2021.08.17
星景写真家 北山 輝泰氏がタムロン11-20mm F2.8 (Model B060)で撮影する、美しい夏の星空
星景写真家の北山輝泰です。今回は、6月に発売されたAPS-Cサイズ対応のソニー Eマウント用レンズのタムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)を使って、夏の星空を撮影してきました。夏の被写体と言えば天の川が有名ですが、広角から標準まで1本でカバーできるこのレンズで、どのような天の川を撮ることができるのか、撮影前からワクワクが止まりませんでした。今回使用したカメラボディは「α6600」と「α7S III」の2機種です。それではご覧ください。
一枚目の写真( 焦点距離:20mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:1600 使用カメラ:ソニー α7S III)
天の川撮影がひと段落した朝方の薄明の時間、遠く見える浅間山から昇る朝日を迎えるまで、刻一刻と変わる空のグラデーションを楽しみながら夢中でシャッターを切りました。夏の明け方にはもうすでに冬の星座たちが昇り始めており、季節の移ろいの早さを実感する瞬間です。
カメラを北極星の方に向けインターバル撮影したものを比較明合成しました。広角11mmで撮影することで、北極星を探す目印の星座であるカシオペヤ座とおおぐま座の北斗七星を一緒に写すことができます。比較明合成の定番とも言える構図ですが、快晴の日にはぜひ挑戦していただきたい作品です。
※比較明合成:複数枚のカットでピクセルごとの明度を比較し、明るいほうのピクセルを採用して1枚に合成する方式。
少し変わった星景写真に挑戦してみたいと思った場合は、焦点距離を変えて撮影してみることをお勧めします。標準域の画角は、星空と風景を広くとらえることはできませんが、代わりに特定の被写体をクローズアップして撮影することができますので、よりテーマ性がはっきりした星景写真を撮ることができます。例えば、惑星や恒星の明るさを際立たせた作品や、星座のギリシャ神話を調べ、そのストーリーにマッチした風景と一緒に撮るなど、楽しみ方は色々です。
Teruyasu Kitayama 北山 輝泰
1986年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、福島県に移住し天文インストラクターとなる。その後、天体望遠鏡メーカーに転職し、営業マンとして7年勤務したのち、星景写真家として独立する。山梨県富士山麓を主なフィールドに星景写真を撮影しつつ、オーロラや日食などの様々な天文現象撮影を行うため、海外遠征も積極的に行なっている。現在は、天文雑誌「星ナビ」ライターや、アストロアーツ天文講習会の講師、ソニーαアカデミーの銀座校、大阪校講師などを務める傍ら、自身でも星景写真ワークショップの企画、運営などを行なっている。
記事で紹介された製品
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11-20mm F/2.8 Di III-A RXD b060(Model )
11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)は、大口径F2.8でありながら小型軽量と高い描写力を実現。コンパクトなAPS-Cサイズミラーレスカメラボディとのバランスもよく、普段使いとして最適です。広角端11mmでは最短撮影距離0.15m、最大撮影倍率1:4と驚異的な近接撮影能力を実現し、パースペクティブの効いたデフォルメ効果を活かしたワイドマクロ撮影が可能。また、AF駆動には静粛性に優れたステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載しており、静止画だけでなく動画撮影にも適しています。加えて、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを採用するなど、超広角大口径F2.8の高画質を手軽にお楽しみいただくことができる、実用性の高いレンズです。