2022.12.27
自然写真家 福田 啓人氏が、ソニー Eマウント用のタムロン28-200mm F2.8-5.6と150-500mm F5-6.7 で撮影する冬のタンチョウ
自然写真家 福田 啓人氏が、ソニー Eマウント用のタムロン28-200mm F2.8-5.6と150-500mm F5-6.7 で撮影する冬のタンチョウ


自然写真家の福田 啓人です。北海道鶴居村で冬のタンチョウを撮影しましたが、真冬の北海道はとても寒く、明け方は-20度以下になることもあります。
そんな厳しい自然条件の中で、タムロンの高倍率ズームレンズ28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)と、超望遠ズームレンズ 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)を使用してみました。撮影は昨年の冬に行いましたが、今冬に合わせた作例としてご紹介しますのでご覧ください。
一枚目の写真 (焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/4000秒 ISO感度:1600 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057))
鶴居村にある鶴居伊藤サンクチュアリで求愛のダンスを撮影しました。情熱的な2羽のダンスは動きが激しいのですが、レンズの動作は正確で、滑らかにオートフォーカスが追従してくれました。背景には雪の陰影があり、オートフォーカスには少々厳しい条件でしたが、トラッキングAFで十分に対応出来ました。
朝焼けの中、タンチョウの群れが頭上を飛ぶ瞬間を撮影しました。撮影距離の近い群れの飛翔を写したい時、望遠レンズだけでは画角に収めることが難しい場面も多く、広い画角からスタートする高倍率ズームレンズはとても便利です。
二羽のタンチョウが青空を背景に飛んでいる姿を500mmで撮影しました。このように被写体との撮影距離が遠く、大きく写したい時には望遠レンズが必要になります。どのくらい離れた距離を飛ぶかはその場になってみないと分からないので、一瞬のチャンスも逃したくない撮影には、ズーミングしながら超望遠撮影が出来ることはとても便利です。
少し遠めの群れの飛翔を撮影しました。高倍率ズームレンズは画角の自由度が高く、この時は近距離を飛ぶことも多かったので、素早くズームイン、ズームアウト出来るのは非常に助かりました。
夕日を背景に飛ぶ群れを撮影しました。やはりズームで素早く画角を調整出来るのは便利です。高倍率ズームレンズですが逆光にも強く、ゴーストやフレアも抑えられて描写も良く、オススメ出来るレンズです。
鶴居伊藤サンクチュアリから飛び立つ姿を150mm側で撮影しました。向かってくる被写体に対してもAFでのレンズの動きは正確で速く、十分追いかけられます。広角端で撮影することにより、地上にいる二羽のタンチョウも背景のアクセントに加えてみました。
雪原に佇むタンチョウを望遠端で撮影しました。背景を白い雪に統一して被写体の存在感を高めました。カリカリになりすぎない描写は良好で、被写体の自然な美しさを引き出してくれていると思います。
近距離でタンチョウのアップを撮影しました。目の輝き、白と黒の羽の階調の表現、嘴や羽の質感など、ブレをきちんと抑えて撮影すれば、ズームレンズとしてはかなり良好な描写力だと思います。
夕日とタンチョウを撮影しました。逆光でもフレアやゴーストは発生せず、背景の太陽と空も階調が柔らかく、自然な描写で好ましいと思います。
α1のクロップ機能を使って撮影しました。画角は1.5倍の750mmになります。画素数は減りますが、被写体を引き寄せ迫力を増すことが出来ます。描写力の高いレンズの中心部分だけを使うことが出来るのも魅力です。
雪が降る中でクロップ機能を使って撮影しました。多量の雪が降っていましたがAFは雪にも負けず、しっかりと被写体の飛翔する姿を捉えてくれました。
最後の1枚もクロップ機能を使って撮影したものです。かなり動きの激しい場面でしたが、AFの動きは良好で、被写体の激しい動きにもピントを合わせ続けてくれました。
28-200mm F2.8-5.6と、150-500mm F5-6.7という2本のズームレンズを使用することによって、写真の表現の幅が大きく広がりました。北海道の雄大な自然の美しさ。タンチョウそのものの美しさ。両方を写し出したいと思った時に、ズームレンズはとても便利だと思います。両レンズで28mmから500mm(カメラのクロップ機能を使えば750mm)までカバー出来るのは何よりも強い味方になってくれます。実は病気を患ってしまい、なるべく重いものを持たないように言われているのですが、その点でも両レンズは軽く、写りも良いので大変助かっています。そういった身体に障害や制約のある方にもオススメ出来るレンズです。
記事で紹介された製品
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28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD a071(Model )
これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。