2024.06.28
写真家 wacamera氏がタムロン50-300mm F4.5-6.3 (Model A069)ソニー Eマウント用の世界に浸る、ヨーロッパの旅。「MORE THAN MY CURIOSITY」
巷では50mmを標準画角とする声が多い。実際、私自身も40-50mmくらいが人間の視野に1番近いのではないかと思っています。その50mmからさらに遠く、自分の視力のその先にあるものを大きく見たいと思うことは、人間である以上致し方ありません。なぜなら私たちには「好奇心」があるから。たちまち旅に出れば、その気持ちはさらに大きくなり、止まることを知りません。
今回使用したタムロン50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069) は、ヨーロッパを旅している間、私の好奇心を大きく支えてくれました。少し離れた美しい教会の細かな装飾、景色を一望できる高台から見えた窓にかかる洗濯物、川にかかる幾何学的な橋の上を行きかう人、まっしろな街並みに飾られた真っ赤な植木鉢…
久しぶりに感じた「撮影する行為が楽しい!」という体験は、私を初心に帰らせてくれました。
一枚目の写真 焦点距離:50mm 絞り:F5 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:100 使用カメラ:Sony α7 IV
こちらもポルトガルの教会の塔の上から見た人たち。ちょうど西陽が強くあたり、影が面白かったワンシーンです。日差しのせいか、カラー写真なのにモノクロのように見えます。面白いのは左上に飛び立つ鳩の影だけが写っていること。鳩自体は写っていません。同じく300mmのおかげでトリミングなしで撮影できています。
このレンズ、50-300mmをカバーしているのにも関わらず重さが1kgを切っています。私の中では「望遠ズームレンズは重い」というイメージしかありませんでした。その重さと好奇心を天秤にかけるものなのだと思い込んでいました。しかし持ち出してみて驚くのはとにかく軽いこと。驚くことなかれ、なんと665gしかありません。その軽さのおかげで20日間という長旅でも疲労を感じなかったと言っても良いでしょう。日本にいれば連日出かけっぱなしになることなどはありませんが、旅に出れば朝から晩まで毎日撮影に明け暮れます。せっかく旅をしているのだから余すことなくその国を堪能したいのが写真家の性かもしれません。それが遂行できたのもこのレンズのおかげでしょう。欧州にありがちな狭くて段差の大きい石の階段を登って上がる塔でも、肩にかけたカメラを手で軽く押さえながら登ることができました。息切れがしたのは年齢のせいということにしておきます。
他にもリスボンの街中でトラムのあるスナップを撮るために撮影に出たかけた時のこと。初めて訪れるポルトガル。ロケハンを兼ねて挑戦しましたが、初回の撮影では観光客や地元の人でごった返す昼間だったため思うような画が撮れず、翌日とその翌日、2日間の早朝と夕暮れの短時間勝負で撮影に出ました。この写真の場所はホテルから3分で到着する、この旅で1番狙おうと思っていたロケーション。リスボンでトラムが1番かっこよく撮れるスポットと言っても良いかもしれません。朝6:30の薄暗い街並みの静けさと、通勤する人のシルエット、奥には住民や観光客に愛されるトラム。この一瞬にして二度とないポルトガルの人々の営みを撮ることができたのも、300mmのレンズがあったからこそだと思っています。四隅の階調、ピントがトラムにスムーズに合う感触、300mmの圧縮効果、どれをとっても最高な撮影体験でした。
スペインのロンダという街に行った時、おしゃれなケーキ屋さんの前を通りかかりました。朝ごはんを食べていなかった私は、お茶でもしようと入りオートミールボウルを注文。それがあまりにも色とりどりで艶があり美しかったので、窓際から入る自然光を生かして少し明るめに1/80、F4.5、ISO 250で撮りました。F4.5と聞くとボケないのでは?と思う人もいるでしょう。もちろんF1.4よりはボケにくいです。しかしこの写真を見てください。はちみつがかかったチョコレート周辺にはピントがビシっと合っていて、テーブルやスプーンの部分はちゃんとボケています。撮るものを選び、フォーカスの位置と背景との距離感を掴めばボケ感はいくらでも作れるのです。それにしても苺の赤や杏のオレンジ、ブルーベリーの濃紺の発色の良さには驚きです。馴染みのある使いやすい50mmは始終スナップで大活躍でした。
記事で紹介された製品
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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a069(Model )
50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A069)は、70-300mm使用時の「広角側が少し物足りない」の声に応え、広角側を50mm始まりに。望遠域300mmまでカバーしながらも非常にコンパクトなサイズを実現しています。また、50-300mm全域で高画質を達成。静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)や手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の搭載により、あらゆる撮影を強力にサポートします。さらに、広角端では最短撮影距離0.22m、最大撮影倍率1:2の高い近接撮影能力で、存分にハーフマクロの世界を楽しめます。気軽に本格的な撮影が楽しめるこの万能ズームレンズが、作品づくりの可能性を広げます。