2023.10.10
写真家 松尾 純氏が、タムロン150-500mm F5-6.7 (Model A057) ニコン Z マウント用で写し出す、モンゴルの鷹匠と人々の生活
写真家 松尾 純氏が、タムロン150-500mm F5-6.7 (Model A057) ニコン Z マウント用で写し出す、モンゴルの鷹匠と人々の生活
写真家の松尾 純です。今回、新製品である超望遠ズームレンズ、タムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057) ニコン Z マウント用を携え、近年取材を行っているモンゴルへ撮影に出かけてきました。
一枚目の写真 焦点距離:500mm 絞り:F6.7 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:400 使用カメラ:ニコン Z 9
わたしが普段フィールドにしているのは、ライフラインが整っていない、いわゆる世界の辺境地で、カメラ機材以外にも多くの旅の荷物を持ち歩かなければなりません。そのため、機材のボリュームも極力減らす必要があり、これまで超望遠レンズは使用したことがありませんでした。しかし、今回この150-500mm F5-6.7を使ってみてまず驚いたのが大きさと重量です。望遠端で500mmという超望遠レンズにも関わらず、感覚的には70- 200mmの大口径望遠ズームレンズと同じようなコンパクトさです。
Nikon Z 9という大きなカメラに、フードを取り付けたままのレンズを装着した状態で、40リットルのカメラリュックにすっぽりと収めることができました。これは素早い機動に繋がるだけではなく、悪条件下でレンズ交換をすることなく、レンズ着脱時のゴミや埃の混入のリスクも防いでくれます。
わたしは普段広角~200mmまでのレンズを使用していますが、150-500mmという焦点距離は、これまでとは違う迫り方で被写体の微妙な表情を捉え、特に超望遠端500mm付近では、肉眼では見ることができない細部の美しさを発見することができました。背景の圧縮効果による迫力、前後ボケの柔らかさもうっとりするほどです。
辺境地では撮影以外にも体力を使うことが多いので、機材にストレスを感じないことが気持ちに余裕を与え、作品づくりに影響してくると思っています。例えば、被写体を追い撮影ポジションを移動する時、どうしても自重のあるズームレンズだとレンズ鏡筒が飛び出てしまうことがあります。しかし、この150-500mm F5-6.7には 任意のズームポジションで瞬時にロックと解除ができるフレックスズームロック機構があるため、ストレスを感じることなくフットワーク軽く移動することができました。また、ズームリングの回転角は75°で、ワンターンで素早くワイドからテレまで動かすことができるのもストレスフリーでした。フードにおいては先端がラバーになっており、レンズ先端が物にぶつかる衝撃を緩和してくれます。悪路での移動が多かった今回の取材ではとても恩恵を受け、こうした撮影者の気持ちに寄り添った細かい配慮に、タムロンのレンズづくりにかける想いを感じました。
人に密着したドキュメンタリーでは超望遠レンズは向かないと今まで思い込んでいましたが、タムロン150-500mm F5-6.7は、わたしの中の概念を打ち砕いてくれた、さまざまなフィールドで活用できるレンズだと実感しました。