2024.09.20
写真家 HARUKI氏がタムロン28-300mm F4-7.1 (Model A074)ソニー Eマウント用と巡る旅スナップ
写真家 HARUKI氏がタムロン28-300mm F4-7.1 (Model A074)ソニー Eマウント用と巡る旅スナップ

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皆さん、こんにちは。写真家のHARUKIです。
この夏、いつも大学の授業で訪れている福岡に加えて、10数年ぶりに故郷・広島へもクルマでの一人旅で行くことになりました。せっかくなので、母の生まれた米子など山陰側の鳥取県から入り、広島の山陽側を巡ってくることにしました。旅のお伴に新製品の高倍率ズームレンズ、タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)ソニー Eマウント用と一緒に、福岡、鳥取、島根、そして広島や県内にあるかつて訪れたことのある懐かしい街を巡る旅をしてきました。その中からほんの一部ですがご覧いただければ幸いです。
亡き母の故郷である鳥取県の米子から境港を車で走っていると、住宅街の中に突然現れたひまわり畑。花農家さんの栽培地のようで街中での不思議な光景でした。手前を前ボケさせるため後方のひまわり群にフォーカスを合わせての撮影。望遠端300mmで奥に見える緑を含めた3つの層を圧縮効果に閉じ込めてみました。ひまわりは明るい性格の母も大好きだった花です。天国で喜んでくれているとよいんだけどなあ。
一枚目の写真 焦点距離:焦点距離:300mm 絞り:F11 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:400 使用カメラ:Sony α7R V
福岡郊外から博多湾を臨む夕景。福岡にある母校の大学で授業を担当しているので、時間がある時には自分が学生だった頃に撮影に行った場所をなぞるように訪れています。オレンジ色に染まった空が分刻みで色彩を変化させていくのを、焦点距離を変えながら追っていましたが、陽が沈んだ直後の鮮やかなピンク色の空と海の広がりを広角端28mmで表現しました。
砂丘から日本海へと繋がるビーチ。晴れた夏の朝、雲が早足で駆け抜けていく影がおもしろいのでカメラで追っていたら、砂丘から降りてきた小さな子どもが走りまわって遊んでいました。子どもの赤い服をポイントに、海の波打ち際とビーチを黒くした雲の影で対角線構図で撮影。レンズ交換が難しい砂丘などや動きがとれない場所からの撮影では、やはり焦点距離を変えられるズームレンズはありがたい。
後ろの吹き流しにかけて徐々にボケていくように中央左手と右上の2個の飾り玉にフォーカスが合う位置を探して撮影。まるで小さな宇宙みたい。年に2回だけ海に沈む夕日から山の上にある鳥居までの参道をまっすぐ光が繋げる「光の道」で有名な宮地嶽神社。訪れた7月の終わりは七夕祭りが開催されていて山門には色とりどりの飾り付けがされていました。
高校生の時以来40数年ぶりに訪れた竹原市。ニッカウヰスキー創業者、竹鶴家の竹鶴酒造や江戸末期に製塩業で栄えた豪商の蔵などが残る小さな街。宿泊所へと姿を変えたかつての商家にかかる暖簾が風に揺れる瞬間を捉えました。狭い路地裏で広角から中望遠までいくつか焦点距離を変えて撮影した結果、人目線に近い68mmを選びました。
ロープで休むシオカラトンボらしき後ろ姿を見つけたので300mm側にして撮影。高速・高精度AFのVXDのおかげで素早いAF合焦。もっと近くからと忍び足で近づいたけれど、この後逃げてしまいました。270°の視野角を持つ目には適いません(笑)。至近距離まで寄って絞り開放でトンボ以外の全てをボカしてしまうことで主役をクローズアップさせました。
屋台の出店テーブルの上を飛び交うハチ。受粉するような花があるわけじゃないのに甘い食べ物か何かの匂いがするのでしょうか?木洩れ日からの光線が白いテーブルクロスに飛んでいる小さなハチのかわいい影まで創り出していました。
写真には写っていませんが、宮島では2年前に修復を終えた厳島神社の大鳥居を近くで見ようと接近したチャーター船を、夕陽で金色に染まった海にシルエットで見せるために真逆光という悪条件で撮影。広島市に住んでいた頃には毎年のように撮影に通っていましたが、久しぶりに訪れたらインバウンド観光客の多さに驚きました。
神社の境内で飼われていたフクロウを300mmでクローズアップ撮影。フクロウの身体を覆う羽根などの質感を再現したかったのであまりISO感度を上げないよう抑制気味に設定。シャッター速度1/60秒でも手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)のおかげで安心して撮影し、フクロウの目や身体の質感も克明に描写することができました。フクロウは森の哲学者と呼ばれたり、商売繁盛などの縁起が良い鳥ともいわれています。何か御利益がありますように!(笑)
これまで数多くの優れた高倍率ズームレンズを世に送り出してきたタムロンですが、近年では大ヒットとなった28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)もあります。そして今回は望遠端を200mmから300mmへとさらに延ばした28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD (Model A074)の登場。広角端28mmから望遠端は300mmまでの、10.7倍のズームレンズでありながらもコンパクトな筐体は、1本だけ持って撮影に出る時にはとても魅力的です。今回もヒカリとイロ、瞬間のカタチを駆使しつつ、心の片隅に忘れかけている懐かしい“光景”に出逢う旅をしてきました。この旅でも海や空の広がりから、遠くの被写体をクローズアップで捉えるなど、様々な場面で活躍してくれました。スピーディーかつ正確なAFと、低速シャッターをおそれることなく安心して撮影できる手ブレ補正機構VCにも救われました。そして、実は他にも数本のタムロンのレンズを持参したのですが、多くのレンズと同じくすべて67mmのフィルターサイズで統一されているのも、キャップの付け外しなどで迷うことなく即座に次の撮影準備にかかれる操作性がありがたかったです。
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HARUKI HARUKI
広島市生まれ。大学卒業後、上京しフリーランスとしてポートレート撮影を中心に活動。「第35回朝日広告賞・表現技術賞」「100 Japanese Photographers」「パルコ期待される若手写真家展」等に選出、個展多数開催。近年は世界各国でのスナップショット撮影やエッセイも執筆。プリント作品は国内外の美術館などに収蔵。九州産業大学芸術学部・客員教授、長岡造形大学・非常勤講師、日本写真家協会正会員。