2021.10.08
写真家 高橋 伸哉氏が新発売のポートレートズーム、タムロン35-150mm F2-2.8 (Model A058)で撮影した未公開カット全9作品を公開
私は普段、単焦点レンズをメインに使って、ポートレートを撮影していますが、数々のズームレンズも使ったことがあります。もちろん、どれもが優秀なレンズですが、それぞれの特性を理解した上で選んできたのが単焦点レンズでした。シャッターを切る回数が多いため、その分レンズ交換も頻繁に行います。単焦点レンズの唯一の不満はそこにありました。3本から4本のレンズをカバンに詰め込み撮影に臨みますが、レンズを変えるたびにリズムが止まります。さらに屋外でのロケで移動しながらの撮影となると、レンズがたくさんあると荷物がかさばり重くなります。これが本当に厄介という悩みがありました。この悩みを解決してくれたのが、今回の神レンズです。広角35mmから望遠150mmまで、レンズ交換なくシームレスな撮影が可能な上に、フルサイズミラーレスのソニー E用としては世界初というF2始まりで、描写も素晴らしいです。
そして今回、公式作例の撮影でこのレンズと共に過ごして感じたことがいくつもあります。まず解像力が非常に高く、AFが速いのです。フォーカスの追従性も高いため、ポートレートでは顔/瞳AFとの組み合わせは最強と言えるでしょう。開放F2の繊細なピント面はもちろんのこと、画面の隅々まで解像感の高い描写で、シャドー部においても優れた再現力で深みがあり、陰影のある写真を好む人にもピッタリです。
また、最短撮影距離がなんと広角端で33cm、望遠端で85cmを実現しています。これがすごく重要です。私は女性を寄りで撮ることも多く最短撮影距離がどうしても気になります。このレンズはそういった私の撮影スタイルを全て網羅するようなことをやって退けてくれました。あぁ、タムロンさんありがとう、このようなポートレートに最適なズームレンズを待っていました。
タムロン35-150mm F2-2.8があれば、レンズ選択に迷う必要がなくなり、逃したくない一瞬の表情も満足のいく描写で捉えることが可能です。撮影のリズムを大切にするポートレート撮影において、このレンズはきっと愛用されることでしょう。新しい時代がやってきたような気がします。