2018.02.23
写真家 黒田 明臣氏がタムロン SP 70-200mm F2.8 G2 (Model A025)で魅せる、距離を感じさせない透明感
写真家 黒田 明臣氏がタムロン SP 70-200mm F2.8 G2 (Model A025)で魅せる、距離を感じさせない透明感
単焦点レンズと比べた解像感や階調の低下を懸念していましたが、結論から言って杞憂に終わりました。それ以上に、強力な手ぶれ補正により200mmという焦点距離すら不安なく撮影させてくれる安心感。そして小気味よいリズムでフォーカスするAFの使いやすさが、手に持つことに躊躇いを感じさせないポイントの一つだったのかなと振り返ってみて感じます。
一枚目の写真( 焦点距離:120mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:200)
室内でしたが、寝そべるモデルの横に立ち、焦点距離をのばして撮影してみました。
SP70-200mmで気に入っている点の一つが、モデルの繊細な肌の階調を描写してくれている点。見逃してしまいそうな、ほんのうっすらと赤みのある頬であったり、きめ細やかな肌質を表現してくれているのです。これを実現するには解像感もそうですが、撮影時にこの階調をきちんと捉えてくれていないと難しい。技術的にはRAW現像によるトーン処理も必要ですが、それもきちんと撮影できていなければできません。更に、120mmでの撮影ながら不安定な体勢でもきちんと止まる手ぶれ補正が効いているのでしょうね。
これは少し色調を変えてみました。RAW現像時に好きな色表現を追求することが多いのですが、この際に機会やデータの差に気付かされる場面は少なくありません。光の状況というのがもっとも大きいのですが、良質なデータをRAWとして残す為にはハード側の性能も不可欠。窓からの僅かな拡散光でこのような肌の立体感を捉え、階調をきちんとデータに残しているからこそ階調ごとに色をシームレスに調整することができるのだろうなと感じます。
室内撮影を振り返ってみて、一点不安に思っていた、日頃主戦場としている室内撮影でも使用できるかどうかという懸念についても、最短撮影距離 0.95m と気持ち1mより寄れるくらいの焦点距離が効いているのか支障なく使用できる点は良い発見でした。
室内のおける望遠レンズの使用という、少しトリッキーな作例になったかもしれません。
個人的には室内であっても85mmや135mmを使用することは少なくないため、単焦点レンズのような感覚で使用しましたが、限られたスペース内で画角を追い込むために無段階でズームできるというのは、やっぱり便利なものですね。ただ、これは個人的な反省になりますが200mm付近をポートレートで使用するにはもう少し経験が必要かもしれません。大変楽しく撮影することができたのですが、まだまだいけたなあと思う部分も大いにあります。
作風的に影響されていることは特にないと思うのですが、大好きな写真家の一人であるピーター・リンドバーグ氏は望遠レンズを使用しているイメージが強いです。ああいった写真は自分には撮れそうもありませんが、あのように焦点距離を自分のものにするには長く使う経験も必要なのかなと感じています。レンズの性能を十二分に活かせるように、もっともっと使っていきたいですね。
model / 近衛りこ @ko_no_e
Akiomi Kuroda 黒田 明臣
広告・雑誌・企業のビジネス写真を中心に活動する傍ら、セミナー・ワークショップ講師としても活動中。独学で学んだ撮影技法・RAW現像・ライティングに関するテクニックを、カメラ誌・書籍・ウェブメディアにも執筆中。2017年より商業写真家として活動開始。写真と前職のウェブエンジニアリング、両方のスキルを活かしてSNS時代に何か寄与できないかと模索している。
記事で紹介された製品
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SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 a025(Model )
SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2は高い評価を頂いてきたSP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」から、第2世代「G2」として、さらなる進化を遂げた望遠ズームレンズです。光学性能の向上、最短撮影距離の短縮、手ブレ補正機構の強化、AFの高速・高精度化、そして別売のテレコンバーターへの対応など、あらゆる性能・機能が進化を遂げています。