2023.12.15
旅行ジャーナリスト・フォトグラファー シカマアキがタムロン150-500mm F5-6.7(Model A057) ニコン Z マウント用で撮る、日本各地での身軽な飛行機撮影
旅行ジャーナリスト・フォトグラファー シカマアキがタムロン150-500mm F5-6.7(Model A057) ニコン Z マウント用で撮る、日本各地での身軽な飛行機撮影
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旅行ジャーナリスト・フォトグラファーのシカマアキです。日本全国および海外の空港で長年、飛行機撮影を行っています。今回、ニコン Z マウント用で3本目となる超望遠ズームレンズ、タムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)ニコン Z マウント用を携え、地元である大阪国際空港(伊丹空港)および全国の空港へ飛び、現地で飛行機撮影を行いました。
一枚目の写真 焦点距離:352mm 絞り:F6 シャッタースピード:1/30秒 ISO感度:3200 使用カメラ:Nikon Z 8
夕暮れ時に、離陸していく飛行機。飛行機写真で最もフォトジェニックであり、シャッターチャンスの瞬間です。手持ち撮影でもレンズの手ブレ補正がしっかり働き、機体をちゃんと捉えてくれました。空がきれいな日に空港へ立ち寄りたい、ふとそう思った時にも手軽に持参して楽しめるレンズです。
日本航空(JAL)の最新鋭エアバスA350型機を、伊丹空港で撮影。A350の特徴であるコクピットの機体前部と、翼の先端も入れました。レンズの最大焦点距離500mmを生かし、機体にここまで近寄って撮ることができると、とても迫力ある作品作りができます。
流し撮りは、飛行機撮影の醍醐味です。速いスピードで動く被写体を確実に撮るには、基本的なカメラ設定と、レンズの性能も実は重要。このレンズは、手持ちでの撮影ながら、滑走路からちょうど車輪が離れた決定的な瞬間をしっかり捉えてくれるなど、レンズのポテンシャルにも手応えを感じました。
Nikon Z8で、DXのクロップ機能を使うと、レンズの焦点距離が最大750mmに。さらに遠くまで撮影できるのも、飛行機撮影ではメリットとなります。750mmという超望遠域は、他のレンズだと持ち運びや取り扱いなどもなかなか大変。このレンズでは、手軽に撮ることができます。
晴れわたった日の飛行機撮影は、順光である場所から始まります。大型機から小型機まである旅客機では、機体ごとにズーム幅を調整していきながら、最適な構図を決めます。青空の日はズームを引き気味に、きれいな空も入れて撮りたいところ。機体のデザインが美しいA350型機が、ちょうど良い位置から離陸してくれました。
夜の空港は、日中とは雰囲気がガラリと変わります。特に、ターミナルから飛行機が遠くなるにつれ、光がどんどん少なくなるため、機体から赤く光るアンチコリジョンライト (衝突防止灯) は、作品のポイントとして狙いたいところ。シャッタースピードを落とし、すっかり夜となった時間帯でも、レンズのAFがしっかりと効きました。
晩秋の北海道。本州よりも先に、冬へと近づいていました。青空と紅葉を背景に、真っ白な機体は映えるはず。そんなシーンをイメージしてしばらく待つと、ボーイング787が飛来してきました。500mmまで余裕あるズーム幅で、飛行機の動きを見ながら調整してシャッターを切ることができる、その操作性の良さを実感させられました。
夕暮れ時に到着した飛行機。空がだんだん暗くなると、限られた光を写真の中に取り込むことが重要になります。機体にかかる太陽光も、日中とは異なります。このレンズでは、まだ遠くにある機体でも焦点距離が500mmまである 、ここまで近づける圧縮効果もメリットだと感じました。
飛行機撮影では、超望遠レンズは必須です。特に、全国そして海外の空港で撮影する際、撮影機材に加えて通常の手荷物も加わります。さらに撮影スポットまでの移動もあるため、撮影機材の軽量化は欠かせません。この150-500mm F5-6.7を初めて手にした時の軽さとコンパクトさに、まず驚かされました。そして、しばらく手持ち撮影していても平気で、持ち運び時も同等のレンズより少しでも軽いのは本当にラクでした。
空港およびその周辺で民間機を撮影する場合、焦点距離400mmあればほぼ十分ではあるものの、それを超える500mmで余裕があるのはメリットで、作品のバリエーションが増えます。しかも、手持ちでの動体撮影をサポートしてくれる手ブレ補正、急な天気の変化にも安心の簡易防滴なども付いています。高速・高精度AFは、夕方~夜の空港でもしっかり合わせてくれました。
広角域は35-150mm F2-2.8で、望遠域は150-500mm F5-6.7という組み合わせがあれば、どの空港でもカバーできるでしょう。飛行機撮影の楽しみが広がるレンズの選択肢が、また新たに加わったと実感しました。