2019.08.31
ポートレート
写真家レビュー
梅雨の終わり、そして夏の始まり。彼女と待ち合わせたのは8月が始まったばかりの横浜の海。フルサイズ一眼レフにTAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD (Model A043)だけを取り付けてお出かけです。一枚目の写真( 焦点距離:35mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/250秒 +1 1/3補正 ISO感度:200)
夏の撮影はたっぷりの光があるのが嬉しい。しかしその暑さとの闘いもあります。彼女を撮るのは2回目なのでコミュニケーションはすでに取れていますがまずは室内からの撮影で仕切り直し。この35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD (Model A043)は開放F値がワイド側F/2.8、テレ側F/4とズームレンズとしては明るめで、薄暗い場所でも攻めた撮影が出来ます。
ガラスを活かしたカットは涼しげなイメージになります。フォーカスを合わせるのが難しいシーンですが、難なく合わせてくれるレンズです。
外へ。普段は35mm F/1.8の単焦点だけでポートレート撮影をしていましたが、今回はもっと自由度が高くなります。とは言え、しっかりと彼女と自分との距離感を設定しておかないと曖昧な写真になってしまいがちです。まずは身に染み込んだ35mmの距離感で撮影。
同じ位置から一気に100mm付近まで引っ張ってみました。前後が圧縮されて緊張感を感じる1枚に仕上げる事が出来ました。彼女のテンションを一定に保ったまま、ニュアンスの違う写真に仕上げられるのは非常に楽しいですね。
夏らしい影を1枚。どうしても顔ばかりに注目が行きますがそこだけではない視点も必要ですね。35mm側は僅かな樽型収差が見られますがご覧の通りさほど気にはなりません。
この日は平日。いつもは人で賑わう場所も静かです。西陽が綺麗に照らし出されてきたので思わず一枚。逆光気味ですがBBARコーティングも相まってか、フレア・ゴーストも見られません。
意識的に顔以外のショットも狙います。ごく狭い範囲にAFを合わせるシーンですが、スムーズに合わせられるのでストレスなく撮影を楽しめます。
これも少し変わった場所で撮影。自分が写り込まない場所をコントロールして数枚素早く撮影します。鏡の質感が艶めかしく描写されています。
中望遠域にて。レンズの交換なく写真にリズムを付けやすいのが嬉しい。背景のボケもうるさくなく、被写体を邪魔しません。
撮影も中盤を過ぎていますが、796g(キヤノン用)と決してヘビーな重さではないので疲れ知らずです。
手すりを前ボケにして視線を中央に誘導してみました。後ボケと同様に前ボケも好印象なのがわかります。
広角35mm側で撮影することが多かったのですが周辺光量がしっかりと保たれている事に気がつきました。空を多く入れ込みたい時には特に嬉しいですね。
5段分もの手ブレ補正機構「VC」によって常にファインダーは見やすいです。特に望遠域ではしっかりと手持ちで作図できるので本当に嬉しい機能です。
面白い影を見つけたので立ち位置をデリケートに探しながらポージングしてもらいました。特にシャドウ部分の階調もしっかり残っていますね。
モデル:ありちゃん
総じてこのレンズを使用して感じたことは次の通りです。・ポートレートに非常に使いやすいズーム域であること・開放F値が明るいのでボカしやすいこと・重量を感じさせず疲れにくいこと・手ブレ補正機構「VC」でブレにくくファインダーが見やすいこと・今回は多用しなかったが最短撮影距離が0.45mと近いのでマクロ的な作品も狙えることまさに1本で様々な作品を創り上げることが出来ます。自分の中では、すでに経営者撮影など現場撮影に欠かせないレンズになっており、これからも楽しみなレンズです。
Yuichi Maruya まるやゆういち
1974年青森県生まれ。2000年にタヒチの美しさに魅せられ写真を撮り始める。2004年写真家テラウチマサトに師事。2011年独立、以降経営者や著名人などの撮影のほか、写真講師としても精力的に活動している。
35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD (Model A043)は、撮影テンポをレンズ交換によって乱されることなく、さまざまな構図でポートレート撮影を自由に楽しむために生まれたズームレンズです。F値は広角端35mmでF/2.8、望遠端150mmにおいてもF/4の明るさを確保。望遠ズームでありながら長さ124.3mmとコンパクトなボディは、持ち運びにも便利です。
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