2022.11.15
タムロンの超望遠ズームレンズとともにのぼる、めぐる。北海道大雪山の自然とキツネたち
タムロンの超望遠ズームレンズとともにのぼる、めぐる。北海道大雪山の自然とキツネたち


北の大地からこんにちは!写真家の安彦 嘉浩です。北海道の大自然の恩恵を受けながら、風景・野生動物をメインに撮影するのが大好きです。
今回は、話題のレンズ タムロン50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)と150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)の2本を携え、北海道の大雪山の山々を登りながらめぐって来ました。
大雪山 (たいせつざん) という言葉には馴染みがない方が多いかもしれません。簡単に紹介すると、大雪山というのは、一つの山のことを指すわけではなく、北海道の中央部に連なる2,000m級の山々の総称です。北海道最高峰の旭岳や日本一早い紅葉で有名な黒岳、名峰十勝岳を中心とした十勝岳連峰などからなる山々で構成されています。そんな大雪山にどっぷりハマって、最近はタイミングを見ては山へ登りまくっています。
そんな大雪山にはどんな世界が広がっているのか、動物たちがどのように暮らしているのかが少しでも伝われば嬉しいです!
※1枚目の写真
使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)
焦点距離:500mm 絞り:F6.7 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:400 使用カメラ:ソニー α1
夏の大雪山。キタキツネのこっこに出会いました。「こっこ」と聞いて何のことかわかりますか?北海道の方言で、動物の子どもを「こっこ」と呼ぶことがあります。親しみを抱きながら撮影できる気がするので好きな呼び名です。生まれたての頃は茶色で、鼻が低く柴犬にそっくりなのですが、成長するにつれてキツネ色、キツネ顔になっていきます。あどけなさがまだ残るこのこっこは、後ろ足を器用に使って毛繕いを始めました。シャッターを押し込みながら、「かわいい.・・・」とつい言葉が漏れます。この場所は登山口から2時間ほど歩くのですが、厳しい登山の先にこの子達が待っているというご褒美があれば、自然と足取りも軽くなります。
アスファルトに覆われた市街地で暮らすキタキツネファミリーもたくさんいますが、ここ大雪山で暮らすお父ちゃんキツネ、お母ちゃんキツネはどうしてこんな過酷な場所で生活することを選んだのだろうと考えてしまったりもするわけです。ですが、子ギツネ達がのびのび遊ぶ姿を見ていると、きっとここが最高の環境なんだと気づかされます。車に轢かれて無念の最期を迎える心配もなければ、害獣として煙たがられ生活圏を追い出されることもないのです。人間の身勝手さとは無縁な大雪山のキタキツネは、ここでは自由に走り回っていました。
一方で、大自然の中にお邪魔している身である我々人間は、自由が制限されてしまいます。市街地での撮影とは違い、キツネとの距離感を自分で動いて調整することが難しいのです。こういう環境では150-500mm F5-6.7に助けられました。もうちょっとだけ寄りで撮りたいという時、500mmまで使えるのです。これまで400mmまでのレンズしか使ってこなかったこともあり、少しだけ自由を手に入れた気分でした。
大雪山キツネファミリーは、兄弟4匹です。みんな思いのままに生きていて、4匹が勢揃いした作品性に溢れる写真は撮れませんでしたが、とりあえず兄弟で戯れあっている様子をご覧ください。戯れあいというより、もはやこれは闘いでは・・・。白目が剥き出ているところからも本気度が伝わってきます。とはいっても、そこはさすがに兄弟同士。力加減は調整されているようです。
体の輪郭のぽわぽわした毛は子ギツネ特有のかわいらしさのひとつ。ぽわぽわがない子ギツネは、エゾシカのいない野付半島、ヒグマのいない知床のように、なにか物足りなさを感じてしまうのです。精細な表現を可能としてくれるレンズと一緒に山を歩けることは、楽しくてしかたありません。
新キャラに登場してもらいましょう。エゾオコジョです。この子もかわいい、というかめんこい。こんなにかわいい顔をしていますが、実はネズミなどの小動物を食べる肉食のハンターです。野生動物は見かけによりません。
エゾオコジョはとてもすばしっこいため撮り手泣かせ。まるでモグラ叩きのような撮影です。岩の影からひょこっと顔を出したのを確認して、すぐにファインダーを覗きますが、覗いた時にはもういない!また別の岩陰から顔を出したのを見て、カメラを素早く構える。またもやいない!それの繰り返し。なんとか撮れた1枚がこちらです。エゾオコジョは人間を何とも思っていないかのように、僕のかなり近くまでやってきたので、150-500mm F5-6.7 のワイド側で撮影することができました。150mmから500mmまで対応のズームレンズは、咄嗟の判断が求められる撮影状況にぴったりです。野生動物は撮り直しを許してくれませんから。
大雪山では9月上旬頃から秋が始まります。新幹線の如く次の季節へ向かい、あっという間に過ぎ去ろうとする秋を逃さないように撮影するのは大忙しです。
ウラシマツツジの葉が真っ赤に紅葉している中に、ナキウサギがやってきました。ナキウサギは、日本では北海道の限られた山岳地帯にのみ生息すると言われています。ナキウサギも忙しなく秋を過ごしているようでした。
ここからの写真は先日発売されたばかりの50-400mm F4.5-6.3を使用しています。競合となる各社のレンズと比較しても最軽量ですので、体に負担なく2,000m級の山への登山に楽に持ち運べてしまいます。
50-400mm F4.5-6.3 は、その製品名からわかるように50mmスタートであることがユニークポイント。一般的な望遠レンズは100mmスタートが多いのですが、50mmから使えるとなれば狙える被写体の幅が広がります。しかも最短撮影距離が25cm。足元に広がる高山植物を撮ろうと思うのは自然の流れでしょうか。写っているのは先ほどの写真でも登場したウラシマツツジ。艶やかな赤色が美しいです。この写真は25cmよりは少し離れて撮っていますが、これまでの望遠レンズでは間違いなく表現できなかった一枚です。
エゾシマリスも精力的に活動しています。色鮮やかなウラシマツツジのフィールドで地面から何かを掘り出し、お立ち台の岩の上で食べようとしていました。しかし、どうやら食事に適したものではなかったようで、掘り当てた何かを地面におくと足早に去っていきました。
大雪山の紅葉が始まってからわずか1ヶ月。10月上旬頃にはもう雪が降りました。色鮮やかだったあの頃は冬が来るなんて信じられないという思いでしたが、どうやら今年もいつもと変わらず冬がやってくるようです。
50-400mm F4.5-6.3は動物だけでなく、風景を撮るのにも適しています。少し絞ると全体がシャープに写り、その場の臨場感を表現できます。
大雪山の世界はいかがだったでしょうか。ほんの少しだけでしたが、僕が何度も通ってしまう大雪山の魅力が伝わっていると嬉しいです。
山に登るようになってから機材に関して痛感するようになったのは、「軽いは正義」ということ。人並みの体力はあるとは思っていますが、背負う荷物が重くなれば体への負担が大きくなります。そんな中、50-400mm F4.5-6.3、150-500mm F5-6.7は同クラスのレンズの中ではとても軽いレンズです。それでいて導入コストも抑えられます。なぜなら登山ギアは、軽くなればなるほど価格が上がるのが普通だからです。そして、ここまでの写真からもお分かりいただけたように解像感もばっちり。軽くてコストパフォーマンスにも優れ、美しく切り撮ることも叶うタムロンレンズ。皆さんにもぜひ試していただきたいです!
記事で紹介された製品
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150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD a057(Model )
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。