトバランスとは、撮影時の色温度(光の色合い)を補正し、イメージに合わせて写す機能です。異なる光源(太陽光、蛍光灯、白熱灯など)は異なる色温度を持つため、その影響で色の見え方が変わります。ホワイトバランスを正しく設定することで、自然な色合いの写真を得ることができます。
一般的にカメラ本体にはホワイトバランスを自動調整する機能が搭載されており、多くの場合は適切な色温度にオート(自動)で調節されます。しかし、特定の環境下では手動でホワイトバランスを調整することで、その場の条件や作品のイメージに合った色再現が可能になります。また、RAW撮影の場合は、後から任意でホワイトバランスを補正することもできます。
撮影モードとは、カメラに備わっている撮影設定機能のことで、撮影シーンや被写体に応じて選択します。F値(絞り値)、シャッタースピードなどが自動調整されることで、撮りたいイメージを優先しながら、効率的に適正露出を得ることができます。
一般的な撮影モードには、オート(すべての設定をカメラが自動で行う)、プログラム(露出を自動で設定しつつ、その他の設定を手動で調整可能)、絞り優先(F値(絞り)を設定し、シャッタースピードは自動で調整)、シャッター優先(シャッタースピードを設定し、F値(絞り)は自動で調整)、マニュアル(すべての設定を手動で行う)などがあります。
たとえば、風景写真では絞り優先モードが、スポーツ写真ではシャッター優先モードが有効です。また、細かな設定にこだわりたい中級・上級者の方はマニュアル設定で撮影する場合も多いです。
ズームレンズは焦点距離を変えることができるレンズの総称です。単焦点レンズとは異なり、その場で画角を調整することができるため、汎用性が高く1本で様々なシーンに対応できます。一方、単焦点レンズと比べると構造が複雑になるため、躯体が大きく重くなる場合がありますが、タムロンのレンズをはじめ、軽量・コンパクトな製品も多く販売されています。
ズームレンズは、カバーする焦点距離によって大きく広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズに分類されます。また、高倍率ズームレンズは、広角から望遠まで幅広い範囲をカバーします。自分が撮影したい被写体やイメージに合わせて、最適な焦点距離のレンズを選びましょう。
広角レンズは焦点距離が約35mm以下のレンズを指します。広い範囲を精細に写すことができるため、風景写真や建築写真などに利用されることが多いです。また、遠近感(パースペクティブ) が強調され、遠くのものが相対的に小さく、近くのものが相対的に大きく見えるのも特徴です。この効果を利用して、中心となる人物や構造物をダイナミックに表現したり、屋内で空間の広がりを演出したりすることも可能です。
関連ページ:広角レンズとは?特徴と種類、選び方について解説
標準レンズは焦点距離が約50mm前後のレンズで、準広角から中望遠までの範囲をカバーします。人間の視野に近い自然な画角を持ち、広角レンズと望遠レンズの中間的な立ち位置といえます。標準レンズがよく利用されるシーンは、ポートレート、スナップ、風景写真などが挙げられます。開放F値が小さいレンズも多く、様々な環境下での撮影に柔軟に対応できます。
関連ページ:標準ズームレンズを詳しく解説!利用シーンの具体例や選び方を解説
望遠レンズは焦点距離が約80mm以上のレンズを指し、遠くの被写体を大きく拡大して撮影できる点が特徴です。画角は狭いですが、遠くから被写体にクローズアップできるため、スポーツや野生生物の撮影などに適しています。
さらに、焦点距離が約300mm以上のレンズは超望遠レンズと呼ばれます。通常の望遠レンズでは撮影できないような遠くの被写体も大きく明瞭に捉えることができ、飛行機や、野鳥など警戒心の強い動物の撮影にも多用されます。
また、望遠レンズで撮影した写真は遠近感が圧縮されたように(遠くのものがより大きく近く) 見える「圧縮効果」があります。たとえば、背景ボケを活かしたポートレートなどにこのような効果を応用することで、被写体に強い印象を与えることができます。一方、撮影時には手ブレも発生しやすくなるため、三脚を使用したり、手ブレ補正を活用したりなど手ブレを抑えることもポイントになります。
関連ページ:望遠レンズとは?使い方やレンズ選びのポイントもご紹介
大三元レンズとは、広角、標準、望遠の各カテゴリーにおいてF2.8通しのズームレンズを総称した言葉です。3本のレンズを揃えることであらゆるシーンでハイクオリティな写真を撮影できます。
