2022.05.25
フォトグラファーの休日、ぶらり旅で撮る沖縄の海とスナップ
ハイサイ!! 沖縄を拠点に活動しております、写真家のmokkunと申します。
今回は沖縄本島の北部エリアを標準ズーム一本でぶらり旅。沖縄を旅するといっても、何を隠そう生まれも育ちも沖縄出身の私。そこで今回、普段は車を止めて歩く事のないローカルな街を、ぶらりぶらりとお散歩してみることにしました。1946年-1970年に琉球政府国頭郡にあった村である名護市の屋部(やぶ)をのんびり散策し、午後はさらにローカルな沖縄本島北部にある、東海岸沿いの秘境を求めて冒険してみました。
旅の相棒となったレンズは、大口径標準ズームレンズのタムロン28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)。初代モデルから第2世代「G2」への進化により、解像性能・AF性能が格段に向上したのにも関わらず、10gの軽量化に成功しているレンズです。街角スナップから風景写真まで描写に妥協なく、サイズも小型軽量で身軽に持ち出せると思うと、純粋に旅への意欲も上がります。防塵防滴にも配慮されているので、特に沖縄のようなロケーションでは心理的ストレスも軽減され、旅に集中出来るので、「身も心も軽くなる」と言ったところでしょうか。
午前10時に名護市の屋部に到着。航空マップを見ながら推測でビーチを目指しテクテク。道中の路地や街並みが素敵でしたが、行きは目で景色を楽しみ写真は帰りに撮ることに。そして汗だくになりながら歩くこと1時間・・・、遂にビーチを発見。疲れが一気に吹き飛びます。ちなみにいつでも青いと思われがちな沖縄の海は、西海岸だと午前中が綺麗です。海を綺麗に撮るコツは、太陽が背にある状態を意識することで、色鮮やかな写真を撮ることが出来ます。
こちらの写真は海に数歩入って撮影していますが、この2、3歩が撮影には大切な場合があります。かっこ良いスニーカーを諦めて、漁業サンダル(通称ギョサン)で来た甲斐がありました。有名なビーチを目指すのは間違いないことですが、こうやって名もなきビーチを開拓するのもぶらり旅の醍醐味だったりします。
さて、真西から真東に大移動してきました。午後は東海岸沿いが綺麗な時間で、太陽光を意識しながら進みます。航空マップから推測して断崖絶壁の岬を目指しました。腹ごしらえして体力は十分です。車も通れないような獣道を突き進んでいくと、目の前に絶景が広がりました!正直、道が途中でなくならないか、かなり不安ではありましたが・・・(笑)。
スケール感のある絶景は広角端でワイドにとらえたくなるところですが、今回は西陽の当たる岩肌を主題として魅せたいので望遠端でねらいます。全面均一に且つシャープに撮りたいので、F7.1まで絞り込みました。28-75mm F2.8 G2は本当に良く解像します。岩肌のディテールが素晴らしく、色乗りも良好です。見た景色の感動をそのままに写真に納めることが出来ました。初めて探索した場所であることと、獣道を大分歩いて来たので、小型軽量のレンズ一本で身軽でなければ、この景色に出会えてなかったかもしれません。
帰り道の西海岸沿いで、沖縄県の夕陽の名所でもある読谷村に立ち寄りました。宇座海岸で検索し、サンセットの頃合いに立ち寄るのがおすすめです。干潮時に水面反射が美しいウユニ塩湖風ショットが撮れる、僕の推しスポットです。夕陽が沈んだ後のマジックアワーの時間に到着。今年最初の台風が発生したとかで、非常に幻想的な焼け方を見ることが出来ました。既に薄暗くなっていたのですが、水面の表情も写し撮りたいのでF5.6まで絞り込みました。ISO感度は1000まで上げて、暗所のノイズが出ないよう、シャッタースピードは手持ち1/30秒で呼吸を止めて撮影(別の意味で、絶景に息が止まるほど!)。完全な無風状態でなく微風くらいの撮影条件でしたが、シャッタースピードを落とすことで、鏡のような水面に空が映る様子をわずかながらでもとらえることが出来ました。夕陽が沈んだ直後で、中央部の雲の後ろに暖色の優しい光を感じたので、残り陽とそれが反射する水面を主題にしました。
今回はフォトグラファーの休日と題して標準ズームレンズ一本で沖縄ぶらり旅をしてみました。まずは景色を目で見て楽しみ、一日を通しリラックスしながら、胸躍る瞬間のみシャッターを切ることが出来ました。写真を旅のメインテーマに持って来るとどうしても「作品を撮る」みたいな意識が先行し、バッグの中身もレンズで溢れて重くなります。さらに僕の場合、「これだけ重い機材を持って来たから意地でも良い景色を納めてやるんだ!」みたいなガチガチなマインドになりがちです。でも、身軽なレンズ一本であれば撮れ高を気にせず、感じたままに軽快に、冒険心溢れる少年のような旅が出来たりするものです。
初代モデルから進化を遂げた相棒、タムロン28-75mm F2.8 G2の軽快さ、そして妥協なき描写力。間違いなくこのレンズでしか撮れない景色がありました。28-75mm F2.8 G2は普段お仕事の相棒ですが、たまには地元沖縄の美しい海やまだ見たことのないスポットを探しながら、レンズと共にオフ日を過ごすのもタムロン愛が深まり良い時間となりました。是非皆さんも愛着のあるタムロンレンズとともに、美しい風景や発見を求めてぶらり旅をしてみませんか?