タムロンがオリジナルで開拓してきた高倍率ズームのコンセプトは、「広角も望遠も一本だけでOK」という非常にシンプルな、ユーザー様のご要望にお応えするものです。タムロンはこの原点を常に見据え、ズームの高倍率化に取り組んできました。『デジタル一眼レフカメラ専用設計とすることにより、ワイド側の短焦点化を達成しながら、どこまで望遠側を拡張できるか?』その自らへの問いかけが、ズーム倍率13.9倍を持つ超高倍率ズームレンズModel A18として実現しました。
望遠側の焦点距離を250mmにまで拡張するため、軸上色収差を低減するLD(異常低分散)レンズを第1群に、その他にADレンズを1枚採用。歪曲収差や球面収差を低減し、コンパクト化に寄与する複合非球面レンズ2枚を適所に採用。全4群中の第3群の光学構成を徹底的に追究し、光学構成全体のパワー配分の最適化を求めました。その結果、非点収差を中心とした諸収差を良好に補正すると共に、第1群の小径化によるコンパクト化、超高倍率化を実現した、最良の光学構成を得ています。
*13.9倍の超高倍率ズームを実現するため、XRガラスは採用せず、光学構成全体の最適化による小型化を追求しています。
デジタル一眼レフカメラ専用の高倍率ズームではトップクラスの最短撮影距離0.45mを、ズーム全域で実現しています。また、250mm側での最大撮影倍率も、1:3.5*となります。
*APS-Cサイズ相当の撮像素子は、35mm判フィルムに比べて小さいため、本レンズは、35mm判カメラで最大撮影倍率1:2.3のレンズで撮影した時に得られるのとほぼ同等の範囲(約8cm×約5.5cm)を、画面いっぱいに写し撮ることができます。
ズームによる収差変動の影響にも考慮し、画面中心から周辺まで撮像素子に入射する光の角度を一定の範囲内に収めるよう考慮した光学設計を採用しています。
デジタル一眼レフカメラ専用のレンズとして、高解像性能、高コントラスト性能、平面性に優れた画質を実現し、さまざまな撮影シーンに対応できます。
デジタル一眼レフカメラ特有の、ミラーボックス内の撮像素子の影響による内面反射に対処するため、レンズ面の反射を徹底的に抑えるマルチコートや、インターナル・サーフェイス・コーティング(レンズ貼り合わせ面へのコーティング)を積極的に採用しています。
機構的な工夫により、コンパクトなボディの中に複雑な構造を納め、優れた携帯性、操作性を実現しました。AF28-300mm(Model A061)の構造を基礎に、各鏡筒部品の役割分担を見直し、積み重ねてきた複雑なメカ設計のノウハウをさらに進化させ、小型化、精密化、高倍率化を実現しています。さらに生産面においても、複雑な構造を持つこのレンズの製品化のため、部品の高精度化・軽量化・強度向上など、製造技術の革新を図っています。
携帯時の自重落下を防止する「ズームロック機構」を搭載しています。また、クリアで抜けの良い描写性能を実現するため、画角外から射し込んでくる有害な光線を画面の四角いフレームに適した効果的な形状でカットする花形フードを標準装備しています。
仕様 | |
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モデル名 | A18 |
焦点距離 | 18-250mm |
画角(対角画角) | 75°33'-6°23'(APS-Cサイズ相当) |
明るさ | F/3.5-6.3 |
レンズ構成 | 13群16枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.45m(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 1:3.5(250mm時:最短撮影距離0.45m) |
全長 | 84.3mm* |
最大径 | φ74.4mm |
フィルター径 | φ62mm |
質量 | 430g* |
最小絞り | F/22 |
標準付属品 | 花形フード |
対応マウント | ニコン用 (AFモーターを内蔵しない従来タイプ)/ ニコン用(N II:AFモーター内蔵タイプ)/ キヤノン用 / ソニー用 / ペンタックス用 |
希望小売価格 | ¥71,429(税込¥75,000) |
発売時期 | 2007年 |
生産終了 | 2008年(ニコン用従来タイプのみ終了) 2010年(AFモーター内蔵ニコン用[N II]及びキヤノン用、ソニー用、ペンタックス用終了) |
* 全長・質量は、ニコン用の数値です。