2023.09.14
写真家 大森 和幸氏がタムロン70-180mm F2.8 G2 (Model A065)ソニー Eマウント用で撮影する、ファッションポートレート
写真家 大森 和幸氏がタムロン70-180mm F2.8 G2 (Model A065)ソニー Eマウント用で撮影する、ファッションポートレート
ポートレート専門メディア『PASHA STYLE』で編集長を務めています大森 和幸です。雑誌やWebの編集をベースにしながら、写真家として作品創りも積極的に行っています。
私は普段から多くの作品撮りをしていて、その中では暗さや狭さなどの困難な条件下での撮影をすることも多くあることから、このタムロン70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)ソニー Eマウント用はとても気になるレンズ。そんな気になるレンズの新製品をいち早く試させていただけるということで早速作品撮りに活用しました。
せっかくなのでよりチャレンジングな撮影にしてみようと、想定以上にタフな条件を揃えてしまった感はありますが、その中でのこちらのレンズの使用感をお伝えできたらと思います。今回はファッション作品を2パターン。昼間野外でのエレガントテーマと屋内でのダーククールをテーマに据えて撮影を組みました。ファッションポートレートを撮影する際、なるべくレンズでの歪みを抑えたいので望遠系は必須。そして被写体との距離をとりたいので、野外では100〜180mmあたりを多く使用しました。
ファーストインプレッションは、70-180mmの中望遠ズームにも関わらず、程よいサイズと重量による持ったときのバランスの良さ。質感も高く、所有欲を満たしてくれます。どんなパフォーマンスを見せてくれるのかと、シャッターを切る前から期待を膨らませてくれるそんな手応えでした。
そして期待と不安を抱えつつもファインダーを覗きシャッターを半押しした瞬間に、素早く正確に被写体を捉えるAFに驚きをおぼえました。前ボケ、後ろボケと難しい環境でもほぼ狙いたいところへの合焦速度も正確さも文句なし、サクサクと気持ちよくシャッターを押すことが出来ます。順光はもちろん逆光の際も綺麗に抜けるレンズの性能のおかげかファインダー内でもしっかりと被写体を認識でき、AFもほとんど外すことはなかったです。暗めの林に入った際、よくあるのは奥の木漏れ陽にAFを持っていかれ後ピンになってしまうこと。しかしながらこのレンズではこの点もそう気になることはなく撮影が進められました。
これは撮影を進めていく上で安定したクオリティの実現はもちろん、撮影者の精神的な負担も減らしてくれます。結果、作品の組み立てや被写体とのコミュニケーションに集中できるという点につながり、レンズ1本でここまで効率化ができるのだと感心しました。
さらに後半の屋内での撮影は、真っ暗闇のスタジオに黒い衣装、蝋燭など小さな光源と、細かく編み込まれた被写体のヘアスタイル。撮影条件としては過酷を極めるものです。全体の雰囲気を残しつつ解像感もキープ、作品として切り取っていきます。作例写真のISOやシャッター速度をご覧いただくとその暗さは想像に難くないかと思います。
暗い中でもAFは安定し、被写体の顔を認識して瞳AFはしっかりと作動していた印象。さらにこのレンズの特徴でもある手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)の秀逸さには目を見張ります。望遠+スローシャッターでもしっかりと描写を止めてくれるその性能は驚くほどで、思わずシャッター速度を再確認してしまいました。スタジオ内での物撮り的なカットも、レンズ交換なく楽に出来ます。このレンズの70mm側での近接撮影は、最短撮影距離0.3m / 最大撮影倍率1:2.6と驚異的。手ブレ補正+近接で、サンプル撮影的なカットも手持ちで楽々とこなしました。終始暗い中での撮影もこんなにストレスなくシャッターを切れるのであれば、このレンズ1本あれば多少条件の悪い場所でも気後れすることなく撮影出来てしまいますね。
そんな機能面でのメリットに感心しきりではありましたが、出来上がった作品を見て更に感動しました。癖のない美しいボケによる描写。寄れば寄るほど映える玉ボケと作品を邪魔しない上品な前ボケなどは本当に素晴らしいと感じましたし、暗い中での暗部の粘りと同時に蝋燭などのキャッチライト部分の粘りと、悪条件下でもその性能にとても助けられた印象でした。
中望遠レンズを使う場面も多く、現場は悪条件が重なりやすい私のようなタイプの写真家としては、ぜひ1本手元に置いておきたいと感じるレンズですね。
model:Paula(instagram:@pollupaula)
costume designer(studio shot):SU-CUBE(instagram:@su_cube / twitter:@SUCUBE3)
styling(location shot):ユコ(instagram:@yukophotography / twitter:@xxxxyxuxkxoxxxx)
hair&make up:Ellie(instagram:@ellie.hair_make / twitter:@ellie_make)
studio:studio jardin’k(instagram:@studio_jardink / twitter @jardin_order)
assistant:ユコ(instagram:@yukophotography / twitter:@xxxxyxuxkxoxxxx)
記事で紹介された製品
-
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 a065(Model )
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)は、市場でご好評をいただいている大口径望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」(以下Model A056)からさらなる進化を遂げ、第2世代「G2」モデルとして誕生しました。本機種では、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を新たに搭載。クラス最小・最軽量*の機動力を維持しながら、より安定した撮影が可能です。また、初代Model A056から光学設計を一新し、ズーム全域で妥協のない高画質な写りを実現。広角端の最短撮影距離も初代の0.85mから0.3mへ短縮することに成功しており、非常に短い最短撮影距離による、本レンズならではのユニークな写真表現が楽しめます。 *手ブレ補正機構搭載フルサイズミラーレス用大口径F2.8望遠ズームレンズにおいて。(2023年8月現在。タムロン調べ)