2022.11.02
写真家 並木 隆氏が、タムロン50-400mm F4.5-6.3 (Model A067)で表現する、多彩なクローズアップ撮影
写真家の並木 隆です。実は花の撮影でズームレンズの50mmという焦点距離は、開放F値が単焦点レンズに比べるとかなり暗いので、中途半端なボケになりやすい、寄って大きなボケを得ようとしても寄れないなど、ボケを多用する私の作風には合わないと思っていました。焦点距離が広がっただけでしょ?というのがこのレンズの最初の印象でした。
約二ヶ月間、この50-400mm F4.5-6.3を使ってみて、その印象は大きく変わりました。これまでほとんど使うことのなかった50-70mm域で、最大撮影倍率1:2というマクロレンズ並のクローズアップ撮影が可能なので、大きなボケ味で被写体を浮かび上がらせたいときは望遠端の100-400mmを、クローズアップ撮影なら50-70mmを選択することで、多彩な表現を一本で実現可能にする万能レンズだったのです。
しかも、長さ183.4mm、質量1,155gと100-400mm並の小型・軽量設計。レンズの配置もボディ側に多数のレンズを配置した構成になっているためホールディングバランスも良く、望遠端400mmから広角端のクローズアップ撮影まで、非常に安定感のあるフレーミングが行えます。特にレンズの性能が出やすい最短撮影距離付近でも解像力が高く、作品にもあるトンボの複眼がしっかりと再現されているのには驚きました。
50-400mm F4.5-6.3を使うときに気をつけたいポイントのひとつは望遠側でのボケ。より大きなボケを得たいなら300mmや400mmを多用することが多くなりますが、そのとき、前ボケにする被写体を100mmや200mmと同じ距離感で取り込むと大きくボケすぎて薄くなってしまいます。最低でもレンズ先端から1-2m以上離れた被写体を取り込みましょう。そんなに離れたらボケないのでは?と近付きたくなりますが、騙されたと思って離れてみて下さい。そうすれば、キレイな前ボケを得ることができます。もう一つは広角側でのクローズアップ撮影。どこまで寄れるのかわからず寄り切れない、また、最短撮影距離では思った以上に寄れるので、寄りすぎて被写体とレンズが当たってしまうということのないよう、レンズ先端から被写体までの距離を事前に把握しておくとよいでしょう。
50mmと70mmの使い分けですが、50mmの方が背景の写る範囲が広くボケも小さくなります。最初はワーキングディスタンスの長い70mmを使い、慣れてきてから50mmを使うと、スムーズに全域を使いこなせるようになるでしょう。ぜひ、皆さんも50-400mm F4.5-6.3でクローズアップ撮影を楽しんでみてください。
ソニー Eマウント用
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応のソニー Eマウント用超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。
Takashi Namiki 並木 隆
1971年生まれ。高校生時代、写真家・丸林正則氏と出会い、写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。花や自然をモチーフに各種雑誌誌面での作品発表。公益社団法人 日本写真家協会、公益社団法人 日本写真協会、日本自然科学写真協会会員。
記事で紹介された製品
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50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD a067(Model )
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)は、広角端50mm始まりでズーム比8倍、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の超望遠ズームレンズです。50-400mm全域で妥協のない高画質を実現するレンズでありながら、100-400mmクラス同等の小型・軽量サイズを達成。リニアモーターフォーカス機構VXD、手ブレ補正機構VCを搭載し、スポーツや野鳥などの撮影で、被写体の動きに素早くピントを合わせられます。近接撮影能力にも優れ、被写体に存分に近づいたハーフマクロ撮影も可能です。Model A067は、圧倒的な高画質と機動力を兼ね備えた新しい超望遠ズームレンズです。