繊細な花の表情を巧みに捉えられています。弱く柔らかい光を上手く活かして、幻想的な花の色合いを魅惑的に表現されました。アンダーなバックを活かして、暗い背景から主題が浮き出ているように見せる技術は素晴らしい。 また、花のシベを丹念に捉えるなど、細かい部分のディティール描写が上手いですし、ツボミの表現もよく吟味し、絶妙のバランスで構成されました。ピント位置、画面構成、露出設定を精査された結果によって、大きな成功を勝ち取った逸品だと言えるでしょう。

絵作りの完成度が非常に高い作品です。
バックの黒をしっかりと暗く落とすことで、花の柔らかい風合いと、ブルーから紫にかけて変化する繊細な色のグラデーションが際立ちました。花がしずくのように垂れるような不思議な構図は、実際の花というよりは、イメージの中の花を表現しているように感じます。花をしっかりと見つめ、自分なりの解釈で新たに命を吹き込んだところが、勝因だと思います。