大三元レンズは、開放F値が小さく、画質に優れ、解像度やコントラストの表現力が高いことが特徴です。風景、ポートレートからスポーツなどの撮影まで幅広い用途で、プロの写真家やハイアマチュアの方々に利用されています。また、耐久性に優れているものが多く、厳しい撮影環境でも安心して使用できます。高性能と引き換えに価格も高くなる傾向があるため、特に画質にこだわりたい方に適したレンズといえるでしょう。
関連ページ:大三元レンズとは?その魅力や撮りたいシーンをご紹介
最短撮影距離は、被写体に対してピントを合わせることができる最短の距離を表します。被写体からカメラ本体のセンサーまでの距離で測定され、最短撮影距離より被写体に近付くとピントが合わなくなります。
最短撮影距離はマクロ撮影やクローズアップ撮影で重要な要素です。最短撮影距離が短いレンズは、被写体にグッと近寄って撮影できるため、小さな被写体やディテールを大きく映し出すことができます。また、狭いスペースでのポートレートや物撮りなど、被写体との距離が限られた環境でも柔軟に撮影をすることが可能になります。
近年、スマホの影響もあり被写体に寄って撮影することが一般的な感覚として身についています。そのため、寄れないことにストレスを感じることも結構ありますが、タムロンレンズは最短撮影距離が短いものが多いのが特長です。
レンズフィルターは、レンズの前後に取り付けることで写真の明るさや見え方を調整したり、レンズを保護したりするアクセサリーです。様々な種類のフィルターがあり、それぞれ異なる効果を持っています。よく使用されるレンズフィルターとして、PL(偏光)フィルターとNDフィルターなどが挙げられます。
PL(偏光)フィルターは被写体表面の光の反射を減らし、水面の透明感や空の青さなどを強調します。また、NDフィルターは光の量を減らすことで、明るい日中や露出が多すぎる状態での白飛びを防いだり、シャッタースピードを遅くして水の流れを幻想的に表現することなどができます。
フィルターを活用することで、カメラ本体の設定だけでは仕上がりのコントロールが難しい状況でも、写真の表現を調整することができます。
マウントとは、カメラ本体とレンズを接続する部分のことを指します。マウント規格は各カメラメーカーによって異なり、基本的には適合するレンズのみが本体に取り付けられますが、マウントアダプターを利用することで互換性を持たせることが可能な場合もあります。マウント規格には、ソニー Eマウント、富士フイルムXマウント、ニコン Z マウントなどがあります。
また、マウントは単に物理的な接合部であるだけでなく、レンズとカメラ本体間の通信も担っています。これにより、オートフォーカスや手ブレ補正、露出などの制御機能が正確に動作するようになっています。レンズを選ぶ際には、自身のカメラシステムに合ったマウント規格のレンズを選ぶことが重要です。
関連ページ:ソニー Eマウント用レンズラインナップ
関連ページ:富士フイルムXマウント用レンズラインアップ
関連ページ:ニコン Z マウント用レンズラインアップ
ISO感度
ISO感度とは、レンズを通った光をデジタルカメラ本体のセンサーがとらえた光の量を表した数値で、写真の露出量を調整する上で重要な要素の一つです。ISO感度が低い場合、センサーに届いた光はほとんど増幅されません(通常ISO300以下程度)。そのため明るい環境下での撮影や、より高い画質を求める場合に適しています。一方で、ISO感度を高くすると、センサーで感知された光が大きく増幅されます。そのため、光量が少ない暗い室内などの場合でも明るい写真に仕上げることができます(通常ISO1600以上程度)。
ただし、ISO感度を高くしすぎると、ノイズが目立ち画質が悪化する可能性があります。暗い場所での撮影やシャッタースピードが速い場合はISO感度を高くすることが多いですが、画質とのバランスも考慮しながら調整しましょう。
F値(絞り値)
F値(絞り値)は、レンズから入る光の量を表す数値です。カメラのレンズは絞りを開いたり絞ったりすることでレンズを通過する光の量を調整できるようになっており、この絞りの量を表すのがF値です。F値が小さいほど絞りが開くため、より多くの光をセンサーに到達させることができます。逆に、F値が大きい場合は絞りが閉じられるため、光の量は少なくなります。
F値は写真の露出だけでなく、被写界深度(ピントが合って見える範囲)にも大きな影響を与えます。たとえば、F値が小さいと被写界深度は浅くなり、背景をぼかして被写体を際立たせることができます。そのため、ポートレート撮影などに適しています。一方、F値を大きくすると被写界深度が深くなり、広い範囲でピントを合わせることができます。そのため、風景写真の撮影などに適しています。
また、絞りを最大まで開いた状態のF値を「開放F値」と呼び、それ以上F値を小さくすることはできません。一般的に、開放F値が小さいレンズの方が暗い環境でも多くの光を取り込めるために「明るいレンズ」と言われています。
