2021.11.26
風景写真家 古市 智之氏が、オールマイティなタムロン18-300mm F3.5-6.3 (Model B061)富士フイルムXマウント用で写し撮る秋の風景
風景写真家 古市 智之氏が、オールマイティなタムロン18-300mm F3.5-6.3 (Model B061)富士フイルムXマウント用で写し撮る秋の風景
初めまして。風景写真家の古市 智之です。今回、タムロンとしては初めて発売となった、富士フイルムXマウント用高倍率ズーム、タムロン 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)で、風景を撮影してみました。
18-300mm F3.5-6.3は、高倍率ならではの機動力に加え、手ブレ補正、近接撮影、簡易防滴と、およそ風景撮影で必要な要素を備え、ほとんどすべての被写体にストレスなく対応できます。各機能の使い心地はそれぞれの解説文に記していますが、18-300mm F3.5-6.3は 、とにかくレンズ交換の手間がなく被写体に集中できるのが何よりありがたいですね。高倍率ズームの一番の利点は、実はそこなのです。そして気になるのはその描写力。果たして風景のような繊細な被写体をどうとらえてくれるのか。その実力を試すにはうってつけの紅葉取材に持ち出してみました。
一枚目の写真 焦点距離:23mm 絞り:F/16 シャッタースピード:1/70秒 ISO感度:200 使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA
自然の中では必ずしも撮影しやすい場所ばかりとは限りません。この写真を撮影した場所は、湖畔に突き出た僅かなスペースでした。前にも行けず、後ろへも下がれない。さらに三脚も使えない、いわゆる三すくみ状態です。このような場面では機動力の高い高倍率ズームの独壇場です。フレーミングの自由度が高く、結果に妥協する必要はありません。
18-300mm F3.5-6.3は、フイルム時代から長きに渡り高倍率ズームをリードしてきた、タムロンらしい描写力でした。富士フイルムユーザーとしては、純正レンズにはない撮影領域も大きな魅力です。またフィルムシミュレーションとの相性もバッチリ。どれも純正レンズと変わらない色乗り具合は、このレンズの素性の良さを表すものでしょう。あえて言うとすれば、絞りリングが無いことでしょうか。純正レンズとの操作感の違いが最初のうちは若干気にはなりましたが、このレンズ一本で大抵の撮影はこなせてしまうので、使い続けていくうちに気にならなくなりました。私にとって待望のレンズであることは間違いなく、長く使っていきたいと思わせるレンズでした。