2020.06.16
写真家 HARUKI氏がタムロン28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)でモロッコの街を撮影。未公開カットを含む9作品を公開(前編)
写真家 HARUKI氏がタムロン28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)でモロッコの街を撮影。未公開カットを含む9作品を公開(前編)
とにかくコンパクト!!それが最初に手にした瞬間に感じた素直な印象でした。高倍率ズームレンズと言えば昔からタムロンのお家芸ですが、フルサイズセンサー対応ソニーEマウント用で28mmから200mmまでの常用画角をカバーしつつ、よくぞここまでダウンサイジングしてくれたと思いました。ボクの掌は男性としては比較的小さめなんですが、カメラに装着した状態で手にしてみると、このレンズはまるであつらえたかのように左手の中にピタッと収まってくれました。
実際にロケ先で使用してみて感じたのは、高倍率の割にはズーミングによる繰り出し量もそれほど大きくはないので、望遠側に設定した時にも下から支えた左手の人差し指を自然と伸ばすだけでより安定したホールディングが実現できました。ズーミングとマニュアル・フォーカスにおいてもスムーズなリング操作で撮影が出来ます。ワイド側でのズームロックも備えており、レンズ自体は軽いので撮影時にはあまり必要なかったのですが、長距離移動でバッグにしまう時などには、やはりズームロックがあると安心します。
ワイド側がF2.8スタートなのも、被写体にグッと寄って背景をボカしたり、奥行きを感じさせたり、立体的な絵柄を創り出すことも可能です。ボクは斜光線や逆光線でのシーンを好んで撮影するのですが、逆光耐性に不満はありませんでした。描写力においても色々な条件で試みましたが、素晴らしく色のりの良い発色性も好みです。
7倍ズームでありながら軽量コンパクトなので、日常使いでのスナップショットや撮影旅行などに携行するのに便利なことはもちろんのこと、F2.8の明るい開放値を活かし、被写体を大きく写す近接撮影や準マクロ的な使い方も可能です。望遠側でもズームレンズとしては比較的明るい開放値F5.6までに抑えられているので、スポーツ撮影やポートレート撮影の現場でも充分威力を発揮してくれます。
様々な撮影シーンがある中、このレンズ1本だけで多くの場合には事足りてしまうでしょう。もっと広角側が必要な場面などではより広い画角のワイドズーム17-28mm F2.8 (Model A046) と組み合わせたり、20mm F2.8 (Model F050)や24mm F2.8 (Model F051)などの単焦点広角レンズと組合せても、フィルター径67mmやデザインが統一されており、さらに全レンズがとてもコンパクトな設計なのでセットで持ち歩いても苦にならない質量がうれしいです。
今回は主にスナップショットや風景の撮影でしたが、機会があれば今後はこのレンズで旅先のポートレートを撮ってみたいと思いました。
一枚目の写真( 焦点距離:75mm 絞り:F/9.5 シャッタースピード:1/90秒 ISO感度:200)
HARUKI HARUKI
広島市生まれ。大学卒業後、上京しフリーランスとしてポートレート撮影を中心に活動。「第35回朝日広告賞・表現技術賞」「100 Japanese Photographers」「パルコ期待される若手写真家展」等に選出、個展多数開催。近年は世界各国でのスナップショット撮影やエッセイも執筆。プリント作品は国内外の美術館などに収蔵。九州産業大学芸術学部・客員教授、長岡造形大学・非常勤講師、日本写真家協会正会員。