関連ページ:F値(絞り値)とは?設定例やシャッタースピード、ISO感度との関係まで徹底解説
オートフォーカス(AF)
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的に被写体にピントを合わせる機能です。反対に、手動でピントを合わせることをマニュアルフォーカス(MF)といいます。AFには、シングルAF(一度ピントを合わせて固定)、コンティニュアスAF(被写体が動いてもピントを合わせ続ける) など複数のモードがあります。
また、AFを駆動するモーターについては、カメラボディ内とレンズ内の2種類がありますが、一般的にレンズ内AFの方がオートフォーカスがより速く、静音性も高くなります。その他、モーター自体の駆動方式によっても静音性やスムーズさが変わってくるため、レンズ選びの際にはチェックしておきたいポイントです。
特にスポーツや野生動物の撮影では、被写体の動きが速く予測しにくいため、スムーズかつ正確なAFが重要になります。
関連ページ:タムロンのAF技術
画角
画角とは、レンズを通して撮影される写真の範囲を表す用語です。具体的には、レンズが捉えることのできる視野範囲を角度で示したもので、この角度が大きいほど広い範囲を撮影することができます。画角はレンズの焦点距離とカメラ本体のセンサーサイズによって決まります。焦点距離が短いほど画角は広くなり、長いほど画角は狭くなります。また、カメラ本体のセンサーサイズが大きければ、より広い範囲を捉えることができます。
広角レンズは画角が広いため、広大な景色や広い空間を収めることができ、望遠レンズは画角が狭いため、遠くの被写体を大きく捉えることができるのが特徴です。撮影する被写体やシーンに応じて適切な画角を持つレンズを選ぶことが、写真表現の幅を広げるポイントとなります。
関連ページ:画角とは?レンズの使い分けについても知ろう
構図
構図は写真撮影において、被写体とその周囲の要素をカメラのフレーム内にどのように配置するかを表す言葉です。構図をうまく活用できると、被写体の印象を強めたり、鑑賞者の視線を自然に誘導することができます。
代表的な構図には、「三分割構図」、「日の丸構図」、「対角線構図」などがあります。こうした構図を意識しながら撮影することで、写真全体にバランスやメリハリを生むことができます。ただし、一般的な構図のルールに縛られてしまうと平凡な写真になる恐れがあるため、構図を意識しすぎることなく、直感を活かすことも重要です。
関連ページ:【初心者の方必見】上手な写真を撮るための構図・アングルの基本を分かりやすく解説!
シャッタースピード
シャッタースピードは、カメラのシャッターが開いている時間を指す用語で、写真の露出と被写体の動きを捉える部分に影響します。「1秒」や「1/100秒」などで表され、分数で表示されている場合は分母が大きいほど速いシャッタースピードとなります。
速いシャッタースピードは、動きの速い被写体をブレずに捉えることができ、スポーツや野生動物の撮影に用いられます(一般的に1/500秒程度)。逆に、遅いシャッタースピードでは、滝の流れる様子など、被写体の動きや流れを表現することができます(一般的に1/10秒程度)。
一方、速いシャッタースピードは露出が少なくなるため、光源が弱い環境では写真が暗くなってしまう場合があります。逆に遅いシャッタースピードは露出が多くなるため、明るさを確保しやすくなります。そのため、夜景や星空を撮影する際には遅いシャッタースピードが使われます。ただし、遅いシャッタースピードは手ブレや被写体ブレが起こりやすいので、必要に応じて三脚を活用しましょう。
このように、撮影したい被写体や写真のイメージ、外部環境によってシャッタースピードを調節することが重要です。
焦点距離
焦点距離はレンズの光学的な特性を表す基本的な要素で、レンズの中心(主点)から撮像素子(イメージセンサー)までの距離として定義されます。単位はmmで表され、レンズの製品名に「28-75mm F2.8」などと表記されている場合は、焦点距離が28mmから75mmであることを意味します。
焦点距離は画角に直結する重要な数値です。焦点距離が短いレンズ(一般的に35mm以下)は広角レンズと呼ばれ、より広い範囲の光景を捉えることができます。逆に、焦点距離が長い望遠レンズ(一般的に85mm以上)は遠くの被写体を大きく捉えることができますが、画角は狭くなります。その中間の焦点距離(一般的に50mm前後)は人間の視野に近い画角を持つ標準レンズと呼ばれます。
関連ページ:焦点距離とは?画角との関係など基礎知識を解説
