2020.04.03
クリエイティブ・コンサルタント市川 渚氏がタムロン20mm F2.8 (Model F050)で撮影する冬の北海道旅、白の世界
クリエイティブ・コンサルタント市川 渚氏がタムロン20mm F2.8 (Model F050)で撮影する冬の北海道旅、白の世界


はじめまして。市川 渚と申します。THE GUILDというギルド型クリエイティブ・ファームに所属しながら、フリーランスのクリエイティブ・コンサルタントとして、さまざまなクリエイティブの企画制作をお手伝いさせていただいたり、モノやガジェット好きが高じて各種メディアでコラム連載を担当させていただいたりと、ファッション/ライフスタイルとテックが交差するところでさまざまなお仕事をさせていただいています。昨今では写真好きが高じ、撮る側としてお仕事をお引き受けさせていただくことも増えてきました。
愛機はSonyのα7III。私が日常よく撮影する写真としては、自身のコラム連載やSNSでのモノ紹介に使うため、自然光下での物撮りや旅先でのスナップ写真が9割です。物撮りではTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)の望遠側を使うことが多いのですが、本格的なカメラを手にした頃から広角レンズが好きで、25mmから35mmくらいの広角レンズをつけっぱなしにしていることがほとんどです。
今回はそれよりも更に広角のTAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)をお供に、冬の北海道へと出かけてきました。普段はRAWをLightroomで現像しているのですが、今回は全編JPGで撮って出しです。
一枚目の写真( 焦点距離:20mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:100)
旅に出ると必ず撮るようにしている宿の窓越し風景シリーズ。景色がボケすぎるので開放から1段階絞りました。開放で現れる若干の周辺露光も少し絞るとほぼ無くなる印象です。
木々に掛かっていたイルミネーションの1灯に思い切り寄ってみたところ。F値は2.8ですが、グッと被写体に寄ると背景はダイナミックにボケてくれます。柔らかな描写も良い感じです。
白樺の木肌と前日の吹雪で吹き付いた雪のクローズアップ。当初開放で撮ろうとしたのですが、ボケすぎて何が何だかわからなくなってしまったので、F4.5まで絞ってみました。あおりの構図で得られる遠近感も広角レンズならではの楽しみです。
外で撮影をしていたら雪がどんどんと自分のウェアに積もってきたので、その様子の雪の結晶を撮ろうとしたのですが、むしろウェアの素材の織り組織とロゴ刺繍の糸の1本1本まで写せていたことに驚いてしまいました。
雪の積もった枝にグッと寄って後ろボケを作ってみました。この日は強風で枝の揺れが大きくAFが迷っていたので、ピントはMFで。
葉が落ちて枝だけになった冬の木々の少しさみしげで繊細な姿が好きで、普段からよくカメラを向ける景色です。F10まで絞ってみましたが、フリンジも見られず隅々までしっかりと解像してくれています。
今回の写真はすべてボディ内レンズ補正をオンにしています。シャドウのやわらかな描写も好印象です。
小腹が空いてホテルで頂いたスムージーを俯瞰で。広角レンズはあまりテーブルフォトに向いているレンズではないと思いますが、グイッと素材に近づきながらも広がりのある絵が得られるのは寄れる広角レンズならでは。
ここだというときに構えてシャッターを押せば、自分が見ているままに近い全体像を切り取ることができるのが広角レンズの好きなところです。
早朝、新雪が降り積もった森の中での1枚。強い朝日が雲の切れ間から覗く明暗差の激しい場面ながら、フレーミングを決めてシャッターを切っただけでこの美しさ。手前部分の雪の細かなきらめきまで映し撮ってくれていました。
正直なところ、広角すぎて使いにくいシーンもでてくるのではないかなと当初は思っていたのですが、このレンズはハーフマクロなので、広角らしい画だけでなく、寄り引きのバリエーションが1本のレンズで表現でき、“20mmの広角単焦点レンズ”の一言では表しきれない1本でした。
今回はボディ内レンズ補正をONにしていたため歪曲収差はほぼ気になりませんでしたが、あえてOFFにして魚眼レンズ的な楽しみ方をしてみるのもありかもしれません。また、個人的には、愛用しているTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)とフィルター径が共通なので手持ちの各種フィルターを共用できるのも嬉しい。価格的にもお財布に優しく、キットレンズからのステップアップで単焦点の広角レンズにトライしてみたいという方にもおすすめです。