手ブレ補正
手ブレ補正は、カメラ本体やレンズに内蔵されている機能で、手の揺れ(手ブレ) による映像の乱れを軽減させます。反対に、被写体が動くことによるブレは被写体ブレといわれ、手ブレ補正機構で修正することはできません。
手ブレ補正には大きく分けて、レンズ内手ブレ補正とカメラボディ内手ブレ補正の2種類があります。手ブレ補正機構がついたレンズであれば、ファインダー越しに手ブレ補正が効いた像を確認できるため、より安定した撮影をすることができます。
手ブレ補正は、望遠レンズを使用する場合や低速シャッタースピードでの撮影、低照度の環境下で撮影する場合などに有効です。いずれのケースでも手ブレが発生しやすいため、手ブレ補正を利用することで安定した高品質な撮影が可能です。
関連ページ:タムロンの手ブレ補正機構
露出
露出とは、写真を撮るときに取り込まれる光の量のことで、写真の明るさを示します。露出は、F値(絞り値)、シャッタースピード、ISO感度の3つの要素によってコントロールされます。これらの要素のバランスを取ることで、被写体を適切に露出させることができます。
たとえば、十分な光がある屋外などでは、F値を大きく設定し、シャッタースピードを上げても十分に明るい写真を撮ることができます。反対に、照明の不十分な屋内などで動きのある被写体を撮影する場合、シャッタースピードを速くする必要があるため、F値を小さくしISO感度を高くすることで露出を確保します。
このように、その場に応じた調整を施すことで、イメージ通りの写真を撮ることができます。
関連ページ:一眼カメラで上手に写真を撮るための基礎知識
ホワイトバランス
ホワイトバランスとは、撮影時の色温度(光の色合い)を補正し、イメージに合わせて写す機能です。異なる光源(太陽光、蛍光灯、白熱灯など)は異なる色温度を持つため、その影響で色の見え方が変わります。ホワイトバランスを正しく設定することで、自然な色合いの写真を得ることができます。
一般的にカメラ本体にはホワイトバランスを自動調整する機能が搭載されており、多くの場合は適切な色温度にオート(自動)で調節されます。しかし、特定の環境下では手動でホワイトバランスを調整することで、その場の条件や作品のイメージに合った色再現が可能になります。また、RAW撮影の場合は、後から任意でホワイトバランスを補正することもできます。
撮影モード
撮影モードとは、カメラに備わっている撮影設定機能のことで、撮影シーンや被写体に応じて選択します。F値(絞り値)、シャッタースピードなどが自動調整されることで、撮りたいイメージを優先しながら、効率的に適正露出を得ることができます。
一般的な撮影モードには、オート(すべての設定をカメラが自動で行う)、プログラム(露出を自動で設定しつつ、その他の設定を手動で調整可能)、絞り優先(F値(絞り)を設定し、シャッタースピードは自動で調整)、シャッター優先(シャッタースピードを設定し、F値(絞り)は自動で調整)、マニュアル(すべての設定を手動で行う)などがあります。
たとえば、風景写真では絞り優先モードが、スポーツ写真ではシャッター優先モードが有効です。また、細かな設定にこだわりたい中級・上級者の方はマニュアル設定で撮影する場合も多いです。
ズームレンズ
ズームレンズは焦点距離を変えることができるレンズの総称です。単焦点レンズとは異なり、その場で画角を調整することができるため、汎用性が高く1本で様々なシーンに対応できます。一方、単焦点レンズと比べると構造が複雑になるため、躯体が大きく重くなる場合がありますが、タムロンのレンズをはじめ、軽量・コンパクトな製品も多く販売されています。
ズームレンズは、カバーする焦点距離によって大きく広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズに分類されます。また、高倍率ズームレンズは、広角から望遠まで幅広い範囲をカバーします。自分が撮影したい被写体やイメージに合わせて、最適な焦点距離のレンズを選びましょう。
広角レンズ
広角レンズは焦点距離が約35mm以下のレンズを指します。広い範囲を精細に写すことができるため、風景写真や建築写真などに利用されることが多いです。また、遠近感(パースペクティブ) が強調され、遠くのものが相対的に小さく、近くのものが相対的に大きく見えるのも特徴です。この効果を利用して、中心となる人物や構造物をダイナミックに表現したり、屋内で空間の広がりを演出したりすることも可能です。
関連ページ:広角レンズとは?特徴と種類、選び方について解説
標準レンズ
標準レンズは焦点距離が約50mm前後のレンズで、準広角から中望遠までの範囲をカバーします。人間の視野に近い自然な画角を持ち、広角レンズと望遠レンズの中間的な立ち位置といえます。標準レンズがよく利用されるシーンは、ポートレート、スナップ、風景写真などが挙げられます。開放F値が小さいレンズも多く、様々な環境下での撮影に柔軟に対応できます。
関連ページ:標準ズームレンズを詳しく解説!利用シーンの具体例や選び方を解説
望遠レンズ
望遠レンズは焦点距離が約80mm以上のレンズを指し、遠くの被写体を大きく拡大して撮影できる点が特徴です。画角は狭いですが、遠くから被写体にクローズアップできるため、スポーツや野生生物の撮影などに適しています。
さらに、焦点距離が約300mm以上のレンズは超望遠レンズと呼ばれます。通常の望遠レンズでは撮影できないような遠くの被写体も大きく明瞭に捉えることができ、飛行機や、野鳥など警戒心の強い動物の撮影にも多用されます。
また、望遠レンズで撮影した写真は遠近感が圧縮されたように(遠くのものがより大きく近く) 見える「圧縮効果」があります。たとえば、背景ボケを活かしたポートレートなどにこのような効果を応用することで、被写体に強い印象を与えることができます。一方、撮影時には手ブレも発生しやすくなるため、三脚を使用したり、手ブレ補正を活用したりなど手ブレを抑えることもポイントになります。
関連ページ:望遠レンズとは?使い方やレンズ選びのポイントもご紹介
大三元レンズ
大三元レンズとは、広角、標準、望遠の各カテゴリーにおいてF2.8通しのズームレンズを総称した言葉です。3本のレンズを揃えることであらゆるシーンでハイクオリティな写真を撮影できます。
大三元レンズは、開放F値が小さく、画質に優れ、解像度やコントラストの表現力が高いことが特徴です。風景、ポートレートからスポーツなどの撮影まで幅広い用途で、プロの写真家やハイアマチュアの方々に利用されています。また、耐久性に優れているものが多く、厳しい撮影環境でも安心して使用できます。高性能と引き換えに価格も高くなる傾向があるため、特に画質にこだわりたい方に適したレンズといえるでしょう。
関連ページ:大三元レンズとは?その魅力や撮りたいシーンをご紹介
最短撮影距離
最短撮影距離は、被写体に対してピントを合わせることができる最短の距離を表します。被写体からカメラ本体のセンサーまでの距離で測定され、最短撮影距離より被写体に近付くとピントが合わなくなります。
最短撮影距離はマクロ撮影やクローズアップ撮影で重要な要素です。最短撮影距離が短いレンズは、被写体にグッと近寄って撮影できるため、小さな被写体やディテールを大きく映し出すことができます。また、狭いスペースでのポートレートや物撮りなど、被写体との距離が限られた環境でも柔軟に撮影をすることが可能になります。
近年、スマホの影響もあり被写体に寄って撮影することが一般的な感覚として身についています。そのため、寄れないことにストレスを感じることも結構ありますが、タムロンレンズは最短撮影距離が短いものが多いのが特長です。
レンズフィルター
レンズフィルターは、レンズの前後に取り付けることで写真の明るさや見え方を調整したり、レンズを保護したりするアクセサリーです。様々な種類のフィルターがあり、それぞれ異なる効果を持っています。よく使用されるレンズフィルターとして、PL(偏光)フィルターとNDフィルターなどが挙げられます。
PL(偏光)フィルターは被写体表面の光の反射を減らし、水面の透明感や空の青さなどを強調します。また、NDフィルターは光の量を減らすことで、明るい日中や露出が多すぎる状態での白飛びを防いだり、シャッタースピードを遅くして水の流れを幻想的に表現することなどができます。
フィルターを活用することで、カメラ本体の設定だけでは仕上がりのコントロールが難しい状況でも、写真の表現を調整することができます。
マウント
マウントとは、カメラ本体とレンズを接続する部分のことを指します。マウント規格は各カメラメーカーによって異なり、基本的には適合するレンズのみが本体に取り付けられますが、マウントアダプターを利用することで互換性を持たせることが可能な場合もあります。マウント規格には、ソニー Eマウント、富士フイルムXマウント、ニコン Z マウントなどがあります。
また、マウントは単に物理的な接合部であるだけでなく、レンズとカメラ本体間の通信も担っています。これにより、オートフォーカスや手ブレ補正、露出などの制御機能が正確に動作するようになっています。レンズを選ぶ際には、自身のカメラシステムに合ったマウント規格のレンズを選ぶことが重要です。
関連ページ:ソニー Eマウント用レンズラインナップ
関連ページ:富士フイルムXマウント用レンズラインアップ
関連ページ:ニコン Z マウント用レンズラインアップ